音声メッセージングサービスを提供するVoxerが大躍進中。IVPおよびIntelなどから3000万ドルの資金を調達

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1_PTT_webウォーキー・トーキー風インタフェースで、友だちに簡単にメッセージを残せるVoxerというアプリケーションはもうお使いだろうか。iPhone版Android版がリリースされている。このVoxerは昨年11月、一夜にしてに人気を集めて、アプリケーションストアにてソーシャルネットワーキング部門のトップになったと思っている人も多いかもしれない。しかし実は創業5年目を迎えており、大成功をおさめるまでには設計開発にずっと努力を重ねていた。

そのVoxerが資金調達ラウンドを完了し、3000万ドル以上の資金を調達したという話が複数情報筋から入ってきた。ラウンドを主導したのはInstitutional Venture Partners(IVP)、Intel Capital、およびSV Angel、CrunchFund、Chris Dixon、Roger McNameeなどのエンジェル投資家だとのこと。Voxerからの情報によれば、調達額はほぼ噂の通りで、他の情報についても追って公開するとのことだ。但し投資家たちを含む議論の末に、プレマネー段階で1億8000万ドルに落ち着いたと噂される評価額については何の話も聞けなかった。

ちなみに後半ステージの投資を行なっている投資家の名前が多くみられるのは、それだけVoxerの歴史が長いからということだろう。設立以来2000万ドルほどの資金が投入されたが、そのほとんどはファウンダーのTom Katisの資金だった。アフガニスタンで特殊部隊の任務に従事していた頃にVoxerのアイデアを思いつき、当初は利用者層として大企業を想定していたそうだ。各地に部隊が分散する大企業にあって、迅速な情報流通手段が必要であろうと考えたわけだ。

もちろんその予測があたった面もあるようだ。Katis曰く大規模な病院や企業などもVoxerを利用しているとのこと。しかし昨年11月に大ブレイクして以来、バイラルで利用者を増やしていくことになった。ブームは中西部で始まり、それが徐々に広がっていった。ハイスクール、小さな町、そして家族での連絡用としても広がっていったようだ。利用者数や利用者からのメールを見ると、考えられるあらゆるシーンで用いられるようになっているのではないかとのことだ。ちなみに月間のユニーク利用者数は「千万単位」であるとのこと。またApp Annieの情報によれば、世界中のいろいろな国のアプリケーションストアでトップランクに位置している。

ところでVoxerはどのように広がっていったのだろうか。KatisおよびVoxerのGrowth部門VPで長い間モバイル系アントレプレナーであり続けているGustaf Alstromerが言うには「口コミ」が主要な伝播要素なのだと述べる。では、どのようなタイミングで口コミが発生するのだろうか。「使い始めた人が使い方を理解すると、多くの人がこれまでなかったタイプの体験に興奮して友人に利用をすすめるのです。テキストメッセージのような利用スタイルなわけですが、より迅速かつ簡単に、そして声を使ってコミュニケートできるようになるのです」とのことだ。

音声サービスで独自の地位を築きつつあるVoxerが、次に狙うのはどういったことだろうか。

今後の「モバイル・ファースト」の時代にあって、写真界でInstagramが成し遂げたように、あるいはソーシャルネットワーク界でPathが担おうとしているように、VoxerがキーサービスのひとつになるはずだとKatisたちは信じている。スマートフォンの普及はまだその端緒についたばかりだ。米国内でようやくiOSやAndroidその他の合計が従来型携帯電話を上回ったところで、世界的にみても徐々に広がりつつあるといったところだ。これから、このモバイル環境に何十億という利用者がなだれ込んでくるのだ。

「たとえばゲームの世界ではZyngaが大きな事を成し遂げました。音楽の世界ではShazam、Pandora、Spotifyなどが世の中を変えるのを見てきました」と資金調達ラウンドをリードしたIVPのDennis Phelpsは言う。「Voxerも音声メッセージの世界では大巨人となり得ると思うのです。これまでのコミュニケーション手法を変化させる便利な方法を提供していると言って良いと思います」。

Voxerの魅力は増加しつつある利用者数のみにあるのではない。大ヒットとなる前の数年間に、数多くの音声関連特許を取得している。またサーバーサイドJavaスクリプト技術であるNode.jsの効果的利用方法を探求し続け、今や最大規模のNode.js利用者となっている。

調達資金の使い道はどうなるだろうか。インフラ整備や、Node.js絡みの開発者獲得にも使われることになるだろうか。ファウンダーのKatisは、実はいくつかの企業設立に関わっていて、セキュリティ関連サービスを提供するTriple Canopyは大いなる成長を遂げた。Katis自身、今でもこのTriple Canopyにも関係し続けている。そのKatis曰く、Voxerは長期的に音声関連サービスで十分な利益をあげる企業に成長させたいとのこと。将来的にはIPOも視野に入れているのだろう。今回のラウンドに参加した投資家たちも、IPOを視野にラウンドを重ねていくのかもしれない。

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(翻訳:Maeda, H)