印刷媒体は対話性と参加性がないから死ぬ, 出版はすべてデジタル化しコンテンツは単なる導管になる

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編集者注記: Jordan KurzweilはIndependent Contentの協同CEOで、同社はメディア企業のデジタル製品やデジタル事業への進出を支援している。Independent Contentを創業する前のJordanは、AOLで独自の事業を手がけたり、News Corpで主要製品のデジタル化を推進していた。Twitterで彼をフォローするには@jordankurzweilへ。

すでに言われていることだが、再び言う必要があるし、これからも、何度も何度も言う必要がある: 印刷は死んだ。出版業界全体における、年を追っての売上、読者数、発行部数の減少は、すでにそれを明白に裏付ける文書が随所にある。ごまかしも気休めも、とっくに通用しない。一瞬だけ出血が止まるフラットな四半期はいくつかあったが、でも最初から言われているように(数週間前にはThe Annenberg School、去年の夏はClay Shirkyも言ってる)、印刷による定期刊行物はこの世から消えてなくなる。その原因はテクノロジの進軍と消費者の好みの変化、代わって未来を担うのはTMZBuzzfeedHuffPoなど、例を挙げればきりがない新勢力だ。彼らは、ユーザの行動の進化に適応するやり方を知っているし、むしをそれを待ちかまえてすらいる! 大手新聞社のCEOとしてはいち早くデジタル化を唱道したJohn Patonは、最近こう言っている: “「新聞がなくなったらみんな困るはず」では、今日のビジネスモデルにならない”。

つい今週はGannettが、その末期的状況への無知ぶりをまたまた、ぬけぬけとさらけ出して、われわれを唖然とさせた。それは、抱えている80あまりの地方紙すべてにペイウォールを設けて1億ドルの増収を図るという、浅はかな経営音痴的計画だ。GannettのCEO Gracia Martoreは、それが成功する根拠として“ローカルニュースを知りたいという強い欲求があり、また読者は長年Gannettの新聞を信頼している”ことを挙げる。やれやれ。ペイウォールは、Gannettにかぎらずどこの新聞社でも出版社でも、決壊する堤防を指でふさごうとする試みだ。あるいは、業界に起きている構造変化を、見て見ぬ振りする試みだ。Gannettの場合、地方紙の読者は年寄りだ(それが“長年…..信頼している”の意味だ)。Gannettの驚きあきれるペイウォールが林立したころには、要介護になってる人も多いだろう。それに、ローカルニュースへの強い欲求があるというが、その証拠はどこにある? 読者は減っているし、ローカルニュースのWebサイトのトラフィックは無限小に近づいている。最初からデジタルオンリーのサービスだったPatchなどでさえ、読者や売上を見つけられないでいる。だから実際には、ローカルニュースへの需要は、ホームタウンの、ある一つの特定のブログ、個人の起業家がやってるようなブログについてのみ、言えることだ(彼らは猛烈に忙しく、しかも儲かってはいないだろう)。

では、老いたる印刷の生き残り策は?

陳腐な比喩で言えば、これから沈み行くタイタニック号の上でデッキチェアを並べ替えるようなことは、やめなさい。思い切って、ビジネスの形を変えなさい。追い詰められて逃げ場はない、という気持を持ち、改めて自己の本来の重責を思い出し、ここ一番の大声を上げるのだ。そうだよおやっさん、会社に入って初めて、全社にとどろく大声を上げるのだ。

1. 現実を直視する:

– 紙の上の印刷媒体やそれらのPC画面からの提供は、それらの読者の高齢化が進む。

– デジタルの新興企業たちがオーディエンスをつかみつつあり、新聞や雑誌の今のそれほど熱心ではない読者を奪っている

– 印刷物に依存する出版企業のコスト構造は、やがて維持不可能なものになる。

– 新しいテクノロジがコンテンツをさらに日用品化し、オーディエンスを…印刷出版では対応不可能なほどに…細分化している。

– 印刷物出版企業の社内的なデジタルイノベーションは、存在しないか、実行不可能か、または時代遅れだ。その最大の障害は“いちばん偉いのは編集者”というエゴ、そして今現在の収益源(購読料、広告)への固執だ。

2. スタートアップのように考えよ

資金に困っていないスタートアップのようにものごとを考え、会社の資金の独断専行的な流用を行う。こせこせ心配することをやめて、その資金の一部で新しいアイデアを育てる(たとえばニュースの個人化の実験を開始したWashington Postのように)。暇な時間を有効活用する。最初からデジタルでなければならない、デジタルでこそ生きる(==対話性参加性のある)製品やプラットホームを考案し、既存読者層のそちらへの移行を促す。すべてを自分の才量でやろうとせず、外部人材を活用する。なにごとも、アグレッシブにやること。

3. スタッフの再教育とコスト構造の抜本的リストラを

組織内の役職構造や費用構造に厳しくメスを入れ、無駄で無意味な人や出費を切り落とす。ほとんど何もやることのない管理職〜中間管理職を廃止する。社内の全員が、何か(例: 営業)をする人、何か(例: 読者参加的新サービス)を作る人でなければならない。良質な編集者を、良質なクリエイターに変身させよ。彼らは、今までの仕事が単調すぎて、本来の能力を発揮できなかっただけだ。仕事に、自分の創造力を注ぎ込ませよ。デジタル技術に詳しい元気な新人を、彼らの補佐として付けよ。独断的プロジェクトを進めるとき、全社のOutlookデータベースを削除する。そして、会議をせずにいきなり始めること。何かをやるタイプの人は、自動的に自分のやるべきことを見つける。逆に、急にやることがなくなった人は、クビにせよ。最近あなたの会社を買ったばかりで、経営と業務の抜本的大掃除を考えている人たちみたいに、行動せよ。実際に買われてしまってからでは、遅いから。

4. テクノロジはコンテンツをサーブする道具ではない

テクノロジを、コンテンツを読者に届けるための手段と考えるのは、時代遅れだ。テクノロジとコンテンツは同一物(同一の対話的参加的サービス)の、二つの側面であるにすぎない。時により、場合により、どちらかの側面、または両方が、読者を喜ばせ参加を誘う。

5. 会社のWebプラットホームを更新せよ

出版社のWebサイトを見ると、そもそもWeb(にできること)に無関心なものが多い。コンテンツとページビューだけを重視し、しかし消費者から見れば静的で、くすんでて、魅力のないページが多い。今では、サイトを生き生きとした魅力的なものにする技術がたくさんある。あなたのサイトを、もっと開けたものにしよう。楽しくて、読者とのより深い関係を築けるサイトを作ろう。たとえば、Lewis D’VorkinがForbesのために作ったページを見たり、彼が書くものを何でも読んでみよう(LewisはAOL時代の私の同僚だ)。あるいはWashington PostのMarcus Brauchliが担当している一連の製品を見よ。忘れてならないのは、デジタルの世界では生きて呼吸しているアプリケーションを作ること、雑誌や新聞の単なる再出版や“再化粧”ではないことだ。

6. 編集や制作部門にオーディエンス情報を伝えよ

検索やソーシャルなチャットなどは、オーディエンスを見つけるためのチャネルだ。編集長のデスクトップには、オーディエンスの声を聞くためのステーションを置け。リアルタイムのリビューにおけるオーディエンス間の論争や、トップ記事の評判などが編集者たちにつねに、インターネット/デジタル世界のバイオリズムを教えるようにせよ。オーディエンスが何を望むか、どんなコンテンツに入れ込んでいるかを、学べるはずだ。出版のプラットホームにおいて機械学習とビッグデータの分析を展開し、メタデータやタグ付けなどを動的に調整して、SEOとコンテンツディスカバリを向上させよ。

7. デジタル製品のエキスパートを役員に加えよ

貴社の未来はデジタルにあり、そしてデジタル思考は会社の最上部から始まる必要がある。デジタル製品のエキスパートと言ってもそれは、従来的なCTOやCIOではなく、テクノロジをクリエイティブに使ってデジタルなユーザ経験を作り出せる人、編集制作部門にそのような機能性を持たせられる人だ。その世界で最高クラスの人を招聘し、優秀な編集者たちと一緒に仕事をしてもらって、会社のビジネスの姿を変えることが重要だ。そのようなチームこそが、未来への道を切り開ける。印刷出版の世界の慣行に縛られていない外部人材を探せ。トレンドを読むことができ、デジタル世界で創造と実行ができる天性の能力を持っている人を見つけよ。同じく重要なのが、優秀で機敏性に富むテクチームを編集制作部門に雇用し、彼らをやる気にさせることだ。また彼らには、全社員向けのWeb教育もやってもらおう。

8. 編集者とライターと読者のあいだの壁を壊せ

とりわけ重要なのが、編集者や寄稿者にブロガーのように仕事をしてもらうことだ。透明性とアクセス性を重視せよ。それが、オーディエンスの信頼と密着性を獲得する道だ。ライターたちを、ソーシャルメディアの不協和音のまっただ中に、突き落としてあげよう。大新聞社大出版社のジャーナリズムを変貌させて、単なる記事を書くことから、フォロワーのオーディエンスを築くことにも意識を向けさせる。自分の作品へのトラフィックを増やすための、責任を持たせることが重要だ。これまでのような、単なる書きっぱなしは厳禁。

9. あなたのこれまでの最愛の資産であるコンテンツを、最終目標ではなく何かを達成するための通貨と考えよ

それはオーディエンスをドアのところまで連れてくるための方法であり、あなたのビジネスの本番は彼らの参加(エンゲージメント)として、より大規模にそこから始まる。自問してみよう: コンテンツは導管だが、そこを通ってくるオーディエンスは、これから何をするのか? 彼らがあなたの製品にエンゲージメントしたら、それ以降、彼らにどんな価値を与えられるのか? それは、こんなことであってはならない: 別の記事を読ませる、旧コンテンツのデジタルライブラリを検索させる、そのページをプリントさせる…。重要なのは、サービス体験であり製品体験だ。ユーザの参加によって自動的に成立し活動を維持するプラットホーム。そこでオーディエンスがトライし共有し、そして愛するための何を、あなたは提供できるのか?

[画像出典: flickr/NS Newsflash]

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))