「Appleではすべてが秘密だ」

次の記事

Turntable.fmのアンチSOPAメッセージは、地味だがすばらしく象徴的

どの会社にも当然秘密はある。違うのは、Appleではすべてが秘密であることだ。 ― Adam Lashinsky、Inside Apple

昨年、スティーブ・ジョブズ伝はAmazonで最も売れた本だった。しかしもう一冊、Appleの秘密主義文化を探究する非公認の書がまもなく出版される。Inside Apple: How America’s Most Admired—and Secretive—Company Really Works[仮訳:インサイド・アップル:アメリカで最も称賛される ― 秘密主義の ― 会社の実態]は、Fortuneの上級編集人、Adam Lashinskyが昨年夏に書いたFortune記事に基づいて書かれている。(LashinskyはTCTVでAndrew Keenの取材を受け、Part 1を公開中)。

本書には、Appleが内部および外部両方の漏えいを取締まることで秘密を守っている方法が詳しく書かれている。社員は、同僚が何をしているかに関して闇の中に置かれ、キャンパス内で行ける場所も限られている。Fortune抜粋を掲載している。

Apple社員は、オフィスビルに大工が現れると、何か大きなことが始まることを知る。新しい壁がすばやく立てられる。ドアが追加され新しいセキュリティー手順が導入される。以前透明だった窓はスリガラスに変わる。窓の全くない部屋もある。そこはロックダウンルームと呼ばれる。一切の情報が理由なく出入りすることがない。

騒ぎは社員を動揺させる。何が動きているか、まずわからないし尋ねることもない。自分に明かされていないことは、自分には文字通り何の関係もない。さらに、工事前そこへ入ることのできたIDカードが、使えなくなっている。臆測できるのは、新しい極めて機密性の高いプロジェクトが進行中であり、自分はその内情を知らないということ。ただそれだけだ。

徹底した秘密主義には2つの要素がある。発表時の無料マスコミ報道と噂を最大化することと、販売中の既存製品の需用を高く保つことだ。

しかし、社内における秘密主義は社外の秘密主義を上回る厳しさだ。Appleの機密を暴露した社員は即座に解雇される。たとえそれが、クパチーノキャンパスの通りを隔てた飲み屋での雑談であっても(Appleの私服警備員が出入りしているという噂もある)。会議出席者は全員、担当プロジェクトについて話す前にセキュリティーチェックを受けなくてはならない。こうした手法の中には、まるでCIAか「テロ組織」から取り入れたかと思うものもあるとAppleの元ハードウェア責任者、Jon Rubinsteinが言っていた。ジョブズはウォルト・ディズニーからも影響を受けていた。彼もまた秘密主義で知られたCEOだった。

各チームは意識的に分離され、それは、互いが知らないうちに競合するからである場合もあるが、殆どの場合それは、「人の仕事に干渉するな」がApple流だからだ。これには、著しいシンプルさという副次効果もある。社員が他人の仕事に口を挟まないことで、自分の仕事に集中する時間が増える。Appleでは、一定のレベル以下の人間は策を弄することができない。なぜなら、平均的社員はそのために十分な情報を得られないからだ。遮眼帯を着けられた馬のように、Apple社員は脇目も振らずに前進するしかない。

Appleは働いていて楽しいところではない、とLashinskyは言う。そこは張り詰めた場所であり、多少恐怖に支配されていたが、価値ある職場だった。Apple社員は高い給料をもらっているが、他のシリコンバレー企業に見られるように法外ではない。彼らは金のためにやっているのでもない。彼らは製品のためにやっている。少々カルト的に聞こえるが、その通りだ。崇拝されているのは製品だ。Apple教に入信するか否かのいずれか。それは、Appleの消費者についても員についても真実である。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi)