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「利益」が必要になってきたPinterest。但し収益化の道は著作権問題の顕在化を招く?!

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Jonathan Kleinが写真の共有サービスについて語るということについては少々違和感を覚える。と言うのもKleinは写真販売サービスのGetty Imagesの共同ファウンダー兼CEOなのだ。立場としては、自身のサイトにある写真について権利を守ろうとする立場であるし、Gettyに登録された写真についてきちんと支払いがなされるべきであると主張する立場であるはずなのだ。

しかしKleinはGettyのサイトで右クリックで写真を保存する機能をオフにはしなかった。Photoshopを少しでも触ったことのある人ならば、写真に埋め込まれたウォーターマークを簡単に削除できるにも関わらずだ。なぜか。すなわちKleinは非商用で画像を使うことについては、あまり問題にしようと考えていないからなのだ。たとえばティーンエイジャーが学校のプロジェクトで写真を使ったり、あるいは個人的なブログに載せるのに使うことについては「いたしかたのないこと」と考えているからなのだ。そして少なくとも現在のところは、Pinterestに掲載されることもかろうじてOKであると考えている。

OKとNGを分ける基準はなんだろうか。写真を利用するサイトが、広告などにより収益をあげるときがその基準となる。今回掲載したインタビューの中で、Kleinはそのように語っている。

サイトへのトラフィックを伸ばすのに、私たちの画像を使うというのは良いアイデアだと思います。但し、ビジネスとしてそうした行為を行うのであれば、ライセンス契約のようなものを結ぶのが当然であると考えます。

これはまさにPinterestに該当する話だと言えよう。そしてまさにそうした問題がPinterestにとっての重大事項となってきている。Pinterestは、利用者に好きな写真を好きなだけリンクさせることで膨大なトラフィックを稼ぎ出している。そしてトラフィックを生み出しているそうした写真は、法的にいって利用者自身のものではないものなのだ。また、FortuneのJessi Hempelも書いているように、Pinterestは押し寄せるトラフィックを支えてサイトを稼働させるために、毎週毎週多額の小切手を切っているような状態なのだそうだ。つまりPinterestにとって「金を稼ぐ」ことが優先事項となりつつある。このための方策のひとつとして、マネタイズの手腕が高く評価されているTim Kendallを採用してもいる。

つまりPinterestは「他人の写真」を利用して、自分のための金を産み出す必要に迫られてきている。しかしそうなってくると、Getty Imagesのような知的財産権を有するところが、Pinterestに対してライセンス料の請求を行ったり、あるいはピンボードの削除を要求してくるようなことになるわけだ。

もちろんこうした事態が全く想定外であったわけではなかろう。しかし人気とあいまって、ライセンス料も膨大な額となり得る。Tumblrが収益化の道を進んでいないのも、同様の問題があってのことだと分析する人もいる。YouTubeにしても運営資金をなんとか稼ぐようになるまでに何年もかかっている。しかもYouTubeの場合は莫大な利益を挙げているGoogleという親会社があってこそなんとかなったという面もある。利用者の作成するコンテンツのリポジトリとしてのサービスを展開する場合、コンテンツの権利者をきちんと把握するためには、フルタイムで働くチームメンバーが必要となってくる。それは決して安いものとはなり得ない。

また利用者の動向もより重要な問題となり得る。すなわち利用者は共有した写真を取り下げられたりすることを好まないだろうという話だ。Pinterestは今のところ利用者コミュニティと非常に良好な関係を築いていると言えるだろう。しかし昨今は最も熱烈な利用者であっても移り気であるという報告もある。

Pinterestは今まさに、上述のような問題に直面しているところだ。但しシリコンバレーで最も有能な投資家たちから3750万ドルもの資金を調達していて、問題解決に向けたプランを探っていることは間違いない。有効な解決策を産み出すことができるなら、それはPinterestにとってのみではなく、現在立ち上がりつつあるコンテンツシェアを行う数多のスタートアップにとっても朗報となることだろう。但し現在のところはまだ解決策は提示されていない。収益化を行おうとした瞬間に、Pinterestを巡る著作権的問題はますます重要な問題として現前することになりそうだ。

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(翻訳:Maeda, H)