2011年におけるLinuxカーネル開発の現状–Microsoftも積極貢献

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Linux Foundation(英語)(日本語記事)は、Linuxのカーネルをめぐる長期的なコラボレーションのための、企業のひも付きではない本拠地だ。Linuxの作者Linus Torvaldsや彼の右腕Greg Kroah-Hartmanらが、フルタイムでLinuxに取り組むための作業基地でもある。同団体はほぼ毎年、Linuxカーネルの現状に関する報告書を出していて、それは史上もっとも成功した協力的ソフトウェア開発を考察した文書として、魅力的な読み物でもある。報告書の全文もとてもおもしろくて、Linuxの開発に関するさまざまな観測を述べているが、ここでは、とくに注目すべき二つのことを取り上げよう。

これまで8000名近くの個人デベロッパがLinuxカーネルに貢献しており、そのうちの1000名は昨年以降参加した新人だ。報告書は、“各開発サイクルで参加デベロッパの約1/3が一つのパッチを寄与している”、と述べている。最近の5年間では上位10名の貢献者がカーネル開発の全作業の9%を担当し、全作業の20%は上位20名のカーネルデベロッパに帰因している。皮肉にも、今回の報告書ではLinus Torvaldsは上位10名に入っていない。報告書は、“Linusは今なお、開発プロセスの活発で重要な役を担っている。彼の寄与貢献は行った変更の数で計られるものではない”、と述べている。LinusやGreg KHらカーネルのメンテナたちは、“ほかの人たちからのパッチの精査と管理に多くの時間を割くため、自らが書くパッチはより少なくなっている”。

社員たちがカーネル開発に寄与する企業は、2005年に比べて3倍に増えている。意外にもMicrosoftは第17位の企業貢献者で、昨年はおよそ688件の変更を寄与した。同社はLinuxに脅威を感じており、同社のCEOがLinuxは癌だと宣告したことは有名な話だ。結局はそのM社も、‘長いものには巻かれろ’*主義になったのだろうか。〔*: If you can’t beat `em, join `em, 勝てない敵ならその陣営に加われ〕

平均開発サイクル、すなわちカーネルの新バージョンのリリースサイクルは80日だ。最近は短くなっていて、最新のリリースは70日足らずだった。現在のカーネルのコード量はおよそ1500万行だが、数千名のデベロッパが寄ってたかって12週足らずで安定リリースを作りだしている。2005年以降のその工数は、毎時平均4.3パッチだ。2012年1月にリリースされたv.3.2のカーネルでは、毎時6.88パッチだった。

報告書は次のように述べている:

このようなパッチ数の数字だけが、活動の全体を表すものではない。多くのパッチは複数回の精査を経てカーネル本体へ受容される。受容されないパッチもきわめて多い。これだけの変更工数を長年にわたり維持する能力は、過去の公開ソフトウェアプロジェクトにおいて例のないものである。

カーネル開発に関心のある一般人向けにLinux Foundationは、分かりやすい短編ビデオを提供している。

Linuxカーネルはこれまでの20年で大きく変貌した。今のそれは巨大な協力的プロジェクトであり、ますます多くの企業がそこから実利を得ている。したがって、人やお金を貢献する企業も近年ますます増えている。カーネルの成長過程を知り、そしてまた、Linuxとそれを取り巻くより大きなオープンソースのエコシステムの未来を展望するのは、とても楽しいことだ。

〔関連記事: Microsoftの貢献は同社の特定製品に関わる一時的なもの。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))