失敗という選択肢はない:Kickstarterが失敗プロジェクトを隠す理由

次の記事

AnyPerkはどうやってできたのか―日本人初のY Combinator卒業生の半年間(後編)

Dan Misenerは、データマイニングの衝動に駆られ、Kickstarterの半分ほどのデータを集めて失敗プロジェクトを探した。彼は一つとして見つけられなかった。なぜか。Kickstarterが検索不能な塀の向こうに隠したからだ。確かにそれらは実在するが、Googleでも見つけることができず、Kickstarterのブラウジングシステム”Discover”にも決して現れない。

それは彼らにとって良いことなのだ。

一般的な意味で、Kickstarterはマーケットプレイスではない。EtsyやeBayやAmazonのように、売れない商品がヒット商品の隣に置かれている場所ではない。そこは、むしろ競争の場だ。アクセス数、現金、そしてメディアの注目を巡る競争だ。これはフリーマーケットというより犬の品評会であり、一次審査が終わった後は醜い犬をステージに残さない。

Misenerが発見したのは、一言で言えば、Kickstarterが成功あるいは成功に近いプロジェクトだけを表に出し、失敗を隠しているということだ。例えば、Instaprintは失敗した。そしてこれを検索するとKickstarterの元のコンテンツは一切表示されない。”norobot” されているのだ。

一方GTarは、生きて元気にやっている

Shadowrunも:

つまり、2万6000だかの検索可能なKickstarterエントリーの中に、一つとしてクズはない。

彼の名誉のために言っておくと、Misenerはこれに激怒していない。しかし、群衆の英知の源の一つとして、Kickstarterの失敗は成功と同様に重要である。変数は殆どなくても構成の種類は多ので、プロジェクトXが失敗して、プロジェクトY ― プロジェクトXの順番を入れ替えただけ ― がヒットしたのには理由がある。

彼がこう書いている。

ほんの数分見ただけで、KickstarterのトップページとDiscoverページがハイライトしているのは、現在資金募集中のプロジェクトか資金調達に成功したプロジェクトだと気づく。ビジネス視点からこれは完全に理にかなっている。Kickstarterのビジネスモデルでは、成功したプロジェクトから5%を受け取る。失敗を見せることは彼らの関心事ではない。

ジャンクプロジェクトを壇上から消すことは十分にKickstarterの権利の範囲内だ。これてサイトはフレッシュで活気にあふれた状態に保たれる。どうしようもないiPod Nanoストラップたちの墓場は誰も望まない。とは言うものの、失敗したプロジェクトをそこまで記憶の彼方に追いやるのは少々やり過ぎだ。失敗に学ばない人々は、結局またダメなiPadスタンドを作る運命にある。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi)