ソーシャルサービスのマネタイズに困ってるならmixiがあるよ(ただしスタートアップ向け)

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Twitterと民主主義とインターネットの自由

ソーシャルサービス、たとえばスマートフォンのアプリなんかを提供する人たちにとって、売り上げを作ることが容易いことではないことを、多くの人たちが痛感しているだろう。一般には広告や課金やコマースなどがその源泉になるわけだが、うまく行っているビジネスと言えば、もっぱらソーシャルゲームでのアイテム課金というイメージしかない。もちろん、一部コマースや広告でもうまく行っているところもあるのかもしれないが、それもほんの一握りだろう。コミュニケーションツールだとか、写真共有だとか、そういった収益を生みづらいサービスの収益方法がどうなるのかはまだ誰も例示してくれていない。それでも、そういったサービスの方が人気であったり注目度は高かったりするし、何より開発したい人たちが多いのは間違いない。

資金のないスタートアップにとっては、売り上げのない状態であることは深刻なことだ。もちろん、そのために資金を調達するのだが、この先どうなるかわからない状況で安易に外部から資金を調達するというのも勇気のいることだ。それを解決してくれそうな1つの方法があることを、スタートアップのL is B代表取締役の横井太輔氏が教えてくれた。それは、mixiアプリのビジネスサポートブログラムである、UUボーナスプログラムを利用するということだ。

UUボーナスプログラムは、課金サービスを導入していないmixiアプリに対して、ユニークユーザーの多さに応じてミクシィがアプリ開発者にお金を支払うプログラムである。基準となるのはDAU(Daily Active User)、すなわち1日何人が実際にアプリを使ったかという指標だが、月の平均DAUで支払う額が決まる。たとえば、スマートフォンのアプリであれば、DAUが月平均5,000であれば100万円がボーナスとして支払われる。

これをうまく活用しているのが、プリクラ風写真が撮れるスマートフォン写真アプリのDECOPIC快進撃を続ける(DECOPICは最近300万ダウンロードを達成した)コミュニティファクトリーだ。コミュニティファクトリーは「みんなでケンテイ」「みんなで本格診断」といったmixiアプリを提供している。いずれもモバイル、スマートフォン(みんなでケンテイはPC版あり)でのmixiアプリとして提供しているが、すべて合わせて現在月あたり平均数十万のDAUがあって、月に1,000万円以上のボーナスを受け取っているという。現在はスマートフォンへのアプリ開発に集中しているため、スマートフォンでのアクティブユーザーが最も大きいと、代表取締役の松本龍祐氏は語ってくれた。ここから得た運転資金で今はDECOPICの開発に注力しているという。

件のL is Bの横井氏も、Feel On!というアプリを開発しているが(下画面)、もともとはmixiアプリではなくTwitter版としてリリースしている。Feel On!はTwitter上に書き込まれたTweetの内容から、その書き込まれた人の感情を判断して、イラストで表現してくれる新しいTwitterクライアントとして話題となった。これをmixiボイスと連携するmixiアプリを1月17日にiOS版としてリリースしている。Twitter版と違って、mixi版はマイミク同士での拡散のためなかなかダウンロード数は広がらないというが、Twitter版はダウンロード数に比べてアクティブ数があまりのびないのだそうだが、mixi版は思った以上にアクティブ率が高いのだそうだ。そしてまもなく、ボーナスがもらえるDAU数、すなわち5,000が見えてきているのだそうだ。Twitterに比べてもmixiは熱量があって実際に使っている人が多いことも大きな発見だったようだ。

確かに、開発者目線で見れば、TwitterやFacebookのように伸びていて、実際に自分が使っているプラットフォームでの開発に目線が行くのだろうが、mixiもアクティブなユーザーはまだまだ多い(昨年9月時点で月間利用者数は1516万人。間もなく決算発表なので最新のデータが公表される)。独自のソーシャルサービスを作るにしても、ノウハウを獲得するという意味でmixiプラットフォームを選択してみるというのも悪くはないのかもしれない(ただ、開発するにしてもmixiはAPIの整備など開発者からの不満が多いのも事実なのだが)。

ただ、このプログラムをミクシィがいつまで続けるのかはわからない。あくまでも一時的と割り切って、本格的な資金調達までの道のりの間で使うのがよさそうだ。