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パーソナルアシスタントの未来形?!:持ち主が行ったことをすべて記憶する「フライデー」

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friday-appクラウド上に、スマートフォンを使った活動を記録しておいて活用するPhonedeckというサービスが先日スタートした。これと同じ分野で、さまざまな行動履歴を自動的に収集して、コミュニケーションヒストリー、過去の行動についての分析、またこれまでの人生を対象ととする検索エンジンとしても機能する、面白いアプリケーションがある。

アプリケーションの名前をフライデー(Friday)と言う。現在はプライベートベータとして公開されており、下に示したリンクからメールアドレスの登録を行なっておくことができる。ちなみにアプリケーションはAndroid用だ。

この「フライデー」のリリース元はDexetraだ。聞き覚えがあるかもしれないが、Siri風Androidアプリケーションをリリースしているのと同じところだ。2010年4月より6名で活動を開始している。この前の秋には20万ドルのシードラウンド資金を調達している。最初にリリースしたIrisはなかなかの人気を集めていて、170万人が利用しており、これまでに7500万件の質問に回答を行なっているそうだ。

「フライデー」については、先にも記したように現在はリリース前の段階だ。但し、リリース前のテスター55,000人が利用している。どのようなアプリケーションかと簡単に言えば、ちょうどSiriの逆を行くものとも言えるかもしれない。Siriには将来に何が起こるのかを尋ねるという使い方をする(今日がどんな1日になりそうか、あるいは近くに鮨バーがあるのかどうか)。一方で「フライデー」に対しては、既に起こった過去のことを尋ねるという使い方をする。

過去の情報を提供するため、「フライデー」は過去のコミュニケーション履歴(電話の発信、テキストメッセージ、メール、等)以外のものも参考にする。たとえば写真の撮影歴、電話の状態変化(電池切れなど)、外部サービスにおけるデータ(Facebook、Foursqureのチェックイン、あるいはツイートなど)を利用するようになっているのだ。

いや、少し話を戻そう。「フライデー」は過去に蓄積したデータを解析することができるが、そのインタフェースとして「自然言語」を用いているのが非常に興味深いところだ。自然言語解析のためには、Irisで用いたのと同様のエンジンを利用している。

インタフェースに自然言語を用いているということの意味はご理解頂けているだろうか。「フライデー」が過去データの解析を行った後は、普通に話しかけることで種々の情報を入手することができるわけだ。すなわちラスベガスで撮影した写真であるとか、先週かけた電話についてのデータであるとか、あるいはバッテリーが切れた際に電話で話していた相手が誰だったかなど、「フライデー」に自然な会話で問いかければ回答を得ることができるのだ。

もしかすると、バッテリーが切れた際に話していた相手がわかったところでいったい何の役に立つものかと考える人もいるかもしれない。上に書いた例が、個々別々にいろいろなシーンで実際に役立つということが言いたいわけではない。個々の事象を統合して解析対象としているということを示しているのだ。データを集めて検索対象にしたというだけでなく、そうしたデータを「記憶」して、従来のクエリー言語などを用いることなく、日々使用している言語によって過去のデータを引き出すことができるようになっているのだ。

昨年5月のアルファ段階で最初に取り上げて以来、「フライデー」のインタフェースはいろいろと変更になっている。多少洗練はされたが、PhoneDeckなどに比べるとまだ少々見劣りがするようだ。また敢えて、少々ギーク風なところを目指してもいたりするようだ。たとえば機能メニューに「タイムワープ」(Timewarp)や「スペースビュー」(Spaceview)などといったものがある。これはそれぞれ個人向けタイムラインであったり、これまでに訪問したことのある街のリストだったりする。尚「infograph」というメニューではPhoneDeck同様にコミュニケーション履歴がチャートやグラフで表示される(電話受信、発信、受けられなかった電話等)。

一般的に見ると首をかしげる部分もあるものの、「フライデー」はデジタルな知性にわかりやすいインタフェースをかぶせたという雰囲気がある。PhoneDeckの方はより利用者よりのユーティリティとしての機能を強調しているようでもある。たとえばPhoneDeckにはSMSやFacebookにメッセージを送信したり、あるいはコンタクト情報をさまざまなデバイス間で同期したりするためのダッシュボードなども用意されている。「フライデー」の方は、さまざまなAndroidアプリケーションを連携させる新種の検索エンジンを実現させるための土台といった意味合いも持っているようだ。

尚、これは将来的な話だが、「フライデー」で解析したデータがIrisなどからも利用できるようになると面白いかもしれない。現在のところはSiriとは比べ用もない充実度ではあるが、DexetraのCEOも言うように「フライデー」との連携で面白いことができるようになるかもしれない。

「フライデーの検索ボックスで、自身に関すること(フライデー担当)や世間に関すること(Iris担当)を同時に検索することができるようになります」とのこと。但し、「フライデー」のデータをIrisに渡してしまうことはないのだそうだ。「フライデーは完全にパーソナルで、セキュアかつ忠実なアシスタントとしての立場を忘れません」とのこと。

IrisはChaCha(なんでも知っている!)と連携し、宗教、アート、文学、歴史、あるいは生物学などのあらゆる分野の質問にWikipedia風に回答する。ここに蓄積された個人データに基づく情報提供が加われば、確かにウリになることだろう。またDexetraがIris/フライデーの統合を進めてさまざまな管理機能(喋った内容をメッセージで送信したり、電話をかけたり、あるいはアポイントを表示したりするような機能)をもつようになれば、いよいよSiriのライバルとして名乗りを上げることもできるようになるかもしれない。

「フライデー」はまだ正式リリースとはなっていない。こちらでメールアドレスの登録を行なっておくことができるようになっている。

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(翻訳:Maeeda, H)