オンライン支払いの革命児、Stripe.comとそのファウンダーの真相

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編集部注:このゲスト寄稿のライター、Derek AndersenStartupGrindおよびVaporware Labsのファウンダーで、以前Electronic Artsのエンターテイメント開発マネージャーだった。

Paypalは安全に支払いを受け付ける費用効率のよい方法を10年前に開発し、ウェブは劇的に変化したが、支払い方法は変っていない。そこへ登場したStripeは、今後数年間のうちに非常に影響力を持つと私が考える会社だ。最近のStartup Grindイベントで、私は24歳のアイルランド人の共同ファウンダー、Patrick Collisonをインタビューした。彼はSequoia Capital他から1800万ドルを調達している。Patrickが率いるのは、オンライン支払い業界を根本から破壊しようという会社だ。

背景

Patrickはシリコンバレーで最も価値のあるスキル一式を備えている。彼は技術の神童として数々の栄誉ある賞を受賞した。その一つであるアイルランド2005年「第41回若い科学者と技術展」は全国的な科学競技大会で、毎年同国有数の若き科学者数百人の応募がある。しかし彼はまたリーダー、CEOとしての個性と存在感も兼ね備えている。二人の兄弟も同じく印象深い。JohnはStripeの共同ファウンダーの一人である他、ハーバード中退でAuctomaticの初代エンジニアの一人だ。末弟のTommyは十代のブロガー兼ライターで、おそらく本誌編集部の誰よりもTwitterフォロワーが多い。

Y CombinatorとPaul Graham

Patrickは、文字通りY Combinatorの顔としての地位を持つ。彼らのウェブサイトで見られるように痩身で赤毛の男だ。MITに18歳で入学する一方、弟と二人でもっといいバージョンのeBayを作ろうと決意した。Y Combinatorに申請した後、二人はKulveer Tagger、Harjeet Taggarの兄弟と共にAuctomaticを設立した。彼らはサンフランシスコのアパートに移り、エンジェル資金を調達し、仕事を始めた。開業し、初期のユーザー基盤を作った後、会社はLive Current Mediaに買収され、ファウンダーたちはバンクーバーに移って同製品の開発を続けた。立ち上げから売却まで、同社の生存期間はわずか10ヶ月だった。Stripeも最終的にYCから資金調達した。

Patrickは、YCのファウンダーネットワークは最も価値ある財産の一つだと言う。「スタートアップを作っている他の人たちがいて、われわれがY Combinator同窓生だという理由で助けてくれる人たちがいることは、われわれにとって途方もない価値です」さらに彼は、YCで最大の強みは「Paulや他のパートナーたちが、とにかく優秀だということ。彼らが最高水準にあることは紛れもない」と言う。YCが扱う数多くの契約や会社に彼らの頭脳が加わり、そこから得られる具体的戦略的なフィードバックは他の追随を許さない。。

Paulのどこが特別か。Patrickによると、Paul Grahamが生み出す驚くべきアイディアとつながりは、他の投資家やアドバイザーにはとうてい真似できない。ではPaul Grahamがそれほど得意でないことは? Patrickに言わせると「彼は興味があるふりをするのが苦手」だ。

難問を解決する

私の知る限り「schlep blindness(面倒な仕事の無視)」の最も顕著な例は、Stripe、というよりStripeのアイディアだ。。過去10年以上、オンライン支払いを処理した経験のなるハッカーなら誰でも、その体験がいかに苦痛であるかを知っている。何千もの人々がこの問題を知っているはずだ。それなのに、彼らがスタートアップを立ち上げるとなると、レシピーサイトや、地元イベントの集約サイトを作ろうする。なぜ?なぜあまり誰も気にしないし誰もお金を払わない問題に取り組むのだろう。そこに世界のインフラストラクチャーにとって最も重要な部品を改良できるチャンスがあるのに。それはschlep blindnessが、人々から支払いシステムを改善するというアイディアを考えることすら奪い取っているからだ。おそらく、Y Combinatorに申し込むレシピサイト開発者の中に「支払いシステムを改善べきか、それともレシピサイトを作るべか」と考えた結果レシピサイトを選んだ人はいないだろう。支払いサービスを改善するというアイディアが目の前にあるにもかかわらず、それが見えないのは彼らの潜在意識がそれに関わる複雑さから避けさせているからだろう」

– Paul Graham, Schlep Blindness

JohnとPatrickは2010年初めにStripeの開発を始めた。閃きを得たのは、当時いくつかのサブプロジェクトに取り組んでいたPatrickが、ウェブで支払いを受け付けるのがいかに困難かと不平を言い続けていた時だった。二人はすぐに簡単な解決法を開発し、2週間のうちに最初の取引を処理していた。続く6ヶ月間、彼らはそれを友達に見せて使う様子を観察し、結果はできるだけ早く反映反復させた。

当初彼らは、この市場がどれほど大きいのか、彼らの目標である詐欺行為や米国外の支払いの問題にユーザーフレンドリーに対応することが、果たして可能なのか自信が持てなかった。はじめは支払い会社と提携したが、この体験全体をコントロールする唯一の方法は、プロセスのあらゆる部分をコントロールすることが必要だとすぐに気づいた。それで彼らはすべてを社内でやることにした。

2010年秋には、Stripeがフルタイムの仕事になった。その時点で当然彼らはこれを自費起業することを考えたが、支払いスタートアップには一種の組織的信用度が必要であり、それは一流投資家のみが持つものであるとすぐに気づいた。

「強風の中では七面鳥でさえ飛べる」

今Stripeに最も求められている機能は、米国外への対応であり、すでに取りかかっているらしいことを彼は言っていた。また彼らのチームは最近、急成長に対応するためにパロアルトからサンフランシスコに移転した。

これまでのところ同社の成長は完全に有機的だ。昨年秋に公式スタートするまで、100社以上のデベロッパーが待ち行列にいて、ほぼ口コミだけで伸びてきた。なぜStripeを聞いたことがないのか不思議に思う人に説明すると、彼らはSteve Blankの顧客開発プロセスに沿って、製品が正しいことを確認した時点でマーケティングを開始する計画だからだ。Kleiner Perkinsのファウンダー、Eugine Kleinerの言葉を引用すれば、「強風の中では七面鳥でさえ飛べる」。インタビュー全編はこちら

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(翻訳:Nob Takahashi)