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アジャイル開発企業の2社を買収してLean Startupのインキュベーション事業をデジタルガレージが開始

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Lean Startupの考えにのっとれば、スタートアップにとって迅速にプロダクトを作ってリリースしてユーザーのフィードバックを得るのは重要なことだ。そしてそれを実現するためには、アジャイル開発が重要になってくる。ただ、真にアジャイル開発が実践できているスタートアップは少ないのではないかと、Joiこと伊藤穣一氏は指摘する。だから、彼が取締役を務めるデジタルガレージはインキュベーション事業としてアジャイル開発のサポートに着手するために米国とシンガポールに拠点をかまえる2社を買収したと発表した。

デジタルガレージ代表取締役の林郁氏によれば、デジタルガレージはこれまでもTwitterやLinkedin、最近ではMemolaneなどの日本でのビジネス進出のインキュベーションを手がけていきている。ただ、過去の経験では、言語の問題や日本独特の問題(たとえばかつてのモバイル対応だとか)があるにもかかわらず、米国での対応に開発リソースが割かれてしまうために、日本市場への対応が遅れてしまっていた。なので、海外で投資をした企業を日本を含む国際展開する際に、開発がボトルネックにならないように、デジタルガレージでアジャイル開発によるサポートをしようというものだ。一方、Open Network Labなどでインキュベーションした日本のスタートアップの海外進出も同様に、アジャイル開発によるサポートをしていこうとしていて、国際的なインキュベーションを事業として手がける。

アジャイル開発を実践するために、買収したのがPivotal Labsのシンガポール社(Pivotal Labs本体ではない)と米国オハイオにあるEdgeCaseだ。Pivotal LabsとEdgeCaseともにアジャイル開発ではよく知られた開発コンサルティング企業で、Pivotal LabsはPivotal Trackerのようなアジャイル開発のためのプロダクトを提供している。これらの買収は、デジタルガレージが米国に設立した戦略子会社のNew Context社を通じて行われる。

Joiによれば、アジャイル開発はウォーターフォール型の開発と違って、ストーリーとよばれる細かい単位の動作をテストしながら実装していく。なので、バグも少なく、細かな単位で開発を進めていくので、早く機能をリリースできて修正していけるんだそうだ。仕様書がないので、ユーザーの反応を見ながら修正が加えられるので、結果ユーザーが欲しているものが作れるというわけだ。アジャイル開発については、もう長いこと開発者の間では話題になっている。ただ、アジャイルは難しいものではないけれど、きちんとやらないとうまくいかない。急成長した企業が1年ほどサービスにもたつきが出るケースがあるが、それは経験の少ないエンジニアが書いたシステムを一気に大きくしてきたため、きれいにするのに時間がかかっているからだという。だから、Pivotal LabsやEdgeCaseのようなアジャイル開発の経験を持つ会社を傘下におさめて、その秘伝を伝授しようということなんだろう

なお、この2社の買収額は明らかにされていないが、10億円にも満たないものだと林氏は語っている。Pivotal Labsの技術責任者だったIan McFarland氏は現在デジタルガレージのCTOを務めていることも付け加えておこう。