インターネットがエイプリルフールを台無しにした

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WikipediaのApril Fools’ Dayの項目が、それ自身エイプリルフールのいたずらなのかを判断することは難しい。この広く普及した行事の歴史は、それ自体がまるでジョークだ。

「フランスとイタリアでは、子供も大人も互いの背中に紙で作った魚を貼り付けて、その国の言葉で「4月の魚」と叫ぶ」(フランス語は”poisson d’avril!”、イタリア語は”pesce d’aprile!”)

これが私の言いたいことを象徴している ― インターネットはエイプリルフールを台無しにした。かつて友達に、婚約したとか妊娠したとか癌になったなどと言っても、それがFacebookやTwitterを埋めつくして、 家族などの欺すつもりのない相手を怖がらせてしまうといった心配などなかった。

また、かつてエイプリルフールのいたずらは今ほど浸透しておらず、よって気付かれにくかった。人々は「ライオン洗い」ジョーク(訪れる人々にライオンを洗うショウが無料で見られると言ってからかう。ウェブで呼びかけておいてすぐ解散する現代のフラッシュ・モブのいわば前身)を17世紀から19世紀まで温存してきた。これが21世紀の4月1日に増殖しない理由の一つは、もし「無料のライオン洗い」 ― これは例えなのでお許しを ― という広告を見たら、誰もが 1)Googleで「ライオン洗い」を検索する、あるいは、2)エイプリルフール・レーダーがオレンジ警戒レベルにあるため、すでにこのジョークに免疫がある、のいずれかである可能性が高い。

今やインターネットが、早め早めにジョーク攻勢をかけてくる。疑いの目を逃がれようと、抜け目のないいたずら者の多くが、3月31日に自分の作品を仕掛けてくる。いずれ4月2日にもおふざけの出血が及ぶと私は確信している。そして、あらゆるサイトが親サイトと共に参加し、面白くあろうと全力を尽くすが、もちろんそうでないことは誰の目にも明らかだ。そもそもエイプリルフールの殆どが、「ハハハ」であって「抱腹絶倒」ではないわけだが、力を合わせた時は特にそうである。

エイプリルフールで最悪なのは、いかに誰もが悲惨なほど面白くないかを目の当たりにすることである

それでは、本物のユーモア溢れる人は4月1日に何をするのか(もちろん私がそうだと言っていない)。忘れてならないのは、おかしいイタズラの殆どが、今も実世界で起きていることだ。例えば誰かのデスクトップの背景を入れ替え、ファイルを全部隠して、混乱して誰かが画面をクリックしまくるところを眺める。これは決して古びない。

あるいはわれらがシスアドのGregが私のカレンダーに、今日の2:45からフォート・メイソンで、Robert Scobleとスタートアップについて語るパネルがあると書き込んだ。私は仕事用の服を着て、テックメディアとスタートアップについて偉そうに話すべく、日曜日にタクシーで現地へと向かったが、そこではスタートアップのカンファレンスではなくオペラが上演されていただけだった。実は、Scobleのパネルは4月2日!だった。これって、単なる間違い? いずれにせよ史上最高の巧まざるエイプリルフールだった。

実世界のイタズラは、まだ行き過ぎるところまで行っていないが、主としてそれは人間が怠慢であり多忙であるために、実際にそこまで骨を折ることをしないからだ。そして、次回あなたが春の始めにその陳腐なユーモアを押しつけたくなったら、ジョージ・W・ブッシュのあの不朽の迷言を思い出してほしい。「私を一度欺く者には・・・恥・・・恥あれ。私を・・・ もう二度とだまされない」。

全インターネットの悪ふざけを集めた、エイプリルフールTechCrunchまとめはこちら

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(翻訳:Nob Takahashi)