タブレットが(万年低生産性の)建設業を変える

次の記事

一世を風靡したPosterous、ついにはTwitter傘下へ

paperpile

編集者注記: Ryan Sutton-Geeは、Y Combinatorが支援するPlanGridの協同ファウンダでCEOだ。同社は、iPad上で設計図面を保存したり、見たり、そして管理する建設企業向けのサービスを提供する。彼をフォローするには、Twitterの@rsuttongより

建設事業はどれもだいたい、次のように進む: 何かの目的でビルを建てたいと思ったお金持ち(“施主”)が、建築家を雇う。建築家はたくさんの設計技師を雇い、全員が猛烈な勢いでビルの設計を始める。施主が納得する設計ができあがったら、次の工程へ行く。設計図面は大量の紙に印刷され、それらが建設チームに手渡され、そして実際の建築が始まる。

以上はもちろん単純化しすぎているが、しかしおもしろいことに、ここまでの過程で行われる情報交換はすべて、デジタルで行われることだ。そして実際に建設が始まると、急に、デジタルではなくなる。設計段階の情報はすべてデジタルだから、この設計という工程を改善し効率化するためのすばらしい能力のあるソフトウェアは、山のようにそして海のように、大量に作られている。事実、建築家と設計技師たちの仕事は効率化がとても進んでいるので、建設費全体に占めるこの部分の割合は通常、8%程度にすぎない。それに対し、現場の気の毒な人たちの生産性は、どの計算を見ても、ますます低下している。

[建設業とその他の非農業部門の生産性の推移: 1964=100%]
negativeproductivity

そしてそこに、iPadなどのタブレットコンピュータが登場する。

建設の現場部門の生産性の低さを、タブレットコンピュータは打ち破ることができる。タブレットは、いろんな点でラップトップよりも優れている…小さい、丈夫、長い電池寿命…のに、デスクやテーブルがなくても使える。建築の現場にとって、革命的と言うほど大げさなものではないが、これまでのような「なんとか使える」ツールと、「仕事を完全にやってくれる」ツールとの違いは大きい。建築の現場で使えるコンピュータはこれが初めてと言ってよく、すでに多くの建設企業で急速に採用され始めている。第三世代のiPadと、改良の進んだAndroidタブレットの登場により、建築現場でのタブレットコンピュータの利用には拍車がかかっているから、数年後には、ちょうどAutoCADが建築家と設計技師の仕事を変えたように、建設現場の仕事を変えるソフトウェアが現れ始めるだろう。

iPadなどで建築現場がコンピュータを使えるようになると、何が変わるだろうか。以下に重要なものを3つ、挙げてみた:

  1. 青焼き図面よさようなら: 最初に姿を消すものは、紙だ。紙は高くつくし、つねに時代遅れだし、また最近の施主たちは省エネと環境への配慮から、‘ペーパーレス’を建設業者にも求めるようになった。
  2. コミュニケーションの充実: 現場の人が、設計に疑問を持ったら、これまではどうしていたか: 彼は現場を離れて事務所用トレーラーに行き、一束の図面をつかんで現場に戻る。問題箇所を見つけてそれをメモし、トレーラーに戻って自分のメモ(図像)をスキャンし、コンピュータに向かい、メールを開いてそのスキャンを建築家に送り、現場に戻る。こうして、疑問が起きるたびに20分以上を費やすことになる。iPadがあれば、単純に設計図面を開いて自分の疑問をその上に描き、すぐにそれをメールできる。
  3. 分析が充実: 建築企業の経営でいちばん悩ましいのは、いつもいつも大量のチェック文書を作ることだ。しかもその際、現場の詳細が何も分かっていない状態で書くことが多い。現場にコンピューティングがなければ、現場のデータなしだ。安く雇ったつもりの電気技師が、仕事がこの前の連中より30%も遅い、なんてことも把握できない。建設業のためのGoogle AnalyticsやPalantirがあれば、こんな状況ががらりと変わるだろう。

しかも、こんなことはほんの序の口だ。建設現場で使うアプリケーションが、すでにいくつか登場している。AutoDeskのAutoCAD WS、BentleyのNavigator、それにわが社のPlanGridなどだ。そして、これからはもっともっと、便利なツールが市場に登場するだろう。〔PlanGrid紹介記事(未訳)。〕

[原文へ]
[jpTechCrunch最新記事サムネイル集]
[米TechCrunch最新記事サムネイル集]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))