Facebook、IPO S-1申請書を修正。モバイルへのシフト増加による広告事業への悪影響を認める。従業員への制限付き株式供与にも言及

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FacebookはIPOのS-1申請書に6回目の改定を加え、同サービスのユーザー基盤がウェブからモバイルへシフトすることによってユーザー1人あたりの広告表示数が減少し、長期的には売上に打撃を与える可能性があることについて、より明確な説明を加えた。またFacebookは、過去一週間以内に従業員に対して、約7.96億ドル相当の制限付き株式を供与したS-1書類全文を下に埋め込み、重要部分を抜粋した。Facebookは投資家に対して、日間アクティブユーザー数が同サイトの広告表示回数を上回る速度で増加してっており、これがユーザーあたり平均売上の低下を招くことを同社が予測していると警告している。

Facebookが最初に申請した際に本誌が指摘したように、同サービスはモバイルの収益化に関してまだその能力を証明していない。モバイルのニュースフィードへのスポンサー記事の表示は開始したが、ウェブほどの広告数をこの方式では表示できない。ウェブでは1ページに4~7件の広告が表示されていた。ただし場所がサイドバーであるため目立ちにくい。

広告を直接ニュースフィードに挿入することより、Facebookはサイトでもっとも中毒性の強い機能をいじることになる。もし広告が多すぎれば、ユーザーの訪問頻度は下がり、フィード閲覧に費やす時間が減る可能性がある。 会社として危ない橋を渡らざるを得ず、フィード内広告がどこまで許されるかをテストしているところだ。

ウェブではニュースフィード内の広告を控えめにしておくこともできるが、モバイルではこれが唯一の本格的収入源だ。Facebookは徐々にモバイルフィード広告の頻度を上げながら、ユーザーを慣らしていく必要があるかもしれない。コンテンツ上にバナー広告を貼りつけたり、すきま広告を強いしいる他のモバイルアプリと異なり、Facebookは押し付けがましさを減らした広告による、モバイルでの収益化を開拓しようとしている。残念ながら投資家たちは、自分たちの金が危険に晒されつつこの状況を乗り切ろうとすることに嫌気が差すかもしれない。

以下がS-1からの抜粋。重要な変更部分を太字にしてしてある。

14ページ:当社は現在Facebookモバイル製品の利用によって直接有意な収益をあげておらず、また当社がそれを成功裏に行う能力は証明されていない。当社はこのモバイル機器におけるFacebook利用の増加が、最近の日間アクティブユーザー数(DAU)が広告配信数より速く増加している傾向に寄与していると信じている。仮にパーソナルコンピュータを通じたアクセスの代替としてユーザーによるFacebookモバイル製品へのアクセスが増加し、仮に当社が当社モバイルユーザー向け収益戦略の実装に成功することができない、あるいは仮にこの取組みのために当社に過剰な出費が発生する場合、当社の財務実績および収益成長能力に悪影響を与えるだろう。

17ページ:「2012年第2四半期の現在までの経験に基づくと、第1四半期におけるDAUの広告配信数を上回る増加速度は現在も継続している。この傾向は、一つにはごく最近ニュースフィード中に微々たる数のスポンサー記事の表示を開始したモバイル機器におけるFacebook利用の増加、また一つには製品開発上の決定によりページあたり広告数を少なくしている一部のページ、によるものであると当社は信じている。これらの問題に影響を及ぼす可能性のある要因に関する追加情報については、「リスクファクター ― 当社の収益化能力が実証されていないモバイル製品における、パーソナルコンピュータ代替としてのFacebook利用の増加は、当社の収益および財務実績に悪影響を与える可能性がある」および「リスクファクター ― 当社の文化は、迅速なイノベーションを強調し、ユーザー・エンゲージメントを短期的財務実績に優先させる」を参照のこと

78ページ、制限付き株式(RSUS)関して:「2012年5月3日、当社は総計2525万7815株の制限付き株式を供与した。これら株式の適性価格は第2四半期中に決定する。仮に当社のクラスA通常株式の適正価格を、本目論見書の表紙に記載された価格範囲の中間点てある31.50ドルとすれば、供与された日付における適正価格の総額は約7.96億ドルとなる

RSUSの供与は、勤勉な従業員に対する見返りの役割を果たし、もしFacebookの株価が上がり、保有者たちが売るのを待っていれば、莫大な価値になる可能性がある。また、売却禁止期間が長期に設定されれば、従業員にIPO後も会社に残る動機を与える。このRSUS供与の意味についてKim-Mai Cutlerが詳しい分析記事を書いている。

Facebookの最初のIPOロードショーイベントの際、アナリストたちが特に懸念していたのは、モバイルへのシフトによってFacebookの広告事業がどう影響されるかであったと聞いている。S-1申請書でさらに透明性を追加したことは、Facebookが批判に対して正直になろうとする現れだ。問題を隠すのではなく、認識していることを示すことで、同社が解決方法を考えだすであろうという投資家たちの期待を高められるかもしれない。

[TechCrunch] Facebook’s Sixth Amendment to its S-1 Filing to IPO

[画像提供]:WatBlog

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(翻訳:Nob Takahashi)