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ソーシャルメディアでの影響度を計測してくれるKredがAPIを提供

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編集部:この原稿は高橋雄介氏による寄稿である。高橋氏はIndividual Companyの創業者でありCEOである。現在は彼は米国でのビジネスの立ち上げのために4月からサンフランシスコに滞在して、米国滞在で得た生の情報を執筆している。

ソーシャルメディア上での個人の影響力の尺度と云えばKloutを思い浮かべる人が多いのではないかと思う。けれど、同様の尺度は他にもあって、PeopleBrowsrの提供するKredがその1つだ。KredはPeopleBrowsrが2011年から提供を開始しているソーシャルメディア上での評価や影響度を示す指標だ。先週、PeopleBrowsrはKredがソーシャルデータを収集して分析している結果へのアクセスが可能なAPIの提供を開始した。About.meやVisual.lyもKred APIのデータを統合している。

PeopleBrowsrというスタートアップは、あまり聞き慣れない名前かもしれない。もしかしたら、2009年のこの記事を覚えている人は、「万能のTwitterクライアント」と紹介していたのを覚えているかもしれないが、いまではソーシャルメディア上のデータのマイニングを手がける会社へと変貌している。

Kloutが好きな僕にとっても、Kredはそれ同等かあるいはそれ以上によくできていると思う。Kredについて、PeopleBrowsrでKred部門を率いるKred CEOのAndrew GrillとDirector, APIのTravis Wallisが語ってくれた言葉も交えながら、紹介していこうと思う。

(1) まず、TechCrunch前編集長だったEric Schonfeldも以前にKredに関するこの記事で指摘していたけれど、KredにはKloutと違って「スコアの透明性がある」ということが挙げられる。たとえば、どのツイートがどのように貢献して、Kredスコアが形成されたのかといったデータを参照できる

また、より小さい、特定のテーマを持ったコミュニティーにユーザーを分類していて、Twitterユーザー全体の中での一般的な「影響」に関する測定をするKloutに較べて、そのテーマ毎の「信頼度」ともいえるKredスコアという指標を利用できる。

ちなみに、Andrew Grillによれば、Kredのスコアが500以上でアウトリーチが6以上の人は、全体で上位0.1%以内に含まれる影響力の強い人物」であるとのことだ。

Kredのサンプルスコア

Kloutのサンプルスコア

(2) 次に大量のデータにアクセス可能な点だ。これまでにも、ツイートの全リアルタイムデータが取得できるFirehoseによるTwitterのデータへの無尽蔵のリクエストは、TwitterのパートナーデータプロバイダであるDataSiftGnipを経由するなどして利用可能だったけれど、Kred APIを利用すると、同等のデータについて、解析済みのデータにアクセスすることができる。

Kredでは、2008年からFirehoseで取得したTwitterのデータを蓄積していて、1200日分の(解析済みの)データにアクセスできる。これに加えて、Facebook上のパブリックな投稿や4000万件以上のブログやフォーラムの記事にもアクセスできる。

そのため、ソーシャルメディア上での人の影響力を用いたアプリを作る際に、自社内で沢山のことをする必要がなくなる。ソーシャルメディアに接続したり、クロールしたり、大量のデータを蓄積したり、それを解析したりする必要がないのだ。さらに、クロールの際にTwitterのAPIに嫌われないように様々な工夫をする必要もない。

Kred APIを経由して、加工済みのデータがすぐに利用可能なのだ。ソーシャルメディアが社会的な情報基盤となりつつある今日、「Kred APIを使えば、人や、製品、ブランド、マーケットなどに関する集約されたデータや参加しているコミュニティーを牽引する影響力の強い人にスポットライトを当てたアプリやツールを瞬時に構築できる」(PeopleBrowsrのAPI担当ディレクターのTravis Wallis氏)。

(3) 最後は僕が特に好きな点だが、さまざまな視点からデータを取得できる点だ。

KredのCEOのAndrewによれば、「より分析的な形に加工されたソーシャルデータにアクセスできることが魅力」だという。すべてのデータが、リアルタイムでインデックス化されており、特定のトピックやキーワード、ハッシュタグ、プロフィール、他のユーザーとのインタラクション、位置情報、コミュニティーなどでフィルター済みなのだ。そして、これらをキーにしてAPI経由でデータを取得できる。Klout APIでは、ユーザー名を指定しないとデータを取得できないけれど、Kred APIなら、キーワードやトピックを指定して、影響力のある人を探し出せる。

これまでに、自社内でデータを大量に取得して、膨大なリポジトリーを構築し、インデックス化し、検索機能やAPIを実装してきた人や、Twitter APIへのアクセス回数制限等に悩まされてきた人にとっては、素晴らしいAPIとなるはずだ。実際に、Visual.lyはKredのAPIを使って取得したTwitterデータの分析結果を用いてインフォグラフィックを自動生成している。

いろいろ書いてきたけれど、KredとKloutという異なる指標で人物の評価ができるというだけでも、歓迎すべきことだ。受験生だって、複数の予備校が実施する模擬試験の偏差値を比較している。アプリやサービスを開発している人にとっても、Kred-APIでなにか面白いものがつくれるのではないかな。