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Prismaticは「ソーシャル過ぎない」ソーシャルニュースサービス

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元ライブドア社長の堀江貴文氏は、かつて週刊誌に掲載された対談で、「新聞を読まなくてもTwitterで世の中の動きが分かる」と語った。Twitter上で適切なユーザーをフォローしておけば、後は彼らがシェアしてくれるコンテンツを確認するだけで、大切な情報は向こうからやってくるというわけだ。こうしたソーシャルフィルタリングの発想は一般的なものとなり、現在ではFlipboardに代表されるような、シェアされたコンテンツをより確認しやすくするサービスが登場している。

この分野に新たに登場したサービスがPrismaticだ。Flipboardのようにソーシャルメディア(現時点ではTwitterのみに対応)上でシェアされている人気コンテンツをまとめて、閲覧しやすい形で表示してくれるというものだが、ちょっとした捻りが加えられている。それは「ソーシャルグラフの外にも目を向けている」という点だ。

ソーシャルグラフ上で共有されているコンテンツをチェックすれば、確かに自分の興味に合致するニュースを選別することができるが、逆に自分のソーシャルグラフがフォローしていない情報を取りこぼしてしまう恐れがある。例えばスマートフォンアプリを開発している人物であれば、IT系のニュースは当然のように入ってくるに違いないが、ファッションやグルメの分野は手薄になっている可能性があるだろう。しかしスマートフォンはいまやあらゆる分野に進出しており、ファッションやグルメに関するニュースからも、新しいアプリのアイデアを得られる可能性が高い。

だからといって、自分がまったく馴染みのない分野で、有益なニュースをシェアしてくれているユーザーを探し出すというのも難しい話だろう。そこでPrismaticの登場というわけだ。PrismaticはユーザーがTwitter上でフォローしている人々の間でシェアされている情報だけでなく、Twitter全体でシェアされているリンクを分析。その両方を組み合わせることで、ソーシャルグラフに頼り過ぎないニュース収集を可能にしている。

Prismaticにアクセスすると、まずは自分のTwitterアカウントとの連動を求められる。連動を許可し、Prismaticが一通りの分析を終えると、画面上にトピックやニュースソースの候補(例えば「Web Design」や「TechCrunch」など)が表示される。ここから適当なものを選べば準備OKだ。後は自分がTwitter上に築いたソーシャルグラフの中で話題になっているニュースが表示される。

ここまでは一般的なソーシャルニュースサービスと同じだが、ユニークなのは「EXPLORE」というメニュー(画面上では地球のアイコンで表示される)が用意されている点。これが自分のソーシャルグラフ外で話題になっているものをサジェスチョンしてくれる機能で、Prismaticが独自に開発したアルゴリズムに基づき、ユーザーが気に入りそうな記事を表示してくれる。またキーワードによる検索も可能で、例えば「普段は東京で生活しているのだが、来月ニューヨークに出張するので地元の話題を知りたい」などといった場合に威力を発揮する。

Prismaticは現在ベータテスト中で、リクエストしたユーザーの中から順次ログインが許可されるようになっている。筆者は最近ログインできるようになり、しばらく試してみたのだが、確かに「EXPLORE」メニューにはいままで知らなかったようなソースから、思わず読みたくなるような記事が集められている。残念ながら英語以外の言語はまだロジックの対象外に置かれているようだが、「ソーシャルグラフの外部も対象に含める」というアイデアの可能性を感じることができた。

人間関係のネットワークに関する研究を通じて、「強い絆」と称されるような自分に近い存在の人々よりも、「弱い絆」と称される関係性の薄い人々の方が、新たな情報をもたらしてくれる可能性が高いことが明らかになっている。またクリエイティビティに関する理論の多くは、一見かけ離れているように見える要素を組み合わせることで、新たな創造が生み出されるとアドバイスしている。であれば、Prismaticは新たな情報をもたらすと共に、革新的なアイデアを生み出す手助けをしてくれるサービスということになるだろう。そこまでの効果が発揮されるかどうかは今後明らかになるだろうが、仮にPrismaticの発想が支持を得るようになれば、彼らのように「ソーシャルグラフの外」に目を向けるソーシャルニュースサービスが増えてくるのではないだろうか。