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Googleが全ユーザデータを一本化–Facebookに勝てて, ユーザが納得する個人化は可能か?

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ユーザにとってもっとも適切性の高い情報(relevant information)を提供するのはどこか? 提供する情報の、個人々々にとってのクォリティをめぐるこの戦いでは、データが弾薬だ。そして、戦時下のGoogleの指揮を任されたCEO Larry Pageは、各部門が持つ弾薬を一箇所に集めさせ、一個の巨大な爆弾を作らせた。その爆弾の横っ腹には、“Facebook”、“Twitter”、“Apple”といった文字がチョークで殴り書きされている。

今日発表された同社の新しいプライバシーポリシーは、それまで各サービスが持っていた計70以上のポリシーを一本化し、個々のユーザに関するあらゆるデータを単一のプロフィールにまとめられるようにする。そのねらいは、同社自身の言葉によれば、同社のすべてのサービスを、ユーザの個人特性にフィットしたものにするためだ。

これまでは、Googleのあらゆるサービスの結果が、あなたにとっても、あなたの友だちにとっても、ほぼ完全に同じだった。しかしこれからは、検索結果や表示される広告など、あらゆるものが、あなたやお友だちの個人特性に合わせたものになる。Googleは、それができるだけの…あなたやお友だちに関する…データを、すでに蓄積している。

先週、検索にGoogle+が統合されるまでは、 それはGoogleにとってあくまでも将来の可能性だった。Googleの数多い製品は、それらを個別に使いたい人が多い。あらゆるものが、ごちゃ混ぜになるのはいやだ。しかし先週のロンチ以降は、それはまるで当然の成り行きのようであり、ユーザが四の五の言ってる余裕はなくなった。あなたの友だちがAさん、Bさん、…であるなら、そのAさんBさんがYouTube上で見たビデオが、あなたの検索結果に影響するのだ。そのほか、Googleがアクセスできるあなた個人に関するあらゆるデータが、検索結果の”個人化”に寄与する。

検索結果に代表されるサービスの結果や内容を、ユーザのソーシャルデータに基づいてより適切なものにする、しかもそれを、ユーザが不快に思わないものにする。Googleはまさにそれをねらっているようだが、ユーザにとっては大きな疑問も残る。しかもGoogleのデータの備蓄量は、この新しいプライバシーポリシーにより、70以上ものサービスからコンスタントに注ぎ込まれ、肥大していく。

それはまるで、Facebookの内部にFacebookのデベロッパプラットホームのライバルが現れて、そこからFacebook自身がユーザの好みやアプリの使い方や好きなWebサイトなどを知る、といった状況に似ている。しかも、これほど多くのWebサービスを抱え、これほど多くのユーザを擁する企業は、Googleのほかにありえないだろう(Yahooはどうか? 新CEOのScott Thompsonに、それだけ思い切ったことができるか? こんなことを書いてると自分の手が引きつってくるようだが)。

同社のデータの備蓄が、どこまで良質か? 同社の、まだ未成熟なソーシャル機能は、敵であるFacebookやTwitterからデータが得られなくても十分なほどの価値を、ユーザに提供できるだろうか?

あるいは、アラモの戦いのように、Googleはわずかしか残っていない弾丸の数を数えることになるのか。もう、使える弾は残っていない、と…。この戦いの成否を決めるものは、当然寄せられるであろうプライバシーに関する苦情ではなくて、ユーザがこれからのサービスの結果(検索等の結果)に対して何を感じるかだ。

現時点では、Googleがこれ以上のドラスチックなことをするとは考えづらい。抗議して逃げ出すユーザはそんなに多くない、そして、致命的な法的問題もない、と想定すると、あとは、GoogleとFacebookが最前線で次々と繰り出すあの手この手を、見物するしかないだろう。両社とも、持てるすべての武器を、この戦いにつぎ込むだろう。

[画像出典: Frugal Cafe.]

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))