データ総量制限はネットワーク混雑緩和に効果がない

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ブロードバンドのデータ総量制限は、何やら厄介ではあるが、少なくとも理解はできる。帯域は限られた資源であり、われわれ全員で共有しなければならず、もしみんなが最大限引き出そうとすれば、システムに容量を越えて負担をかけることになる。しかし、誰がいつ、最も多く帯域を使うかを調べる方が実用的である。それによってピーク時等の混雑を防ぐことができるからだ。

いくつかの研究や理論が示唆するところによると、「帯域食い」や「データ食い」と呼ばれる払った金の元を残らず絞り取ろうとする人々は、実際には混雑の大きな原因ではなく、その種のユーザーが使いまくるのを防ぐ目的のデータ量制限は、効果的な対策ではない。

Diffraction Analysisが、消費者の利用形態に関心を持つ「北米の中規模企業」のデータを分析した。提出されたデータは、5分間隔で1日中の帯域利用量を測定したものだった。調査の目的は、実際にごく一部のユーザー(帯域食い)が他のサービスの質に影響を与えているのか、またデータ制限にその抑止効果があるのかを知ることだった。

結論を要約すれば、ヘビーユーザーは確かに総量では平均よりはるかに多くデータを消費していたが(288GB vs 9.6GB)、ピーク時やネットワーク容量の75%上が使われている時の混雑への寄与は、平均ユーザーと比べてさほど大きくなかった。

データはこうだ。サービスへの混雑の影響が最も大きいと考えられるピーク時に、ヘビーユーザーの帯域消費に占める割合は小さかった ― 正確には14.3%。そしてそのヘビーユーザーのうち高速接続は半分だけであり、彼らが総量では多く消費しているものの、〈現実の〉問題、即ちピーク時の混雑への寄与は平均ユーザーと変わりがない、という事実をさらに裏付ける結果となった。

ではなぜデータ制限か? 例えば、月間300GB(またはそれ以下)の制限が、ピーク時のサービス品質に影響を与えないことは明らかである。むしろ苛酷なデータ制限を受けた人たちは、利用をピーク時に限る可能性が高い。夜映画をストリーミングしたり、仕事を終えて家に帰ってYouTubeを見たり。実際これは、ピーク時混雑への影響をさらに高める結果になる。

解決方法は何か。帯域制限の方が重要であると思われる。そして最大値ではなく値の範囲を公表する方が、ISPとして誠実であり速度低下を防ぐ効果もある。もし動的帯域制限によって、深夜には30Mbpsでダウンロードできるが、ピーク時には5Mbpsに制限することが可能になれば、どちらの世界にとっても最良であり、誰も超過料金を心配する必要がなくなる。

では、この超過料金(大した額ではないが)に代えて何で儲ければよいだろうか。ピーク時に制限を受けないプレミアムアクウントを数量限定で販売する。ISPはパイプの数と太さをコントロールしているから、プレミアム、標準それぞれいくつ提供できるかわかっている。この方が、一部のユーザーが苦しみ他のユーザーにとって効果のないデータ総量制限よりずっと理にかなっている。どちらも直接的取り組んでいる問題に対しては等しく寄与するのだが。

レポート全文はここで販売されている(750ユーロ)が、著者によるエグゼクティブ・サマリーも読みごたえがある。

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(翻訳:Nob Takahashi)