重要なのはInstagramではない — モバイルだ

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編集部注:ゲストライターのKeith Teareは、同氏のインキュベーターArchimedes Labsのジェネラル・パートナーで、just.meのCEOも務めている。彼はTechCrunchの共同ファウンダーでもある。Twitterアカウントは@kteare

すでに1週間以上たつが今日のTechmemeはInstagram関係の見出しで一杯だ。取締役会は関与したのか? Marc Andreessenは知っていたのか?Instagramは買収に同意する前にSequoiaらから5000万ドル受け取っていたのか? 20億ドルは正しい要求だったのか? 10億ドルは安いかそれともバブルか?

メロドラマ並みの質問もある。興味ある? あなたが不眠症ならあるに違いない。難しいかって? そうでもない。

買収から1週間、それがわれわれの将来にどう関係するか、一歩離れてこの契約の意味を考えてみる必要があると私は思う。

それでは始めよう。

FacebookはInstagramを安く買った

InstagramはFacebookにとって安い買い物だった。金額に注目するのは、あなたが投資家あるいはInstagram社員で無い限り、はっきり言って無意味だ。唯一重要な数字は、これがFacebookの1%に当たるということだけだ。10億ドルという数字は、Facebookが評価額約1000億ドル(控えめかもしれない)でIPOするという前提に基づいている。

Facebookの1%は、Facebookのファウンダーや株主らにとって十分小さいため、週末に最小限の取締役だけでこの買収の合意が取れた。

バブルではない

そこにバブル的要素は一切ない。Facebookにとって、Instagramに代表されるモバイルDNAを自社の1%で獲得することは、安い買い物である(はるか昔にBret TaylorのFriend Feedが買収された時のDNAと大きく違わない)。

モバイルはインターネット巨人の生死を分ける

FacebookのS1申請書をざっとみただけでも、同社にとってモバイルがいかに重要かがはっきりする。

当社の収益化能力が証明されていないモバイル製品によるFacebookの利用がパソコンによる利用に代わって変わって増加することは、当社の売上および財務状況に悪影響を与える可能性がある。、

2011年12月、当社にはFacebookのモバイル製品を利用した月間アクティブユーザーが4.32億人いた。モバイルユーザーの多くは、パソコンでもFacebookをアクセスしているが、当社は近い将来モバイル利用の成長がパソコン経由の利用の成長を超えるであろうと考えている。これは当社がモバイル製品の開発に集中し、Facebookのモバイル利用を促進しているためでもある。これまで当社はモバイルアプリまたはモバイルウェブサイト経由でFacebookを利用するユーザーに対して広告を表示してこなかった。2012年2月、当社はユーザーのモバイル・ニュースフィードにスポンサー記事を含める計画を発表した。しかし現在当社はFacebookモバイル製品の利用から直接的収益を上げておらず、それに成功する能力は証明されていない。このため仮にユーザーがパソコンの代わりにFacebookのモバイル製品を使うようになり、仮に当社がそのために過大な出費を必要とすることになれば、当社の財務状況および売上の成長に悪影響を与えるだろう。

つまり、Facebookにとってこの買収の真の意味は、モバイルの難題に立ち向かう会社を助けるための安い掛け金だということだ。

モバイルのイノベーションは現状を破壊し膨大な価値を生み出す

さて、そうは言っても10億ドルは大金である。そしてこの契約の規模は、モバイルソフトウェアのイノベーションが今後の真の価値を推進する力になることの証拠を ― もし証拠が必要であれば ― 示している。Instagramの買収は、モバイルコンピューティング新時代の幕開けを代表する象徴的出来事である。それは消費者がデバイスを用いて互いに生活を捉え共有し、そのためにデスクトップパソコンもノートも必要としないという事実によって特徴付けられる。

Instagramは新時代のNetscapeやYouTube

どの時代にも、その幕開けを示す象徴的出来事がある。Web 1.0時代、それはNetscapeのIPOだった。Web 2.0時代、それはYouTubeの買収だった。モバイル時代、それはInstagramの買収だ。これはこの新時代で最初の、そしておそらく最大ではない契約だ。Squareの評価額が40億ドルという噂がすでにある。この規模のものは他にも出てきている。

Web 2.0は終わった

先週わかった一番大事なことは、Web 2.0が完全にバックミラーの彼方に消えたことだった。消費者における強力なモバイルコンピューティング機器の普及と、モバイル時代がもたらす数々のサービスの浸透は、今やイノベーションや価値の多くがモバイルのソフトウェアやサービスの中で発見され、モバイルが実世界のビジネスをWeb 1.0と2.0共々破壊していることを意味している。

数字は明確で説得力がある

数字がこの主張を支持している。Kleiner Perkins Caufield & ByersのMary Meekerは、モバイル・インターネットの常連アナリストであるが、彼女が最近、インターネットのトラフィックとデバイスの販売台数の両方が、デスクトップ、ノートPCの台数を上回り始めていると報告している。そして、これが非常に重要なのだが、〈今はまだこの時代の始まりに過ぎない〉。スマートフォンの台数は未だに多機能電話と比べてわずかだ。米国では毎月のスマートフォンの売上台数が多機能電話をようやく追い越したところだ。今後数年間で何十億台ものスマートフォンが出荷され、消費者が自分たちの生活を管理し記録するためにつかわれるようになる。大企業は古びたアーキテクチャを捨て、殆どの業務で社員にモバイルを使わせるだろう。政府はモバイルを使って国民にサービスを提供するようになるだろう。世界はとどまっていない。

モバイルか死か

現存するすべてのビジネスは、再発明されるか死ぬかのいずれかだ。比較的新しいWeb 2.0サービスでさえ、この傾向が進むにつれ廃れていく。そして、再発明には合併と買収が間違いなく必要だ。買収されたくない新しい巨人たちが生まれるだろう ― この時代のYahoo、Google、Facebook規模の会社たちだ。

Appleその他で起きたイノベーションによって解明、解放された真のトレンドを観察すれば、バブルに関する議論がすべて誤りや考え違いであることがわかる。シートベルトを締めよう。われわれは間もなく離陸する。

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(翻訳:Nob Takahashi)