AppleのCM戦略:ジョン・マルコビッチ、Siriを使う

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Appleは「有名人Siriを使う」シリーズのCMを続けている。今度は有名人ジョン・マルコビッチを連れてきて、旧世界の厭世観の気配を少々加えた。早い話が、携帯電話のロックを解除せずにモーニングコールを設定する方法を延々と説明するわけだ。このCMはマルコビッチが、映画「ホステル」の汚らしい場所より上等な家とおぼしきところで、美味しい肉料理と人生の意味に思いを巡らす。

こういうセレブたちが登場する意味が私にはよくわからないが、結局はブランド認知に有効なのだろう。Siriはギーク向けではない ― かつてBlackBerryを愛したような人たちのものだ。Siriはそれなりの安心と、経営幹部を魅了するそれなりの技術、そして有名スーパースターを暗示させる。要するに、決して言い返さず、決して昇給を要求せず、決して愚痴を言うなと要求しない、かわいい秘書だ。

このCMでマルコビッチを選んだことは、一見奇異に感じるが実は理にかなっている。昨今のマルコビッチファンは、インディー映画好きで、皮相的なポストX世代経営幹部で4Sに少々余分な出費ができる程度には大人だが未だに売り込まれることを警戒する人々だ。似たようなターゲティングは、サムエル・L・ジャクソン(メンサのすぐ下のレベルでアドベンチャー・アクション好きのギークでメイス・ウィンドゥの剣を覚えている)や、ズーニー・デシャネルという選択で時流に乗ったヒップスター層を捕らえるケースにも見られる。これをさらに古い世代にあてはめていくと、ベティー・ホワイトか多分レオナルド・ニモイの出るCMまで予言できそうだ。

こうしたCMが性格に合わないと想う人は、以前に戻ってあの「Mac vs PC」のCMを見ることをお薦めする。二人の印象的な顔はあのCMシリーズと切り離すことができない。ジョン・ホッジマンを見て ― たとえ生意気なちょび髭をはやしていても ― ジャスティン・ロングの引き立て役になったあの哀しい使い古されたPCを思い出さずにはいられない。

かのiPodのCMが優秀だったのは、誰もを、あのしなやらなダンサーのようにジェットの曲に合わせて踊れるような気にさせたからだ。新しいCMシリーズは、特定の消費者たちが自分たちを特定の典型的人物像に重ねあわせるよう仕向ける。Appleはファンを包括的に受け入れているのと同様、いまだにどっちつかずの人たちをセグメント化して、一人ずつ直接語りかけていくことが重要だ。

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(翻訳:Nob Takahashi)