Siriを開発したSRIの最新プロジェクト、銀行アシスタントLola

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私はたった今、SRI Internationalでのミーティングを終えてきたところだ。ミーティングでは、SRIと国際金融グループBBVA双方の代表者が、ここ数年間の協働の成果を誇示していた。

SRIは最近では、Siriを開発し、分社して最終的にはAppleがそれを買収したという話題でよく知られる研究機関だ。そしてAppleは今、iPhone上でSiriの機能を提供している。SRIとBBVAは新たなプロジェクトLolaで協働しており、Siriに続けと売り込みを図っている。SRIのInformation and Computer Sciences部門のバイスプレジデントであるBill Markは、このプロジェクトを「次世代の個人秘書」と呼ぶ。

この事例では、個人秘書の技術は特定の業種、銀行業に応用されている(銀行業は偶然にも、Siriの共同創業者で前CEO、Dag Kittlausが、バーチャル個人秘書の未来における可能性についてTechCrunchに寄稿した際、彼が挑戦を仕掛けた業界の一つであった)。BBVAチーフイノベーションオフィサーBeatriz Lara Bartolomeは、LolaはBBVAに実在するスペイン国内マドリードの販売員にちなんで名付けた、と話す。彼女の成績は他の誰よりもはるかにすばらしく、BBVAの研究者が彼女にその成功の秘訣をインタビューした時、彼らにとって最も印象的だったのは、顧客に対する彼女の情熱と熱意だった、ということであった。

つまりこのプロジェクトは、バーチャルLolaを作ろうというものなのだ。

「数年内に、みなさんは銀行を大好きになるでしょう」とBartolomeは断言する。

デモでは、SRIの人がBBVA Compass(同社の米国支社)のウェブサイトを訪れた。すると、チャットウィンドウが開いた。ウィンドウには「話す」というボタンがあり、実演者はそこをクリックして、彼のローンの次回の支払額について要求を告げていた。Lolaはそれに答えていた。続いて彼は、支払期日について要求をし、回答を得た。また彼は、定期住宅ローンを設定し、最終的には、口座に14ドルの取引があるか確認する手助けをLolaに依頼した。後で、14ドルちょうどの取引がなかったことを彼は知るのだが、Lolaは要件に近い取引履歴として5ドルのものがあったと指摘した。

課題自体は比較的簡単に思えるかもしれないが、最後の取引は少なくとも、銀行のウェブサイトに存在する機能ではなく、おそらく銀行の窓口のような実際の人間から受ける類のものだ、とBartolomeは話す。また、印象的なのは、会話が比較的自然であることだ。ウェブサイトでチャットボットの経験がある人や、カスタマサービス用電話の自動メニューを使った人ならば、その通りにしか表現されない、非常に限られた単純な指示を、通常は行い続けなければならないことを知っていることだろう。

一方、Lolaを使えば、実演者は、複雑な課題(住宅ローンの毎月の支払い)を設定することがほんの一文で可能になる。また、Lolaは異なった指示による文脈を理解した。つまり、実演者がローン全体の残高を尋ね、その後、「違った、住宅ローンだ」と言うと、秘書は、彼が先に話したことを訂正していることに気づき、彼にローンの残高を答えたのだ。実演者が、質問(「送金希望額はおいくらですか」)に対して彼自身の質問(「未払いはどれくらいあるかな」)で返しても、Lolaは仮想の目をパチクリとさせることもない。彼女は彼の質問に答え、そして彼はそれまでの仕事に戻れるのだった。

裏側で行う処理では、Lolaは理解と推論双方を働かせることを必要とされる、とMarkは話す。つまり、「この言葉の意図するところは何か」を理解する必要があり、次に、その意図を満足させる最良の方法を判断する推論を働かせることが必要とされているのだ。将来的には、Lolaはより賢く、より先を見越せるように、例えば、手数料がかかりそうになった場合に注意を促したり、経済的に改善が見込める変更をおすすめしたりするようになるだろう、とMarkは話す。

BBVAは今後数カ月間実地トライアルを行う予定で、「できるかぎり早く」Lolaの商用版をローンチするのが目標だ、とBartolomeは話す。そして、このことは、カスタマサービスにとって恩恵であるのが明らかであるだけでなく、それ以上に重要な意味を持っている、とBartolomeは言う。世界では、人口の4分の3以上が携帯電話を持っているのに、銀行口座を持っているのは10億人に満たない、ということは、Lolaは、「銀行と取引のない人々」に金融サービスを提供する重要な手段と成りうる、と彼女は言うのだ。

BBVAの事例を超えたアプリケーションが登場する可能性もある。同社はLolaについて、現段階では「けっこうな差別化要因」ととらえている。しかし、この技術を他の銀行にライセンス供与することも将来的にはありえるという。また、SRIのベンチャー事業部門のバイスプレジデントNorman Winarskyは、SRIには「コアエンジン」があり、それを他の業界に応用することも検討している、と話している。

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