連邦判事の裁定: 暗号解読のためのパスワードの提供を被告に強制しても違憲ではない

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6月に本誌も取り上げたが、詐欺で告発された女性に対し検察が、彼女のコンピュータ上のデータにアクセスするためのパスワードの提供を求めた。データは正規のパスワードでアクセスしないかぎり、暗号化されていて読めないので、そのままでは検察側の証拠とならない。検察は彼女にパスワードの開示を強制する許可を得たが、しかし弁護側は、それは憲法違反である、その情報を提供することは本質的に、(米国憲法修正第5条で被告の黙秘が認められている)自己に不利な…自己負罪な…証言にあたる、と主張した。

弁護側と検察が対立し、しかも過去に明白な判例等もない。同様の問題を扱ったことのある最高裁ですら、決定をためらっていた。でも、決定を下すことが判事の仕事だから、Robert Blackburn判事は次のように裁定した: “そのToshiba Satellite M305ラップトップコンピュータ上の暗号化されていないコンテンツを要求することは、修正第5条に抵触しない”。

彼の意見を下に埋め込んだが、それは、十分な情報に支えられた賢明な意見である(テク業界によくある愚かな意見ではない)。しかし、透明性が不十分だ。児童ポルノをめぐる過去の裁定では、状況は今回とかなり違うとはいえ、判事の意見はもっと明快であり、理由説明も詳しい。今後の類似事件に対する重要な前例になりそうな裁定においては、そのことが重要ではないか。

彼の解釈で目立つのは、比喩を避けていることだ。そこで、パスワードを提供することが顕在的な行為か、それとも鍵を渡すようなことに近いか、という論争は事実上終わっている。彼が固執するのは、彼が法的意味があると感じた事実だ: データの所在と性質を検察は知っている、データとラップトップの所有者も明白である、発見された文書の真正性が認証されるのは被告が提供したパスワードではなくそれ以外の手段によってである。彼はどうやら、弁護側の論点が的外れだと思っているようだ。しかしそれは具体的な状況に即した実際的な裁定であり、あまりに実際的なので、重要な前例としての今後の長寿はないだろう。

誰もが知りたいのは、被告のRamona Fricosuが有罪になるかどうかではなく、法廷におけるデータへのアクセスの扱われ方だ。それは、とっくの昔に明確化しているべき問題だ。

しかし、そのデータアクセスが何かに似ている、その‘何か’に関しては裁定の前例がある、という形の議論は後ろ向きだ。今回の訴件は、このような形の議論では決着しない。パスワードとか、暗号化されたファイルなどは、それに類似した過去の‘何か’がないからだ。類似があったとしてもそれは表層的であり、一部の人びとに分かりやすいからという理由だけで、表層的な類似に基づいて判例が作られるのは、未来を構築する正しいやり方ではない。

当然ながらFricosuの弁護士たちは裁定を不満とし、控訴する意向だ。だからまだしばらくは議論が続くが、しかし今回の判事の裁定とその意見書は、重要なドキュメントとして残るだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))