楽天が電子ブックリーダーkoboで電子書籍事業を開拓する

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楽天が電子ブックリーダーkobo touchの提供を今月19日から開始することを発表した。予約はこちらのページからすでに行える。販売は「楽天市場」、「楽天ブックス」と家電量販店で行い、大手書店にも実機に触れられるデモスペースを用意する。kobo touchは昨年楽天が買収したKoboが提供しているイーインクの電子ブックリーダーで、Kobo社はすでに190カ国にで利用できる電子書籍サービスを提供している。

kobo touchの特徴として上げられるのはまず端末の計量感と価格だ。重さ185g、薄さ10mmと軽くて小さくジャケットのポケットにも入る大きさだ。容量は使用できるメモリが1GBで約1000冊をダウンロードして持ち運べる。microSDにも対応しているので容量は問題ないだろう。気になる価格だが楽天は挑戦価格として7,980円と発表した。なぜこのような低価格で提供するのかという質問に対して楽天代表取締役会長兼社長の三木谷浩史氏は「収益はもちろんだがマーケットを拡大するのが重要であり、端末で大幅な利益を上げるのではなくまずはマーケットを拡大したい」と回答している。

もちろんこの答えの通りマーケットの拡大という狙いがあるとは思うが、日本でも電子ブックリーダーの提供を開始するAmazonのKindleの価格を視野に入れての判断だろう。日本での販売価格は発表されていないが、米国ではkobo touchのライバル製品であるKindle Touch(広告付)が99ドルで提供されているので、ほぼ同価格となる。Kindle Touchと比べるとディスプレイのサイズは6インチで同じだが全体的にはkobo touchの方がやや小さく30グラムほど軽い。

次に注目すべきは電子書籍ストア「koboイーブックストア」だ。冒頭でも述べたがKoboは190カ国でサービスを提供しており日本語以外の言語を含めると提供している電子書籍の数は240万冊を越えている。AmazonのKindle storeでは約100万冊である。これは海外の本を読みたいユーザーにとって有益なだけでなく出版社の側からしてもリーチできるユーザーが増え魅力的なプラットフォームといえるだろう。

日本の漫画は欧米の本屋に数多く置いてあるしファッション雑誌もアジアではかなりの人気を得ている。しかし、日本には豊富なコンテンツがあるにもかかわらずそのほとんどが日本の国内に閉じこまっているのでkoboを通して日本グローバルに展開していきたいと三木谷氏はいう。koboイーブックストアで購入したコンテンツはkobo touchだけでなくPCやタブレット、スマートフォンにアプリをインストールすることで同じ本を読むことができる(近日対応予定)。コンテンツフォーマットはEPUB 3.0を採用していて、koboイーブックストアでは楽天スーパーポイントを使用でき、可算もできる。

KoboにはReading Lifeという独自の機能があり自分が読んだ本の履歴、読書量、読書をする時間帯などが把握でき、これらの情報はFacebookと連携してシェアすることができる。Facebookと連携している電子ブックリーダーはkobo touchだけだという。他にも条件に応じてバッジが付与されたりゲーム的な要素も加えられている。

将来的には日本語のコンテンツを150万冊の提供を予定しており、この数字は出版社が協力的なこともあって現実的であるという。ソニーが提供しているReader Storeでは日本の書籍が数万冊しかないのでソニーは対応が必要になるだろう。また、日本では自費出版のサポートに関しては詳細な日程は決まっていないが対応する必要性が出てくるだろうとのこと。売上目標に関して具体的な数字は聞くことができなかったが、カナダとアメリカの数年前は電子書籍マーケットがゼロだったのに対し、今では新刊のうち数十パーセントを獲得しているので日本でも同様の流れが見込めるのではないかという。なお、現在提供されている楽天イーブックストア(Raboo)については今後何らかの形で統合していくそうだ。

実際に端末を触った感想だが、ハードウェアに関しては見た目やフィット感が良く片手で持っていていも疲れず良い印象を受けた。ソフトウェアは書籍を読んでいる際にスワイプすると次のページが表示されるのだがめくれる感覚がなくフェードアウト・フェードインでページが変わるのでiBooksに慣れている方は最初に違和感を覚えるかもしれない。