Appleがイスラエルのフラッシュメモリーのメーカー、Anobitを買収した理由

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Appleはイスラエルの半導体スタートアップ、Anobit Technologiesを買収したという報道確認した。Appleは買収価格を明らかにしなかったが、4億ドルから5億ドルの間だろうと観測されている。

AppleがAnobitを買収した理由としては2つの点が考えられる。まず第一に、Anobitのフラッシュメモリ・コントローラーは現在のAppleのすべての人気製品(iPad、iPhoneからMacBookAirに至るまで)において決定的に重要な部品となっている。

次にこの買収によって大勢の優秀なチップ開発エンジニアを一挙に獲得することができる。ポスト・コンピュータ時代のチップ・エンジニアの重要性はいくら強調しても足りないくらいだ。Appleは少なくとも1000人のチップ・エンジニアを雇っている。Anobitの200人の社員のうち160人くらいがチップ・エンジニアだろう。つまりAppleにとってチップ・エンジニアの10%以上の増強になる。

Anobitはイスラエルに本拠を置き、NANDフラッシュメモリの動作を管理しパフォーマンスを改善するチップをファブレス方式で開発、提供している。買収の噂が出たときに、われわれのRobin Wautersはこう紹介している。

Anobitはフラッシュメモリ関連のソリューションをエンタープライズおよびモバイル市場に提供している。MSP(Memory Signal Processing)という独自技術によってNAND型フラッシュメモリーのエンデュランス特性とパフォーマンスを改善するコントローラーチップが同社の主力製品だ。

フラッシュメモリーはAppleのテクノロジーのパズルにおいて欠かせない一片だ。Appleは何年も前からハードディスクを捨てようと努力してきた。まずiPodで、続いてiPhone、iPadで実現し、最近ではMacBook Airもハードディスクを排除することに成功した。これらの製品ではデータの保存はすべてフラッシュメモリーによっている。ハードディスクを無くしたことによって製品はあれほど薄く、軽く、自由な形状で設計できるようになった。もちろん消費電力も軽減された。Anobitのようにフラッシュメモリーのパフォーマンスを改善するテクノロジーはAppleにとって極めて重要であり、直接所有することを決断したのは自然だ。

しかしテクノロジーと同様に重要なのがエンジニアだ。Appleは現在社内でチップを設計し、世界中でOEM製造させている。 Anobitのエンジニアの獲得によってAppleはIntel(その前はIBM)への依存を減らすことができる。ポスト・パソコン時代に必要とされるチップは従来のIntelチップのような消費電力の多いものとは性格が異なる。Anobitの買収によって社内でのチップ開発能力を高められることはAppleにとって大きなメリットだ。

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(翻訳:滑川海彦 @namekawa01 Google+