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アメリカはすでにイランと戦争していた!: サイバー兵器Stuxnetワームの一部始終

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The New York TimesがDavid Sangerの優れた記事で、われわれ全員の疑念を確証した: やっぱり合衆国は、イランの核濃縮事業に関わるマシンをターゲットとする強力なワーム、Stuxnetを展開していたのだ。

オバマ氏は攻撃の加速を決定した。ブッシュ政権時代にOlympic Gamesというコードネームで始まったその攻撃計画は、2010年の夏にプログラミングのエラーにより全世界が知ることになったにもかかわらず、継続されていた。そのプログラミングエラーによりワームは、イランのNatanzプラントから漏れ出てインターネットに乗り、世界中に広まった。コンピュータセキュリティの専門家たちは、合衆国とイスラエルが共同開発したこのワームを、Stuxnetと名付けて研究を開始した。

2011年にホワイトハウスの軍縮と大量破壊兵器担当調整官のGary Samoreが、“イランの遠心分離器が故障したことは喜ばしい。合衆国と同盟国は彼らを攪乱するためにありとあらゆることをしている”、と述べて、ワームなどの存在を匂わせた。しかし、Natanzの工場から漏れて世界に広まったワームはこれまで、未知のサードパーティによる希少で効果的なサイバー攻撃だと思われていた。

ワームは、工場の“5000台の遠心分離器のうちの1000台”をダウンさせた。“これまでは爆撃や、秘かに設置した時限爆弾などでしか不可能だった破壊行為を、合衆国が単なるコンピュータコードで達成し、しかもそのために他国のインフラをサイバー武器で繰り返し攻撃したのは、これが初めてであろう”、とSangerは書いている。

この、大失敗と呼んでもおかしくないミッションには、見るべき点が二つある。ひとつは、サイバー戦争が今現実に起きていることだ。このワームがセキュアな核施設を遮断できるのなら、インターネットと施設の内部ネットワークとのあいだに“エアギャップ”があるとはいっても、われわれ全員が危険にさらされることは間違いない。原子炉が爆発したり、航空機が墜落するといった、目に見える危険のことではない。ぼくが言う危険とは、たとえばある種の特殊な調査研究が、政治の力のせいでやりにくくなることだ。いや、政治がどうであれ、今のわれわれは、国のセキュリティの名の下にある国が他国に、終わることのない策略を仕掛けることができる、という時代に生きているのだ。

もうひとつの視点は、今回の攻撃によって、サイバー戦争が無関係な第三者に付随的損害をもたらしうる、と分かったことだ。ワームが施設からインターネットに流入したことが示しているのは、どんな細心の計画でもドジることがありえる、ということだ。政府関係者が、これは中性子爆弾なみの万能兵器だと信じていても、しかし完璧な兵器技術というものはありえない。しかも今は、ふつうの人間の多くがネットワークに依存して生活している。クローズドな(はずの)ワームがエアギャップを飛び越えてしまったという今回の事件は、今後万人に迫るであろう一般的な危険を意味している。一般人からの被害者の発生は、時間の問題だ。

サイバー戦争は肥大している。兵器に利用されるコンピュータ/ネットワーキング技術は、そのほかの大量破壊技術などよりもさらに一層の、賢明で慎重な取り扱いが必要ではないか。

[画像: Ludvig/Shutterstock]

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))