クラウド上の知らない場所に置くよりファイルシンクは自前で–オープンソースのownCloudが商用化へ

次の記事

プリントオンデマンドでその場で誕生するロボット―NSFが5カ年計画の研究を助成

owncloud01

Dropboxやその種のサービスを好きな人は多いが、しかし企業、とくに政府等の厳しい規制の下にある大企業は、クラウド上のファイルシンクサービスを避けざるをえない。それらのサービスはサーバ上の企業データをクラウド内の“そこらに”無造作に置いてしまい、企業のコントロールが及ばない。ここで紹介するownCloudは、いわばオープンソースの自己ホスト型Dropboxで、ストレージのプロバイダではなくソフトウェアによるソリューションであるため、独自のアドバンテージを有している。ownCloudについては、OpenSUSE 12.1について書いた記事でちょっと触れたことがあるが、それ以来ずっと、このプロジェクトには注目していた。ownCloudを企業にとってより魅力的にするために今日(米国時間4/3)、その有料サポートを伴うバージョンがowncloud.comでロンチした。

ownCloudのサーバはファイルの保存と同期化を提供するだけでなく、 CalDAVおよびCardDAVとよばれるサービスにより、ユーザのモバイルデバイスのカレンダーとアドレス帳を同期化する。そのほか、保存するファイルのファイルタイプの認識も目下実装中で、タイプに応じた有意味なアクション…写真のギャラリー、音楽のプレイリストなど…を提供していく。ownCloudのアプリストアも健在かつ成長中で、それらのアプリケーションによりサーバの能力を拡張できる。あくまでもオープンソースなので、iftttなどとは違って、自分の稼働中のサーバ本体にインテリジェントなアクションを自由に組み込める。

ownCloudの現在のユーザ数は約40万、オープンソースの開発寄与貢献者は40名以上いる。1月にはバージョン3がリリースされ、同社の開発サイクルは3か月なので、新バージョンももうすぐだ。次のリリースには、アップロードしたファイルのバージョン管理という重要な機能が導入される。

ownCloudのCEO Markus Rexに、今回の商用バージョンについていろいろ聞いてみた。彼によると、サーバ自身としては何も変わりはない。有料サポートの付くownCloudのサーバ部位は、オープンソースバージョンとまったく同じである。違う点は、デスクトップとモバイルのクライアントが提供されることだ。さらに、それらのクライアントはユーザ企業が完全に自社ブランド化できる。またもちろん、メールや電話によるサポートもある…企業の管理者にはそれが魅力だろう。なお将来の計画としては、ロバストな PKIソリューションの導入により、大企業のIT部門が中央集権的にアクセス制御を施行できるようにしたい、という。

ownCloudにはパートナー事業があり、それは“パートナー優先主義により、顧客がownCloudからの直接サーブに固執しない場合は、すべての顧客機会にパートナーを関与させる”、というものだ。現在は10の国に20社近いパートナーが存在する。

オンプレミスのデータストレージ、サーバサイドアプリケーション、そして真にオープンソースなソリューション、これらの利益に加えてownCloudには、副次的な利益もいくつかある。たとえばRexによれば、ちょっとした工夫により(あるいはownCloudのパートナーの手助けにより)、ユーザ企業の賢いアドミンはファイルタイプ等に合わせたownCloudの最適化構成ができる。MP3ならRAID0のJBODプールへ、そしてドキュメントやプレゼンテーションはRAID5のエンタプライズSANへ、などと。

Rexは最近のブログ記事でDropbox追放説について述べている:

DropBoxという風車に立ち向かうドンキホーテである必要はない。彼らはすばらしい機能を作りだし、人びとが自己のデータにアクセスしシンクしシェアするやり方に革命をもたらした。弊社はただ、企業のデータがたくさんのiPhoneやiPad、ラップトップ、Androidなどの上に野放し状態で存在することに起因する、ITマネージャたちの脱毛と胃痛を快癒したいだけである。しかもそれを、コスト効率の良い方法で。

セキュリティ等の法的規制への準拠性がownCloudの最大のセールスポイントの一つだが、そのほかに、その基盤がオープンソースであることが、長期的には大きな便益をもたらす、とぼくは感じている。

[原文へ]
[jpTechCrunch最新記事サムネイル集]
[米TechCrunch最新記事サムネイル集]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))