iOS 6のオート・レイアウトは大画面iPhone到来を意味しているのか

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WWDCのキーノート講演は新iPhoneに関する言及が一切ないまま終わったが、だからといって人々はAppleの最近モバイル巨人への思いを巡らすことをやめはしない。Apple幹部は壇上の時間の殆どを最新バージョンのiOS紹介に費やし、今やここでもここでもここでも、一つの開発者向けの地味(だが有用)な新機能が、大画面付きiPhoneがやってくることを意味しているのではと言われている。

オート・レイアウトと呼ばれるその機能は、キーノート中iOS SDKのスライドで簡単に触れられていたが、殆どの人々がSiriの改訂とおしゃれな新マップアプリに気を取られて注目しなかった。果たしてこれはiPhone熱狂者たちが息をのんで待ち焦がれているものの決定的証拠なのだろうか。

まず背景から見てみよう。オート・レイアウトを使うとデベロッパーは、UI要素が画面上でどう表示されるかを定義する〈制約セット〉を作ることができる。通常の「springs and struts」方式の位置決めと異なり、オート・レイアウトではこれらの要素を一定の優先順位に従って移動させることができる。「あるボタンの左端は常にもう一つのボタンの右端から30離れている」という具合だ。

オート・レイアウトがAppleの開発ワークフローにとって新しいものではないことも注目する必要がある。これはOS XにLionリリースとともに導入され、今年早くからXcodeの新しいCocoaプロジェクトの標準位置決め方法になっている。

それはそうとして、新しいiPhoneとどう関係するのだろうか。

開発者はUIデザインのプロセスを簡素化できる。しかしオート・レイアウトを利用するメリットはほかにもある。私が話したある開発者は、Appleが解像度の異なるモバイルデバイスを提供するためには、オート・レイアウトは「間違いなく必要になるもの」だという。

Local MindのiOS開発責任者、Nelson Gauthierも同じ考えのようだ。WWDCの前にGigaOmに対して、OS Xに見られるオート・レイアウトのシステムはiOS開発者の「フォームファクターの移行」を楽にすると伝えている。

これらを信じるなら、オート・レイアウトは来るべき解像度の異なるiPhone向けにアプリを準備する開発者にとって、すばらしいツールになるかもしれない。適切な制約を課しておけば、オート・レイアウトを使ったアプリを大画面に対応するための変更はさほど追加の時間と労力を要しないだろう。さらにこの機能によって、これまで画面サイズに関してなんらかの仮定をしてアプリのUIを設計してきた開発者は、差し迫ったiPhone発表に遅れることなく製品を出荷することが簡単になる。

しかし確固たる証拠はない。オート・レイアウトを利用することの利点は、アプリを他の市場むけにローカライズを考えている開発者にとっては特に多いだろう。AppleはWWDCのキーノートで中国を主要なターゲットだと言っていたし、WWDCの多くのセッションでオート・レイアウトがアプリのローカライズを簡単にする方法として紹介去れていたと私は聞いている。例えばオート・レイアウトを使えば言語の異なるバージョンのためにUIをいじる際に要素を大きい文字や小さなナビゲーションアイコンを使えるように制約をかけることができる。

それだけではない。オート・レイアウトはアプリが横位置から縦位置に変わる際の処理や、画面トップに通話表示バーをどのように表示するかにも役立つ。しかしオート・レイアウトはUIデザインの一部を簡易化するものではあるが、魔法のような自動化プロセスとほど遠い。ある開発者の言葉を引用しておく。「iPhoneアプリのxibファイルにオート・レイアウトを追加してiPadですばらしく見えるようにできるとは思わない」。

オート・レイアウトが大画面iPhone発表間近の明確な予兆であるか否かの判定はまだ下せない。とはいえオート・レイアウトの加入はいい知らせに違いない。ある開発者がこう言った。「オート・レイアウトは異なるデバイスのサポートにとって十分条件でも必要条件でもない、しかしもしAppleが4インチiPhoneを出すつもりなら、これを提供しないのは狂気の沙汰だ」。

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(翻訳:Nob Takahashi)