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ゲーム専用機は自然死を迎えるか?–今年のE3にその兆候を見る

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今年のE3では、その三大プレスイベントでも、そして会場でも、今および近未来の新しい技術動向の中におけるコンソール(ゲーム専用機)の立ち位置を、心配する声が聞かれた。そもそも、今年のE3はPCゲームへの贈り物である、という前噂まであったし、FPS(一人称シューティングゲーム)の元祖と言われるJohn Carmackも、こんなことを言っている(彼は仮想現実の住人だから本物の現実には疎いかもしれないが):

“コンソールゲームは変わるだろう。今後はどんなデバイスの上でもゲームはクラウド化し、これまでのようなコンソールは、今のオーディオファンなどと同じく、過激な経験を求めるニッチな人びとのものになるだろう。”

この発言を、そんなアホなと言って一蹴するのは簡単だが、でも実際はどうだろう。彼は、ハードウェアとしてのコンソールは、ハイエンドのターンテーブル…もちろんCDではなくLPレコード用…のような高級(&高価)オーディオ製品の道を辿る、と言っているのだ。われわれ下層民はクラウドに接続されたPCで人気ゲームを楽しむが、“ピュアな”経験を求める人たちはゴールドマスターディスクと強力なコンソールに数千ドルを投じて、プレイにのめり込む。一般向けのゲームが物理メディアから完全に離婚するというこの説は、極端だけれども、あり得ないことではない。

しかし、長期的にはそうでも、短期的にはまだ見るべき物がある。たとえば、噂のSteamコンソールだ。このデバイスもゲームのクラウド化を象徴する一端だが、しかし噂が正しければ、ゲーム専用機というより、リビングルーム用のPCに近い製品だ。

そして、この点に問題がある。技術の進歩と変化は速くて、どんなに技術マニア的なゲーマーですら完全には追随できない。そんな時代において専用機は、どんどんアップグレードできるPCや、OnLiveのようなシンプルなストリーミングサービスに、リビングルームという戦場において勝てるのか? 子どもたちが、彼らの成長と並行して成長するプラットホームの上で、多数のゲームを楽しんでいるとき、親はわざわざWii Uを買ってあげるだろうか?

コンソールを買う理由は、いろいろある。フランチャイズタイトル、安定したプレー、メディアストリーミングなどなど。しかし今のコンソールは、すべての機能が平均点的で、傑出したものが何もない。たとえば、コンソールのコントロールはデベロッパにとってもユーザにとっても、キーボード+マウスよりは安定性が良くて使いやすい。でも、それが、今後とも売れる理由になるのか? たしかにXboxはテレビの領域を食っているが、でもあれは、本当にMicrosoftの経営に貢献しているのか? Microsoftの社員全体としても、コンソールでゲームをしたい人より、ふつうにテレビを見たい人のほうが多いだろう。彼らはいつも、チャンネルを500も切り換えたあげくに、おなじみのバラエティ番組に落ち着いてしまうのだ。

今年のE3がコンソールのお通夜だった、と言うつもりはない。しかし明らかなのは、ハードウェアのメーカーたちがすでに、今の世代のハードウェアの自然死を予感していることだ。来年もSonyやMicrosoftは新しいコンソールを展示し、発売予定は2014年か2015年とか言ってそそろうとするだろう。でもぼくが心配するのは、ハイエンドのゲーム専用機がリビングルームにおいて、HDのDVD同様に場違いな珍品になってしまうことだ。技術はどんどん進歩する。しかし消費者が期待しているのは、単なる技術進歩ではないかもしれない。

[画像: Kesipun/Shutterstock]

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))