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企業がメールを削除する唯一の理由は証拠隠滅

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News Corp.社の電話盗聴スキャンダルは手に負えない状態が続き、同社の社員、幹部らの関与が次々と明らかにされている。英国ではこの拡大するスキャンダルの中、News Corp.ジャーナリストを含む 8名が逮捕され、COO代理のJames Murdoch(Rupertの息子で最有力後継者)の関与も疑われている。押収された削除メールのハードコピーは、News Corpの依頼で留守電を違法に盗聴したとされる現在捜査中の事件に、直接James Murdochが関与していたことを示している。

この証拠メールは、印刷さえされていなければ決して見つけられることはなかった。なぜならNews Corpは、他の多くの企業と同じく、定期的に過去のメールを削除しているからだ。これは標準的に行われている手続きだが、メール削除の理由として挙げられている技術的要件は、通常真の理由ではない。古いメールを消す唯一の理由は、賠償責任と将来の訴訟を回避するためだ。

この新たに発見された、News of the World編集長、Colin MylerからJames Murdochに宛てられた2008年に遡るメールに関する、New York Times解説記事を読めば、これが発見されるべきメールではなかったことがわかる。

Myler氏の電子的コピーは2010年3月18日、「ハードウェア障害」によって失われたが、Murdoch氏の電子的コピーは2011年1月15日、「メールの安定化および合理化プログラム」の際に削除された。

大企業は定期的に古いメールを削除している。2010年4月から2011年7月にかけて、[関連会社の]News Internationalは、同社のメールシステムを管理しているHCL Technologiesと、メール削除に関して7回にわたって議論したことが、HCLが議会に提出した文書で明らかにされた。

理由の殆どはありふれたものだ。しかし、HCLによると、2011年1月、News InternationalはHCLに対して、メールシステム内の「特定のデータベース」を「切り取る」 ― 即ち、削除する ― 作業への協力を依頼した。それは女優のシエナ・ミラーが起こした民事訴訟で、News of the Wolrdにおける大規模な電話盗聴に関する資料が公にされる懸念が生じた直後のことだった。

メールは、あらゆる企業で行われている会話や意思決定を記録しているため、そこに不利な証拠が存在していることを企業は知っている。しかし、「捕まりたくないから」という以外に正当な理由が必要だ。だから「メールの安定化および合理化プログラム」のような技術的理由を匂わせ、あたかもサーバー上に保存された古いメールの重みで企業のメールシステム全体がクラッシュするかのような御託を並べる。

はっきりさせておこう。定期的に古いメールを削除する方針を明文化することで、企業は将来の罪から自らを守ろうとしている。そして、これをやっている会社は決してNews Corpだけではない。これは予防対策である。しかし、役に立つのは逮捕される〈前に〉不利なメールを削除した時だけだ。ひとたび捜査が始まり、召換の可能性が出てくれば、メールの削除は合法的選択肢ではなくなる。もしやっていれば、News Corpは再び痛い目にあうことになる。

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(翻訳:Nob Takahashi)