Montblanc-Simplo GmbH
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ブランド所有者が偽造広告の広告主を訴えたいとき、Googleは彼らの名前などを開示すべきか

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Googleは、同社の広告販売事業AdWordsから、有名ブランド等の偽造品/偽造商標の広告を閉め出すために、これまでも相当な努力をしてきた。しかし、ドイツの高級日用品ブランドMontblanc〔日本ではとくに万年筆が有名〕から見れば、Googleのやり方は手ぬるい。その持ち株会社Montblanc-Simplo GmbHは、司法の力を借りてでもGoogleに、常連の偽造業者の社名住所等を吐かせるつもりだ。

本誌は、Googleに対するMontblancの訴状を入手したが、それは読み物としてもなかなかおもしろい。

Montblancによれば、Google.co.uk上の広告にだまされて偽造品を買ってしまった顧客からの苦情が、最近とみに多い。その訴状によると、クリックするとMontblancのサイトに行くと思わせる‘そっくり広告’により、そのニセのサイトでニセの品物を買わされている顧客が多いのだ。

そこでこの高級品ブランドは、それらの広告主を同定できるための情報を、Google UKに求めた。’montblanc pens’などのキーワードを競り売りしているのはこの、Googleのイギリス法人だからだ。しかし訴状は曰く、この検索巨人のイギリス法人は一貫して、同社はそのような情報にアクセスできないと主張し、合衆国のGoogle本社に話を持ち込めと主張し続けている。

以下、その法廷文書より:

Montblancは、いくつかのほかの方法で、広告主を突き止めようとしたが、失敗に終わった。広告主の同定情報はGoogleが排他的に保有しており、Montblancにはその情報を入手するそのほかの手段がないため、Montblancとしては商標権の貫徹のために、Equity for a Bill of Discovery〔仮訳: 開示請求権法〕に基づく訴状を法廷に提出せざるを得ない。

ひとたびMontblancがこのGoogleに対する開示請求権によって広告主を同定したならば、同社は同定された広告主たちに対する訴状を提供する意図である。しかしながら、請求した情報が得られなければ、Montblancは広告主を同定できず、したがって、商標権の貫徹のために誰を訴えるべきかが、分からないままである。

Montblancが訴状中で指摘しているように、同社は1906年の創業以来、さまざまな製品に’montblanc’の商標を使用してきた。今ではそれは、世界的に著名な商標の一つだ。

そして同社のもっともな主張によると、’montblanc’の商標を付けた偽造品が売られていることにより、同社の“評判と財務に対する大きな損傷”が生じている。

また、Montblancが認めているところによると、Google UKが同社からの苦情に応じたのは2011年の9月からであり、この検索企業はそれ以降繰り返し何度も、“悪質な広告を削除し広告主に対して抗議”してきたと同社に告げている。

Google UKのこのような主張にもかかわらず、偽造広告はいまだに健在なので、Montblanc自身が立ち上がらざるを得なくなった。

初期のGoogleのブログ記事は、この猫と鼠のゲームを次のように説明している:

AdWordsは広告主と消費者を結びつける導管であるにすぎず、弊社が何百万もの広告についていちいち、それが偽造広告か否かをチェックするのは、不可能である。

ただしブランドの所有者からの削除要請に対しては、単なる削除以上のことを弊社はしている。弊社はブランドの所有者からのそのようなフィードバックを利用して、一連の高度な自動化ツールのチューニングを行っている。それらのツールは、広告処理の各段階における数千ものシグナルを分析し、悪質な広告を受け付けないよう努めている。弊社は相当量のエンジニアリングおよびマシンリソースを投入して、偽造広告など、弊社広告ポリシーへの違反を防いでいる。

弊社は昨年、これらの努力に6000万ドル以上を投じ、2010年の後半には、弊社の発見努力によって露呈した偽造広告の広告主アカウントを、95%以上削除した。いかなるシステムも完全ではあり得ないが、しかしブランド所有者からのフィードバックが、これまでは一貫してシステムの改良を助けてきた。データの充実により、広告の正不正の分類がより正確になり、悪質な広告主たちの偽装に対し、より強力に対抗できるようになる。

このように弊社のシステムはつねに改良されているが、偽造は今なお難題であり、偽造対抗策への投資を弊社は今も続けている。結局のところ、ニセ広告に一度でもだまされた経験をもつGoogleユーザはほかのまともな広告もクリックしなくなるから、偽造広告はブランド所有者に損害を与えるだけではなく、だまされて不良品を買ったユーザと、広告収入の低下を経験するGoogle、この三者に損害を与えるのである。

そのとおりだ。長期的には、偽造広告の広告主たちはGoogleに収入よりもむしろ損失を与える。

しかしMontblancから見れば、Googleはブランド保有者が偽造広告主を突き止めようとする努力を、もっと積極的に助けるべきだ。GoogleはAdWordsの販売者だから、広告主の詳細な企業情報を持っているはずである。Googleは、訴訟に必要な被告たちの名前や住所等を、開示できるはずなのだ。

この問題は、本誌としても、今後継続して追っていきたい。

(写真はFlickr上のLuigi Crespo Photographyのご厚意による。)

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))