コードは書けないけどひとりで起業するあなたへ

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編集部注:Undripの創業者で最高経営責任者(CEO)のMick Hagen (@mickhagen)による寄稿記事。昨年Cheggが買収したZinchの創業者でもある。詳しくはMickHagen.comへ。

2011年の夏にUndripを始めたとき、わたしは問題を抱えていた。自分自身はウェブとグラフィックデザインで育ったので、フロントエンド領域ではかなりできる開発者であり、デザイナーだった。だが、開発のバックエンドに関する知識は皆無だった。ループや条件分岐、ディクショナリ、関数といった概念は未知の世界だった。コードを書けない状態でひとりで起業したのだ。

逆境に立ち向かう

たくさんの起業家から日々メールが届く。その内容はこれまでどうやってきたのか、そしていまどんな風に仕事をしているのかという質問で、技術的スキルがほとんど/全くないがテクノロジー分野で起業しようとしている人から寄せられたものだ。前進できないことにストレスを感じ、たいていは諦めるか失敗するか、資金に余裕があればアウトソースするか(この場合も失敗することが多いが)だ。

そんな条件に当てはまる人が起業して成功する確率はほぼゼロだ。だが、それでも可能性はある

インスパイアなくして存続なし

デザインや開発の技能がない場合にそれを補える技能は一つしかない。その技能を学び、しっかり実行できるようにならなければならない。その技能とは、ひとをインスパイアすることだ。

続けていけるかどうかは、参画する作り手たちをやる気にさせ、説得し、納得させる能力で決まる。これが唯一の可能性だ。一人ではやれないことをやるわけだから、一人でやろうとするのはよくないし、そうしようとも思わないだろう。

言うは易く行うは難し

技術的バックグラウンドを持たない起業家のなかには、あり得ないほどのカリスマ性があり、感じよくしていればビジョンに共感して皆がついてくるという人もいる。そういう人は才能ある人たちを引き込むことができる。クリエイターや開発者がチームにいてくれる限りは、戦いを続けられる。彼らに見合う株式を(しっかり)提供しよう。雇われスタッフではなく、ビジネスオーナーになってもらおう。彼らがいてくれなければあなたのアイデアには価値がない。そのことを受け入れよう。

ビルダーになる

わたしは去年の夏をコーディングの勉強にあてた。StackOverflow.comやgithub.com、IRC、グーグルといったサービスと四六時中向き合って過ごした。わたしの初歩的な質問につきあってくれる友人もいた。そのかいあって、Undripの初期版をほぼ独力で作れた。生きている間になかなかないほどの業績だったと思う。去年の夏が終わる頃には、何でもやれるような気持ちになれた。貴重な経験をした。

でもそれは一人でやれるようになるとか、百万人規模のユーザーに対応する大規模なウェブアプリを書けるようになるとかいう話ではない。実際にできあがったのは数十人程度を収容できるサービスだ。大事なのはインスピレーションだった。デモンストレーションをして、知的刺激を提供し、一緒にやってくれる人を募りたかったのだ。

握手とスマイルも大事

コーディングを勉強していた去年の夏、あらゆる機会を見つけてエンジニアと会うようにした。Pythonプログラマが集まる場やハッカーイベントに行き、近隣のPythonエンジニアを探した。一緒にやってくれないかと誘うためではない。人的関係づくりと、彼らの言葉(PythonとPythonで書かれたウェブアプリフレームワークDjango)で話せるようになることが目的だった。たくさんの人と話す機会ができ、小さな街のスターバックスまで車を飛ばして話し合ったりした。インスピレーションは人とのまじわりから生まれることが多い。

金で買えないものもある

仲間を増やせない場合、追い銭を入れて業務委託で人を雇いたくなるかもしれない。だが、それでうまくいくことはほとんどない。わたしは学生時代フリーランスで仕事をしていたが、その頃は報酬を最大化したい、とられる時間は最小化したいと思っていた。長期的な観点から考慮してもらえることはないのだ。彼らはジプシーだ。オーナーシップとコミットメントのない仕事を頼むと、結局はさらに資金と時間と心労をとられることになる。期限までに仕事が終わっても、実際には開発は終わっていない。バグフィックスや機能の微調整に金を出すことになり、どんどん金が出て行く。

早晩共感してくれる人を招き入れたいと思うようになるだろう。パートナー、ビジネスオーナーとなる存在を必要とするはずだ。プロダクトの維持管理を行える人材がいるのであれば、ちょっとした仕事で業務委託を頼むのは決して悪いことではない。

道は一つだ

つまるところ、前に進む道は一つしかない。人をやる気にさせて巻き込むのだ。コーディングやデザイン、闘争心を身につけることはできるし、多くのことをやれるようにもなれる。だが、それらはすべて、あなたという人とあなたのビジョン、製品を信じてもらうべく人に訴えかけるという最終目的への手段でしかないはずだ。あなたと荒波に向かっていこうと思ってもらえる強さのある訴えでなければならない。

これはものすごく難しいことだ。まともな考えじゃないし、そんなことはなかなか起こらない。だが、不可能なことではない。みなさんがうまくいくことを祈っている。

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(翻訳:AOL翻訳編集部)