Facebookはゲーム以外のアプリの一律30%さや取りをやめる気のようだ

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facebook credits

昨日提出されたFacebookのIPO申請文書の改訂版には、目立たない小さな宝石があった。それは、Facebook Creditの利用が今後拡大し、ゲーム以外の支払いにも使われるようになれば、Facebookがアプリの売上の30%を取るという今のやり方はなくなるかもしれないことを示唆している。

文書から関連部分を引用しよう:

ユーザがわれわれのPlatformデベロッパからわれわれのPaymentsインフラストラクチャを使ってそのような購入をするときには、われわれは最大30%までの料金を受け取っている。将来的には、もしもわれわれがPaymentsをゲーム以外にも拡張するなら、われわれがデベロッパから受け取るパーセンテージ制の料金は変わるかもしれない。

同社のIPO申請文書は過去に4回改訂されたが、上の文言は今回初めて見るものである。しかも、私はFacebookを3年取材しているが、その間つねに、30%のさや取りは続けると彼らは公言していた。またFacebookのポリシー合意には、Creditを現金化する場合はFacebookが10セントにつき3セントを取る、とされている。つまり30%だ。

もしもFacebookが音楽やメディアアプリの売上から30%取ることをやめるならば、ほかのプラットホームとの横並びをやめることになる。現状では、Facebook、Apple、Amazon、Googの4者が、Web上とモバイル上のデジタルコンテンツのベンダとしての、覇権を競っている。

そして今、彼らは何をどうやっているのか。まずAppleはiOSに関して一律に売上の30%を取る。GoogleはAndroidに関して30%、Google+上のゲームに関しては5%だ。Amazonはかなりの変わり者で、アプリの価格をコントロールするとともに、売上の30%またはデベロッパの言い値の80%のうち、低い方を取る。

上記に関して重要なのは、この場合アプリはゲームに限定されないことだ。おならアプリでも百科事典でも何でもだ。Facebookが今回の文言のように可変レートを導入するのなら、アプリのタイプによって価格を変えることになり、それはきわめて新しいやり方だ。

Appleは一律30%で、可変レートではないから、新聞や音楽アプリのような薄利の製品にとっては高くつくロイヤリティだ。Appleのこのやり方に腹を立てたThe Financial Timesなどは、iTunesを避け、すなわちAppleによるさや取りを避けて、HTML5ベースの独自のWebアプリケーションをタブレット上の読者に提供している。

実際のところAppleは、この件に関し硬直的にならざるを得ない。同社が司法省にeブックの値付けをめぐる反トラスト法嫌疑を反論できるのも、この一律30%という‘制度’の盾があるからこそだ。Wall Street Journalの2日前のコラムで、Appleの上級役員Eddy Cueが、同紙の元発行人Gordon Crovitzに対して、“あなたは理解しておられませんね。われわれは新聞や雑誌をFarmVilleと違う扱いにはできないのです”、と述べている。

しかしどうやらFacebookは、新聞や雑誌はZyngaのようなゲームと同一扱いにすべきではない、と考えているのかもしれない。Facebookの取締役会に席を持つNetflixのCEO Reed HastingsやThe Washington PostのCEO Don Grahamは、それを歓迎するだろう。とりわけ彼らが将来、Facebookの上で購読制でメディアや新聞を売りたいのならば、なおさらだ。

マージン率を下げる〜可変にすることによって、Facebookのコンテンツパートナーは…とくに取締役会において…増えるだろう。ゲーム以外のデジタルコンテンツの多様化を進めることによって同社は、(さまざまな)‘何かに対してお金を払ってくれるユーザ’を増やせる。IPO文書によれば、今はCreditで仮想グッズを買う人は、2011年の同社の月間アクティブユーザ8億4500万のうち、わずか1500万にすぎない。

ゲーム以外でCreditを使う実験は、過去に何度か行われている。 Widespread PanicやDavid Grayなど一部のミュージシャンは、ビデオストリームを有料にしてCreditsで払わせている。またDavid Guettaは、曲をCreditで買わせている。いずれもまだ、萌芽期の試みにすぎないが。

しかし、問題も多い。まず、音楽産業にとって“公平な”マージンとは何か? The Washington Postのデジタル版の購読では、どうか? その中で音楽を売っているゲームの場合は、どうなるのか?

Facebookが一律xx%主義を捨てるのなら、デジタルコンテンツの販売に対して同社が設けるその新しい先例は、いずれWeb全体に波及効果を及ぼすだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))