中国だけじゃない, アメリカ国内にも大量の雇用を作りだしているとAppleが反論

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どのApple製品も、背中に二つのフレーズがある: Designed By Apple in CaliforniaAssembled in Chinaだ。その言わんとするところは、製品が外国で組み立てられたとしても、Appleはあくまでもアメリカの企業であること。今日(米国時間3/2)Appleはそのことを、Creating jobs through innovationと題する新しいWebページで高らかに宣言した。

Appleはこのところ、同社の海外の製造パートナーのことで、集中砲火を浴びている。AppleはFair Labor Associationに委託して、Foxconnのアジア各地の巨大な工場をはじめ、最終組み立て工程のパートナーたちを自発的に監査した。しかし消費者と活動家たちは一様に、それを評価しなかった。それは煙幕だ、と彼らは言った。Foxconnは検査官が到着する前に子どもたちを隠し、みんなに新しい枕を配るだろう。というわけでAppleは当然ながら、防戦に回らなければならない。

Appleも、海外の安い労働力を使って製品を組み立て、金庫に金を貯め込んでいる倫理にもとる企業の一つに過ぎない、と見る人たちはアメリカでも少数派だが、でもこの少数派の人口は増えつつある。いくつものグループが、中国など海外の労働条件を良くしようという、ラジカルだが人間愛的な行動を呼びかけている。Appleは製品がFoxconnなどで組み立てられていることを否定しないが、それでもアメリカの企業であり、アメリカ国内で多量の雇用を支えている。Appleが今日声明したのは、要するにこのことだ。iPhoneがmade in Chinaでも、会社はアメリカの世帯を支えているのだ、と。

Appleが今日立ち上げたページは、雇用数を分類している。Appleが合衆国で直接雇用している人たちは47000名。50の州すべてにAppleの社員がいる。iOSの開発は合衆国で21万名の雇用を作りだしている、とAppleは言う。

さまざまな協力企業の社員は25万7000名となる。Appleの注記によると、この数字はいろんな職から成り、たとえばiPhoneのガラスを作っているCorning社の社員や、MacBook Airを配達するFedExの人も含まれる。このほか、サードパーティの売り子さん、運送企業の人、保健医療の提携先などもこの推計値に含まれている(ついでにブロガーも忘れないでね!)。Apple自身の社員数と同社の合衆国での支出額に、一定の標準的な乗数をかけると、この推計値になるのだ。

Appleはさらに述べる。Apple Storeの社員は44の州で計27350名、合衆国在住のAppleCare Advisorは9700名で内2000名は在宅勤務。Appleが言うように、同社は大量のアメリカ人を直接または間接的に雇用している。でも、それは当たり前。同社は時価総額世界最大の企業であり、国民全員の資産を合わせてもAppleの保有現金の額に届かない国は多い。

ぼくはApple Storeの前でピッチフォークを振り回しながら叫ぶ暴徒の仲間ではないが、Appleは製品を実際に作る人を採用しない。Foxconnなどがその人たちの賃金を払っている。倫理的に作られたiPhoneは、夢想にすぎないとぼくは思う。でも、それがありえると素朴に信ずる人が一人もいないアメリカ社会でなくて、よかったな、とも思う。

Appleのような巨大企業には説明責任が必要だ。硬直的な自己愛は腐敗に導く。ファンボーイたちは、反Appleの人たちとまともな会話を試みるべきだ。本誌のApple教信者ライターMG Siegler一人に対して、Appleのネガティブ面を突くことが“芸”になっているMike Daiseyが一人は必要だ。倫理的なiPhoneを作れという運動は挫折するだろうが、でも何千人もの組み立て労働者の労働条件と賃金を良くするためのきっかけにはなる。事実、先月は、検査官が到着する数日前に、Foxconnは労働者のサラリーを上げた。

アメリカの製造業を再興しよう、という運動がある。Appleの成功は、その最大の先例になる。アメリカ人が使う物はアメリカ人に作らせよう、とその運動家たちは叫ぶ。でもAppleやGeneral Motors、IBM、Nikeなどのグローバル企業は、それでは生き残れない。Appleが契約している同じ工場で、HP、Dell、Sony、Amazonなど、Apple以外のほとんどの消費者電子製品が作られている。Appleは、アメリカ国内にiPhoneを製造し組み立てる工場を決して造らないだろう。中国の工場都市のほうが、今ではアメリカより何十年も進んでいるし、投資額も大きい。アメリカのそこここに、ぱっとしない工場をいくつか造ったって、追いつけるものではない。

Appleは防戦体制だ。このページも、その表れだ。でも同社は、アメリカの最大のサクセスストーリーでもある。35年前に3人の男が始めた会社が、今では世界でもっとも価値ある企業だ。Appleは2011年に7800名の新規雇用を作りだした。同社の成長は、アメリカの成長をも支えている。彼らが今回言いたいのは、iPhoneがmade in Americaでなくても、Appleそのものはそうだ。それに、iPhoneを1000ドル未満で消費者の手に届けるために中国に依存しているが、同社を育てた国への還元は、つねにしている。


Foxconnの未来

本誌のライターJohn BiggsがFoxconnの巨大な深圳(Shenzhen)キャンパスで数日を過ごし、その経験をルポしている。長い記事だが、読む価値はある。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))