Facebookのモバイル事業者課金はアプリ経済をクレジットカードのない層にも拡げる

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Facebook Mobile Operator Billing

モバイルWeb、つまりスマホのアプリでもなくPC上など従来のWebでもない、モバイル上のWebは、実はFacebookの最大のインタフェイスだ。そしてその数億のユーザ、中でもとくに、クレジットカードのない途上国のプリペイドモバイルのユーザが、これからはアプリ内購入をしたり、Facebook上でお金を儲けたりできる。それを可能にするのが、仮想通貨Facebook Creditによる購入に対するモバイル事業者課金(mobile operator billing)という新制度だ。

スマートフォンというプラットホームはAppleやGoogleが支配しているが、これによりFacebookも、モバイル上の収益化に向けて大きな一歩を踏み出すことになる。クレジットカードが使えないしFacebook Creditのギフトカードも売ってない、という人びとにとって、事業者課金は単に便利なだけでなく、デベロッパとしてまたユーザとして、Facebookのモバイルアプリ経済圏に参加するためのメインの手段になる。

今朝(米国時間2/27)、本誌のライターIngrid Lundenの取材に応じたFacebookのCTO Bret Taylorによれば、FacebookのモバイルWebのユーザは、iOSとAndroidのモバイルFacebookアプリのユーザを合わせた数の倍いる。Facebookが数の公表をやめた昨年末の時点で、モバイルアプリからの1日のアクティブユーザ数は5700万、月間では8500万〜1億のユーザ数となる。だからモバイルWebからのユーザは、その倍、つまり1日で1億強、月では2億近くだ。

そのわずかなパーセンテージが事業者課金を利用して仮想通貨Facebook Creditを買うとしても、それはFacebookにとっては相当大きな収入源になる。事業者に対しては30%という大きなマージンを払うし、またクレジットカードのない人たちは概して所得が低い、とはいうものの…。

合衆国やイギリスなどの既開発市場では、ティーンなどクレジットカードのない人たちはコンビニなどの小売店でFacebook Creditのプリペイドギフトカード買い、それをアプリ内購入の支払いに充てる。同様にFacebookのモバイルWebサイトにアクセスするプリペイドのモバイルユーザは、これからはモバイルアカウントの料金に上乗せする形で現金を払い、その額によりFacebook Creditを買う。この仕組みによりFacebookは、ギフトカードとその購入によるCreditの前払い(プリペイ)を、世界中至るところに広める努力をしなくてもすむようになる。むしろ、今すでに全世界に普及しているモバイルの料金支払いカードに、便乗するだけでよい。オファー(賞金など)によるCreditの稼ぎ方もあるが、でも高額なオファーはクレジットカードやPayPalでの購入権という形をとることが多い。

Facebookが事業者課金を交渉している事業者は、AT&T、Deutsche Telekom、Orange、Telefónica、T-Mobile USA、Verizon、Vodafone、KDDI、SOFTBANK MOBILE Corpだが、彼らも喜んでいるだろう。アプリプラットホームを自社で持っている事業者はほとんどないから、Creditの支払い代行で得られる30%のマージンは、これまで自社努力でやってだめだった“寝てても入る濡れ手で粟”が、これからは労せずして得られることになる。モバイル上のFacebookアプリのアプリ内購入が今後大きく伸びれば、自ら志願してくる事業者も増えることだろう。

こうやって、途上国の膨大な人口も掬いとる収益化の仕組みが実現すると、言うまでもなく、Facebookのモバイルプラットホームはデベロッパにとっても魅力を増す。iOSやこのところ分断気味のAndroidに加えて、第三の大きな収入源が得られることになる。FacebookはモバイルWeb(HTML5アプリ)のサポートがAppleやGoogleにとって脅威であるとは見ていないようだが、もちろんデベロッパがこの新たなプラットホームで稼ぐことに反対しているわけでもない。

FacebookがIPOした時点での最大の懸念は、モバイルにおける収益化の仕組みがなかったことだ。そして今回突然、モバイルWebによる大量アクセスが可能になったことは、スマートフォンのアプリプラットホームを自社で持つことへの代案として、決してまずいものではないはずだ。

[画像クレジット: Time]

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))