生徒が‘監督して’作るLinux入門ビデオコース–現場体験を重視

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Linux Foundation(英語)(日本語記事)が最近発表したLinuxと雇用に関する調査報告書は、経験豊富なプロフェッショナルたちへの需要を浮き彫りにしていたが、しかしLinuxに関するこれまでの教育訓練事業や技能検定事業は必ずしも、雇用者が実際に必要としている技能とマッチしていない。このギャップを埋めるべく、Linux教育訓練のベテランでLinux Journalの副編集長Shawn Powersが、CBT Nuggetsと組んで、 “Linux for the Real World”(実用Linux)と題する教育ビデオシリーズを作ることにした。説明によると、このコースは“理論だけではなくLinuxのさまざまな現用場面を見ていく”とのことだ。

コースの構成は一連のビデオシリーズをユーザが‘監督して’(後述)制作し、それらのビデオはいずれも、これまでの教育訓練〜技能検定過程に欠けていた要素を取り上げる。その特徴をPowersは、“仮想インターン経験”だと言う。彼が自己のプロとしての経験を共有することにより、生徒はLinuxのシステムアドミニストレータとしての実践経験を、文字どおり仮想的に体験する。

一回のクラスは30〜40分で、クラスとは呼ばずにナゲット(nuggets)と呼んでいる。一つのナゲットにトピックは一つだ。提供する情報はベーシックからアドバンスドまで、各機能レベルの受講者に合うように工夫されている。初心者はまずイントロ部分をしっかり見てから、そのあとの実用技術の部分を見ればよい。中級者や上級者は、自分がすでに知っている技術をブラッシュアップし、ときには、それまで知らなかった知識も学ぶだろう。

最近Powersとチャットする機会があったので、このビデオシリーズについていろいろ聞いてみた。まず、‘ユーザが監督する’(user directed)とはどういう意味か?。それは、ユーザがビデオに割り込んで質問できる、という意味ではない。Powersによると、コースの概要は自分の頭の中にあるけど、実際に作ったのは最初のレッスンだけである。生徒たちは、一つのビデオを見たあとにアンケートに答え、今後何について詳しく知りたいかを答える。そしてそれらの答えに基づいて、今後のビデオが取り上げるトピックやその内容を決めていく。

CBT Nuggetsには、”Cisco for the Real World”(実用Cisco)と題する、同様のコースがある。これも、ユーザのフィードバックによりコースが構成されていった。このコースのビデオをいくつか見てみたが、なかなかよろしい。各ビデオの冒頭で、フィードバックから得られたテーマが強調されたり、前のトピックに関する質問への答が述べられたりする、そしてその後、新たなトピックに入っていくのだ。このやり方なら、30〜40分が妥当な長さだ。トピックは一つだけだから、学習内容を吸収しやすいし、長すぎて退屈することもなく、また技術課題に関して舌足らず(短くて簡素すぎる)でもない。

Powersは教育訓練のプロで、システムアドミニストレーションのプロでもあるから、これまでのLinuxの資格付与(技能検定)事業の欠陥が、身にしみて分かっている。まず、そういう民間企業にいる人は、現場で、仕事で、Linuxを使った経験のない人が多い。しかも、そういう人たちが作った“技能検定”に受かった人は、やはり現場知識がないから、就職に必ずしも有利ではない。これに対しPowersの”Linux for the Real World”の重点目標は、生徒たちに、現用場面でぶつかる状況や問題を疑似体験させることだ。個々の技術の、標準的で形式的なデモを見せるのではない。Powersが自分のビデオを“仮想インターン経験”と呼ぶのは、ちょっと大げさかもしれないが、これまでのLinux教育訓練と現場ニーズとのあいだにあるギャップを、埋めようとする熱意は立派なものだ。

まだ最初の1本しかない、とPowersの言うその最初の1本、Linux installation(Linuxのインストール)を見た。自分がフルタイムのLinuxシスアドミンだから、そこに目新しいものは何もないが、初心者的すぎて見るのは時間の無駄、ということもない。UbuntuとCentOSのネットワークからのインストール、インストール元としてのローカルミラーの作り方、そして最後に、自動(無人)インストールを行うKickstartの構成ファイルの作り方だ。Powers先生の教え方は、優しくて親しみやすい。ペースも適切だ。彼が言ったとおり、インストール時に実際に起こりがちな状況を二つほど提示して、その対処の仕方を説明している。

このビデオにある情報はすべて、インターネットの上にも、本の上にもすでにある。しかし、テキストを読むよりはビデオを見た方が分かりやすいという生徒には、とても有益だろう。ビデオなら、言葉は人間の声で聞き、操作等は実際に映像で見る。それが、ビデオコースの利点だ。

この最初のクラスは、無料で誰もが見られる。アンケートも、誰でも答えられる。”Linux for the Real World”の今後の開発に貢献したい人は、ここでビデオを見てアンケートに答えよう。フルコースの受講は600ドルで、LPIC-101とLPIC-102のコースが含まれる。このコースを終えると、きっとLPIC-1LPIC-2の検定試験に受かるだろうし、それだけでなくPowersが共有する現場の実用技術も身につく。

CBT Nuggetsは、4月1日締め切りの小さなコンテストをやっている。課題は、このビデオコースを終えた1年後には何をしたいかを、200語以内で書くこと。興味ある方は、ここに応募しよう。

これと関連するが、Linux Professional InstituteがLinux Essentials(Linux必須技術)というカリキュラムを発表した。その目的は、“次世代のLinux技術者を育て、今日の混成的なIT環境において必要とされる高度な技術を付与し、技術者不足の解消を図る”、となっている。このプログラムは、Linuxだけでなく、それを含むより大きなオープンソース環境についても教育することが目的だ。立ち上げは6月半ばで、かなりしっかりした内容の新人向け導入コースのようだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))