究極の省スペースフォント「Dotsies」。紙面を節約して速読にも有益?!

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dotsies01この前、Craig Muthにあったのはオハイオ州コロンバスでのことだった。Craigは、なかなか落ち着きのあるハッカーで、当時は世界をより良い場所にするためにmemorize.comの開発を行なっていた。高貴な使命感に基づく仕事で、まあ役に立つサイトと言って良いのだと思う。その後Craigはサンフランシスコに移った。そしてこの度、最新のプロジェクトについてのメールを送ってくれた。そのプロジェクトとは省スペースフォントの「dotsies」だ。

Dotsiesでは、5つのドットのオンオフでアルファベットを表現する。大文字は上部に専用のドットを付して大文字であることを示す。この方式ならアルファベットの各文字はほんのいちドット列で表現できるようになる。これ以上ない完璧なモノスペースフォントとなるわけだ。現在のところ表現できるのはアルファベット26文字だけだ。dotsiesのサイトでCraigが言っているように「ノーマルフォントに比べてはるかに短い幅で文章を表現することができる。従来のフォントにくらべて2倍の情報が精度を落とすことなく一気に目に飛び込んでくる。

サイトには次のような説明がある。

従来使われてきたアルファベット(a、b、c等)は手書き用に作られた文字なのです。そして文字自体の正確としては必要のないスペースを浪費します。読む際にも無駄に広い範囲に目を動かす必要が出てくるのです。画面や紙面をもっと有効に使うべきだとは思いませんか。きょときょとと目を忙しく動かすことなど、本来は必要ないはずなのです。

まったくもって愉快この上ない。開発にどのくらいかかったのかと尋ねてみた。また、リリースに向けて何回改版作業を行ったのかも尋ねてみた。Craig曰く、アイデア自体については10年ほども温めてきたものなのだそうだ。ただしリリースにむけて真剣に動き出したのは最近のことなのらしい。改版作業は8回ほど行ったものの「メジャーリビジョン」の変更は2、3度だったとのこと。このフォントを使えば1分間に150ワードが読めるのだという。ただその速度は別に大したものとも思えない。

Craigによればこのフォントはまずオンラインでの利用を考えたものだとのこと。しかし手書きに使うこともできるとしている。但し手書きで使おうとすると、かなりの頻度で間違った文字を書いてしまうようだ。

ちなみにCraigはフォント幅を狭めることで情報密度をあげようとしているのみではない。dotsiesの表記と同じ方式で入力する方法も開発している。この入力方法を使えばアルファベットは片手で入力できるようになる。タイピング指南のページを見れば、時間や労力を節約できることがおわかり頂けるだろうと思う。「指は特定の数字キーの上に置いて動かさないのです」(つまり中指は3の位置から動かさない。他の指も同様)。さらなる高速入力を行いたい場合には両手を使うのもありだとのこと。

記事を読んで、私がCraigを馬鹿にしているように感じられてしまったなら、それは本意ではない。私はいつでもイノベーションを生み出す人々の味方だ。現状を改善しようとする人たちには心より声援を送りたいと考えている。このポストPC世代を迎えてもDvorakキーボードのみが真の文字入力方式であると頑なに主張する老人でありたいと考えているわけではない。ただ、今回紹介したdotsiesのような文字エンコード方式が、次の時代にくるべきものなのだろうか。

もしかすると個々の文字を繋げて記すことによって「computer」や「fire-breathing dragon」、あるいは「baby in a stroller」などといった複雑なものを表すことこそが時代遅れなのかもしれない。文字など捨てさって(昔の)ヒエログリフやStephensonianのmediaglyphsなどを採用すべきなのかもしれない。

Craigにはぜひこんなクレージーな発明活動を続けて欲しいものだと思う。世界をより良い場所に変化させてもらって、私のような凡庸な人間も、そこから生まれる幸せを享受したいものだと思っている。

訳注:「タイピング指南」のページなどは実際、なかなか面白いですよ。

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(Maeda, H)