日本最大のソーシャルネットワークmixiがビデオジョッキーサービスShortFormに投資し提携

次の記事

カンバン方式でアジャイル/リーンなプロジェクト管理を行うSwift-Kanbanが一部無料提供を開始

Screen shot 2012-01-16 at 7.07.43 PM

昨年の3月に本誌は、ビデオの番組化サービスが成長株である、と報じた。その証拠の一つが、新進のスタートアップShortFormだった。それはいわば、ビデオジョッキーのためのソーシャルネットワークだ。というかShortFormは、ビデオファンがWebビデオの自分だけのチャンネルを作って内容構成も自分で決められる、というサービスなのだ。そういう、独自のビデオチャンネル〜番組構成を作って提供する人のことを、最近では(ディスクジョッキーに対して)ビデオジョッキーと呼ぶ。元ネタとなる個々のビデオはYouTubeからでもVimeoからでも、原則としてどこから取ってもよい。

ユーザ(“ビデオジョッキー”)は、複数のビデオの連続ストリーミング提供ができるだけでなく、自分のチャンネルをウィジェット化してどこにでも埋め込める。それだけでなく同社は、Turntable.fmのお株を奪って、Live Video Partiesと称するリアルタイムのソーシャルビデオ体験を作りだした。つまりビデオジョッキーが“生放送”をできる仕掛けだ。

また、ビデオジョッキー〔以下’VJ’と略記〕の’チャンネル’をWebテレビに持ち込めるGoogle TVアプリもあり、FacebookのオープングラフやTwitter、YouTubeとの統合により、VJと視聴者にたとえば、Facebookの友だちやTwitterのフォロワーなどのから投稿ビデオのチャネルが、ワンクリックで与えられる。これで、’番組’の編成が楽に早くできるようになる。

ShortFormは最近、これまでのVimeo、YouTube、College Humorに加えてHuluを統合し、またIGNと提携して同社のビデオコンテンツもShortFormのウィジェットから利用できるようになった。CEOのNader Ghaffariによると、あれもこれもすべて、オフサイトの(==自サイト以外からの)ソーシャルビデオによる番組構成を、本格的なメディアに育てたいという意図の表れだ。

もちろん、YouTubeは12月のデザイン一新により、大きくソーシャル化した。そしてこうなると、ShortFormのようなソーシャルビデオの番組構成サービスが、YouTubeよりも強力なサービスで差別化を図ることが難しくなる。

YouTubeのデザイン一新に対する反応はさまざまで、Channelsのようにアップグレードしてリコメンデーションを改良したところもあるが、多くは、YouTubeがGoogle+と強く結びついたことによって、日陰者になってしまった。Googleは自分のソーシャルネットワークであるGoogle+に、できるかぎり広範なメディアとコンテンツを含ませたいのだ。マイナーなビデオサイトは、ますます厳しい。

しかしShortFormが特定のネットワークにとらわれずに、いろんなビデオサイトのコンテンツを提供していけば、YouTubeの巨大な影の下でも生き延びることはできる。また、このようなビデオ番組構成サービスには、海外からの関心と機会もある。海外も視野に入れれば、ShortFormのようなオフサイトビデオの番組構成サービスが、本格的なWebメディアに育つ可能性も十分にあるだろう。

そこで今日同社が発表したのが、日本のソーシャルネットワークのトップ、mixiとの提携だ。mixiの力によるShortFormの日本進出、とも言える。実はmixi はかなり前からShortFormのサービスに魅力を感じていて、自分が直接投資しているシリコンバレーのベンチャーファンドNetService Venturesを通して、同社に株式投資をしていたほどだ。

mixiは日本の大メジャーだから、ShortFormにとっては大きなチャンスになりえる。mixiの登録ユーザ数は2535万人、なんと日本の総人口の20%に相当する。そのうち1500万人が、毎月ログインしている。

この提携により、VJたちが構成したビデオチャンネルがmixi上の企業や有名人や一般消費者のページに載ることになる。両社はShortFormの日本語バージョンにより、オンサイト(==mixiのサイト)とオフサイトの両方でShortForm体験を日本市場向けにカスタマイズし、ローカライズしていく。ただし完全に充実した展開までには、今年いっぱいかかりそうだ。

この提携の直接担当者であるmixiのTak Miyata(宮田拓弥)によると、ユーザは個人(VJ)が番組化したビデオを体験することによって、自分のソーシャルグラフをより強化できる。たとえば友だちからおもしろいビデオチャンネルを教えてもらったり、また自分からも教えることで、コミュニケーションが充実する。それはまさに、YouTubeが今回のアップグレードでねらっていることだ。なお、MiyataはShortFormの取締役会に、オブザーバーとして加わる。

ShortFormはこれまで、NetService Ventures、Individuals’Venture Funds、Seraph Groupなどから合計130万ドルの資金を調達している。mixiの約25万ドルの投資は、今進行中の目標200万ドルのシリーズAラウンドの初期的な一部になる。もちろん、mixiが同社をここまで認めたことは、今後の資金調達に有利に作用するだろう。

くどいようだが、同じ道をYouTubeという巨人と一緒に歩むのは、なかなか難しい。でもGhaffariが構想しているShortFormの姿は、ラジオにもテレビにもマイナーな人気局があるように、個人化に徹したビデオ番組化サービスだ。個人化といえば、Pandoraのビデオ版か? コンテンツが、VJ一人一人に個人化され、また各VJは、自分のファンの好みを誰よりも良く知っている。だからShortFormは人気の高いニッチのビデオ局をたくさん擁することになり、元気に生き延びることができる、とGhaffariは確信している。もちろん、今回の国際化も大きな助けになるだろう。ユーザ2500万人のソーシャルネットワークとの提携なんて、誰にでもできるものではない。YouTubeにだって、できないだろう。

詳しくは、ShortFormのホームページと、mixiのホームページを訪ねてみよう。

[原文へ]
[jpTechCrunch最新記事サムネイル集]
[米TechCrunch最新記事サムネイル集]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))