「Facebookは単なる情報の共鳴室以上の存在」―Facebook、バイラル過程の社内研究を発表

次の記事

Amazon、DynamoDBをローンチ―AWS上で自動的にスケールする本格的NoSQLDB

tiez

Facebookの社内研究チームが 2億8300万人のFacebookユーザーの情報共有行動を分析したレポートが発表された。

このレポートでは、ユーザーが情報をどこから得て、どのような友だちと、どれほど頻繁にその情報を共有するかが研究されている。この研究の動機自体はもちろん誠実な知的好奇心によるものであることは疑いないが、Facebook上に発表された要約は多少色付けされて編集されているように思える。

結論は他のソーシャル・システムに対する過去の研究のそれと大きく変わるものではない。Facebookチームは「弱い絆の力」という用語を一貫して用い、収集された新しいデータによってこの力が大きな影響力を持つことが実証されたとしている。要約は「Facebookは情報の共鳴室の役割を果たすとして一部で抱かれていた懸念を打ち消すものだ」としている。しかし私はこの研究でやはりFacebookが巨大な共鳴室であることが確かめられたのではないかと思う。

といっても共鳴室であることがただちに悪であるわけではない。むしろその反対だ。現在ニュースの伝搬は必ずさまざまな共鳴室を経由する。ある場合はそれが効果的に働くが、そうでない場合もあるというだけだ。しかし個々の情報をそのままの形で拡散する共鳴室はニュースの社会的伝搬にあたって欠かせない要素だ。確かにこうした共鳴室では情報の背景を探り、是非を議論することは二次的な機能となる。事実、Facebookはストレートな共鳴室の性格が強い。

Facebookは情報の共鳴室かといえば、答えはもちろんイェスだ。Facebookというサービスは全体として無差別な情報共有を目的として作られている。Facebookには特定のトピック、たとえばSOPAに関するコメントだけを取り上げるようなページは設けられていない。そうしたことは現在のFacebookの目的ではないし、今後もそういう目的を追うことがFacebookにとって望ましいとも私には思えない。Facebookの目的は今回のレポートが簡潔に述べているとおり「メディア媒介」だ。リンクと写真に関する限り、Facebookの目的なシンプルな媒介役という点に尽きる(メッセージやアプリのプラットフォームとしてはまた別だが)。

またレポートは主要な発見の一つとして「弱い絆〔関係の遠い情報源〕の方が強い絆〔関係の近い友だち〕よりもユーザーのフィードに新しい情報をより頻繁にもたらしている。逆に強い絆は情報拡散の回数がより多い」と述べている。私にはこれは当然に思える。読者にも普段さほど頻繁に交流しない知り合いが何百人もいるだろう。そういう人々は様々に異なる背景を持っているので読者の知らない新しい情報を投稿してくる可能性が高い。逆にいつも交流しており、読者の考え方や好みをよく知っている親しい友だちの場合、投稿にコメントや「いいね!」を付けてくれる可能性がそうでない友だちよりずっと高い。

もちろん私はこの調査の価値を疑っているわけではない。しかし、きわめて綿密かつ広範囲な調査が直感をそのまま裏付ける結果になったことは興味深い。

多様な情報を扱っていることと、そのチャンネルが共鳴室の役割を果たすこととは矛盾しない。共鳴室の規模が大きくなればそこを通る情報の多様性も増える。Facebookは現在間違いなく世界最大の情報共鳴室だ。これはなんら恥じる必要のない事実だ。そうであるのにそうでないフリをするのは建設的態度とはいえない。Facebookは「共鳴室」というレッテルに一部の人々が軽蔑的意味合いを込めるからといって、この明白な事実から逃げようとするべきではない。

ところで、この研究ではニュースフィード中に記事が表示されたときの効果を測定するため、一部の記事をわざとニュースフィードから取り除くという操作をしている。もちろんそのような操作をされた記事の割合はごく少なく、研究の対象になった記事の99%以上は通常どおりの処理を受けたという。そもそも通常の場合でもユーザーのニュースフィードにはFacebookのアルゴリズムが選んだ一部の記事しか表示されないのだから、研究のために少々間引きが上乗せれらたとしても私は別に憤慨しない。もっとも知らないうちにこうした実験に協力させられていたかと思うとちょっと妙な気がするが。

以下にレポートの全文をエンベッドしておく。筆者はEytan Bakshy、Itamar Rosenn、 Cameron Marlow(以上Facebook)、LadaAdamicnd(ミシガン大学)。

〔日本版:「シロクマ日報」の小林啓倫氏の関連記事が参考になる。〕

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦 @namekawa01 Google+