エリック・リース曰くリーン・スタートアップはトヨタから学んだマネージメント

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メディアはデジタル恐怖を売っている

もうすでにご存知だと思うのだが、先週はリーン・スタートアップ提唱者のEric RiesがやってきてAmazonやデジタルガレージのイベントで講演をしてそのエッセンスについて直伝していた。来週にはいよいよ彼の本も出版され、この1週間はリーンスタートアップ週間とも呼べるべきものが日本にきているのかもしれない。

リーン・スタートアップについてはTechCrunch Japanでも何度か話題にしている、無駄なくビジネスを立ち上げるための方法論である。この手法はマウンテンビューの500 startupsにオフィスを構えるHapyrusのファウンダーの藤川幸一氏によれば、彼地では「当たり前のものになっている」のだそうだ。リーンスタートアップで使われる言葉はベイエリアのスタートアップ界隈ではすでに一般用語になっていて、これを前提に議論が進められるのだという。あるセミナーでSkype越しにそう語っていた。

リーン・スタートアップは「スタートアップ」と書かれているので、スタートアップ企業を対象とした手法についてのものだと考えがちだが、Eric Ries曰くスタートアップとはマネージメントのことだと言っている。だから、マネージメントについて再考しなければならないということだ。

Eric Riesの問題提起はこうだ。起業家は「作るべき製品をわかってない」そして「人々が望まないような製品を作ってしまう」と。そして失敗にいたってしまう。ただ、その失敗については多くは語られないし、多くの起業家はそれを認めたくないが故に失敗作に費やした時間については「いろいろと学ぶことができた」と省みることがない。だから科学的なアプローチが必要になる。

マネージメントはフレデリック・テイラーが提唱した科学的管理法に遡ることができる。これは細分化されたタスクは専門家がこなすようにし、期待した以上に成果が出せればボーナスを与えるといったものだ。ただ、こういった方法も20世紀には、正確な予想や計画がわかればうまくいったが、現実には計画や予想には混乱が増してきていて、スピードが増してきている。なので今の時代には新しいマネージメントが必要になるということだ。

リーン・スタートアップの元になっているのは、リーン生産方式とよばれる手法だが、MITスローンスクールで発表されたこの手法は話題にのぼることが多いように、トヨタの大野耐一によって提唱されたトヨタ生産方式を体系化したものだ。だからEric Riesは過去に来日した際にリーンスタートアップについて説いたときに、「果たしてシリコンバレーで適用されるこの手法が日本に当てはまるのか」と聴衆から問われて答えに窮してしまったらしい。というのも「これは日本から学んだのですよ、トヨタの方式は日本のやり方ですよ」と。

詳細については、間もなく発売される『リーン・スタートアップ〜ムダのない企業プロセスでイノベーションを生み出す』(日経BP刊)を読んで欲しい。彼がCTOとして創業に関わったIMVUのような事例もあれば、さまざまなケースでの言及もあるのでテクノロジーやインターネットのビジネスだけを対象にしたことではないことがわかる。今年はこれによって、ピボットは言うに及ばず(いやピボットだけでも何種類もあるのだが)、今年はMVP(Minimum Viable Product)だとか革新会計だとかが日本でもバズワードになるのかもしれないね。

で、来日したEric RiesにTechCrunch Japan読者のために彼の本にサインをしてもらったので、読者1名にプレゼントしたい。TechCrunch JapanのTwitterアカウント(@jptechcrunch)をフォローしてリプライで「リーンスタートアップの本ほしい」って書いくれた方の中から抽選で1名の方にお送りする(献本はいただいたが、決して日経BPから頼まれたステマではないことをお断りしておこう)。※終了いたしました。