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最年少上場のリブセンスは本日IPOだが市場はどう評価するのだろう

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編集部:この記事はMarketGeekを運営するスタートアップのKanmuの八巻渉氏によるものだ。MarketGeekでは株式市場のデータなどを集めて提供している。

人材情報サービスのジョブセンスや不動産情報サービスのDOOR賃貸を運営するリブセンスが、今日、2011年12月7日をもって東証マザーズに店頭公開を果たす。これによって代表取締役社長の村上太一氏は25歳1カ月強の最年少での上場社長となる。この若き経営者が率いるリブセンスの株式公開についてその内容を解明してみようと思う。

リブセンスの目論見書によると、彼らの想定株価は990円となっており、想定発行済み株式数が340万株であることから、そのままこの価格がつくと時価総額は約34億円となる。これは決して大きな額ではないが、たとえば、同じく不動産情報を提供しているネクストの56億円などと比べても遜色はない。

今回はこの株式のうち。45万株が公募時に出されれ、これによってリブセンスは約4.4億円の手取り資金を得ることになる。

そして本日、その初値が決定される。

想定されている公募価格のPER(株価収益率)は約13倍で、割安と考えられるが、昨今の欧州危機により株式市場全体が不安定であることから、どのような値がつくか、ふたを開けてみないと分からない状況である。

ちなみに、今年上場したインターネット関連企業の状況であるが、Klabが目論見書による想定発行価格1,540円に対して、現在の株価が4,500円前後と好調なのに対し、駅探モルフォポールトゥウィンなど、株価が想定発行価格を下回っている低調な企業もなくはない。

業績に目を移してみると、リブセンスの業績は2010年12月期では売上高6.4億円(前年比12%増)、経常利益2.2億円(前年比1.4%増)と軟調だったものの、今年度の第三四半期累計で、売上高8億円、経常利益3.7億円と大幅な躍進を見せている。おそらく昨年度に人材獲得に注力した結果だろう。

セグメントごとに見てみると、同社が運営している求人メディア「ジョブセンス」が前年度売上6.1億円に対して第三四半期累計で7.1億円と、堅実に伸びていることが分かる。

これをそれまでの最年少上場記録を作ったアドウェイズと比較してみると、アドウェイズは上場直前期(2006年3月期)で、売上35億円(前年比248%)、経常利益4.5億円(前年比465%)、上場時点の想定発行株式数は1万6396株で、想定公募価格は150万円だった。したがって、時価総額246億円想定で、手取りは諸費用を除いて約29.4億円という調達額だった。2006年6月20日に上場というタイミングだったことも手伝ったのか(ちなみに当時の日経平均は14,648円で現在の8,575円とは状況が異なる)、PERは2007年3月予想ベースで約70倍の高水準だった。そして、上場直後の日の終値は143万円と、想定とあまりぶれなかったが、その2週間後353万円まで高騰している。

もちろんビジネが同じではないし、規模感も異なるから一概に比較はできないが5年前とは大きく市況が変わっていることがはっきりわかる。ただ、リブセンスが評価されるのはこれからということになる。

さて、最後に下世話な話かもしれないが、気になるのは創業者の資産額かもしれない。最年少上場の村上太一氏はこのIPOによってどれだけの資産家になるのだろうか。

村上氏はリブセンスの全株式のうち73.83パーセントを保有しているため、株価990円で計算すれば、本日をもって約25億円の資産家となる。また、売り出し株20.5万株のうち、9万株は村上氏の所有から売り出されるため、約9,000万円の現金を手にする。

IPOで潤うのは創業者だけではない。従業員のストックオプションについても見てみると、ストックオプションの取得者は1株210円で株を取得し、その後時価で売却することができる。つまり株価が990円のとき売却すれば、1株780円分のキャピタルゲインを得ることができる。ストックオプションは373株分(株式分割により合計74600株)発行されていて、今回のIPOで20人以上の従業員が100万円以上の資産を持つことになる。

もちろん、個人資産を増やすためのIPOというわけではないだろう。今回の調達資金で、新しいコンシューマー向けサービスを作っていくのが彼らの使命である。今までは、求人や、不動産比較、中古車メディア等、コンテンツありきのメディアを作ってきた同社であるが、今後はCGMやソーシャルメディアの創出にも力を入れていくという。

今年度の予想純利益、約2.6億円(前年比114%増)というメイン事業に支えられる新生リブセンスが今後どのように評価されるのかは、これからIPOを目指すスタートアップにとっても大きな意味を持つだろう。