Google、地図の大幅リニューアルを発表:スマートフォンでオフライン利用が可能に、新3D表示など改良多数

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今朝(米国時間6/6)、サンフランシスコで行われたプレス・イベントでGoogleは地図関連プロダクトの大幅なバージョンアップの予定を発表した。

Googleアースの3Dマップが大幅に改良され、モバイル向けGoogleマップにはオフライン・キャッシュ機能が追加される。オフライン機能は近々Android版でリリースされるが、将来は全プラットフォームに提供していくとしている。ユーザーはGoogleマップの地図の一部分をデバイスにダウンロードしてオフライン状態で利用することができるようになる。

Googleによればストリートビュー撮影車はこれまでに延べ500万マイル〔800万キロ〕を走行し20ペタバイトの画像を収集したという。Googleのストリートビュー担当エンジニアリング・ディレクター、Luc Vincentはストリートビュー撮影用機材一式をバックパックに収めることに成功したと発表した。この徒歩でストリートビューを撮影する装置はストリートビュー・トレッカーと呼ばれる。

GoogleのPeter Birchによれば、簡単な3D地図に建物を加えるようにできるようになるまでかなりの時間がかかったという。2008年にGoogleが直面した問題は 3Dデータの質が情報源によってまちまちだという点だった。Birchは「大いに改良の余地があった」と言う。

現在、Googleは3Dモデルを作成する際には45度の角度から撮った空中撮影画像をベースとしている。コンピュータ画像生成テクノロジーの進歩によってGoogleはGoogle Earthの古い3Dシステムを引退させ、この新しい3D画像を利用することになる。会場でのデモを見た限りでは新3D画像は驚異的という他ない。新画像は近くAndroidとiOSデバイスに導入される。Googleではこの新しいテクノロジーが今年末までに3億人のユーザーに提供されるだろうと期待している。

Googleはリリースの時期について名言を避けたが、今日の発表が行われたのは、Appleが来週に独自の地図サービスを発表しようとしているという噂に対する先制攻撃の意味あいがあるのだろう。

Vincentはストリートビューの歴史を振り返り、Googleの最初期の撮影トラック(当時は乗用車が使われていなかった)はあまり出来がよくなかったと述べた。現在ストリートビュー撮影は乗用車と人力三輪車(一部ではスノーモビルも)によって行われている。今回バックパック式システムが加わったことで撮影可能な場所は大幅に拡大することになる。

プレスイベントの冒頭でGoogleマップスのエンジニアリング担当副社長、Brian McClendonは「その昔、シリコン・グラフィックスが初めて地形の3D表示を見せてくれた時代からわれわれははるばる来たものだ」と感慨を口にした。しかしこのテクノロジーが一般公衆の目に触れるようになったのはKeyhole社が2001年に創立され、2003年にCNNがこのテクノロジーを採用してテレビ画面に3D表示を映し出すようになってからだった。ちなみに、GoogleはKeyholeを買収したのが2004年だった(24時間で即決したという)。

GoogleはKeyholeを買収した頃(KeyholeはGoogle Earthとなった)、すでにGoogleマップの開発を進めていた。McClendonによれば、Googleは「完全性に対して常に偏執的」な傾向があるということで、ローンチの時点ではGoogleマップがカバーしていない国が多かったが、あらゆる情報源から可能な限りデータを取得してカバー地域の急速な拡大に務めたという。

2006年にGoogle Earthをリリースした後、継続的にデータの取得に努力してきた結果、Googleは現在地球全体の75%の高精細度画像データを保有している。ストリートビューもいまや南極を含む全大陸に拡大されカバー範囲を日々増やし続けている。

GoogleはGround Truthという独自の地図製作プログラムを数年前からスタートさせておりストリートビュー・データから道路や地番の標識を読み取り、地図やカーナビに利用している。

McClendonによれば、地図データが正しいかどうかを確認する作業は今でも難問だという。根本的な問題としてプレートテクトニクスによる大陸の移動のために複数の測地システム間に不整合が生じることさえあるという。Googleはストリートビュー画像からさまざまな企業や店舗の情報を抽出する際に人力で正確さの確認を行なっているという。Googleのユーザー参加型地図制作ツールのMapMakerも大いに活躍している。Googleは南アフリカとエジプトに加えて、今後数週間以内にニュージーランド、オーストラリア、その他10カ国にMapMakerを導入する。

Google Maps for Goodプロジェクトのエンジニアリング担当マネージャー、Rebecca Mooreは「Googleマップは人道上の危機に際してNPOにも有効活用されている」と述べた。Googleがこのプロジェクトをスタートさせたのはハリケーン・カトリーナがニューオーリンズを襲って大被害を与えたことがきっかけだった。Googleはこのプロジェクトを、たとえば、アマゾン川流域の部族の生存と文化を守るため、その部族固有の居住領域を地図上で確認する作業などに役立てている。 

世界的に地雷除去の努力を重ねているNPO、Halo Trustも地雷除去済みの区域と残存地雷の危険性が極めて高い区域の情報を今日からGoogleマップに提供、表示するという。

Appleに対する先制攻撃

Googleは今回のプレスイベントで、Google MapsおよびGoogle Earthに画期的リニューアルが行われることを発表した。一方Appleは近くiOSデバイスの標準地図をGoogleマップから独自サービスに置き換えると噂されている。噂によればAppleの新地図は見事な3Dモードで表示されるということだが、もちろん詳細は一切確認されていない。今回Googleが地図サービスのリニューアルを発表したのは偶然ではあるまい。来週と予想されるAppleの発表に対する先制攻撃だろう。

この点
ついて質問されたMcClendonは「われわれはGoogleマップを誇りにしており、今後もできるかぎり多くのデバイスに提供していく考えに変わりはない」と述べた。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+