Foursquare、Connected Apps(「接続されたアプリ」)にて位置関連「ソーシャル・ネットワーク」としての新ステージへ

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cling13タイミングが悪かったかもしれない。テック系の業界人はGoogle I/Oに夢中になっていたのではないかとも思える。しかしそのような状況の中、位置関連ソーシャルネットワークを展開するFoursquareが、聞き捨てならない重要情報をアナウンスしていた(未来派眼鏡を付けたスカイダイバーほどのインパクトはないかもしれないが)。発表されたのは開発者向けプレビューで、Foursquareが次世代への進化とアピールする「Connected Apps」だ。Foursquareの内部でさまざまな機能を実現する(エクスペリエンスを提供する)アプリケーションを構築できるようになる。イベントや事件などで注目を集める「場所」をベースとして他の人とつながっていくことができるわけだ。Foursquare自体は位置情報系ソーシャルネットワーク向けのプラットフォームとして機能するようになる。

プラットフォームとしての今後をアピールした今回、機能の紹介だけに留まらず、いくつかプレビューパートナーとしてのサービスも同時に紹介された。プレビューパートナーとして参加したサービスが、Foursquare内で展開するサービスを発表している。たとえばソーシャル上での友だちの居場所を探すSonarは、どこかにチェックインした際、友人が近くにいると通知してくれる。Weather Channelは空港にチェックインした際、地域の天気予報を教えてくれる。以下に、プレビューパートナーとして登場したアプリケーションを掲載しておこう。

  • Eat This, Not That – Men’s Health Magのアプリケーションで、レストランにチェックインするとおすすめ料理とやめておいた方が良いものを教えてくれる。
  • Untappd – おすすめビールを教えてくれる。またFoursquareから簡単にバーにチェックインできるようになっている。
  • Sonar – ソーシャルネットワークの利用状況などから利用者の興味を分析し、近くに面白そうな人物がいるかどうかを教えてくれる。
  • Snoball – チェックインすることで寄付を行うことのできるサービス。また友人たちが寄付をした際にも通知が表示されるようになっている。
  • Foodspotting – オーダーすべきおすすめ料理についての情報を共有することができる。
  • GroupMe – GroupMe上のともだちとのチェックイン情報の共有が簡単に行える。
  • Blue Legends – ルフトハンザ関連施設にチェックインして何らかのサービス利用権を獲得した際に通知をしてくれるサービス。
  • Instagram – Foursquare上でInstagramの写真を共有することができる。
  • Path – Pathから写真やメッセージを共有して、タップした際にPathに移動するような使い方ができる。
  • The Weather Channel – 1日の中で最初にチェックインした際、ないし都市間を移動した際に天気予報を通知してくれる。

チェックイン新体験

Foursquareはその立ち位置をチェックイン自体からローカルにおける情報発見やレコメンド機能などに移してきていて、そのためのリニューアル作業なども行なってきた。そのような中で、今回のプラットフォーム化の動きは理にかなったものと言える。チェックインすることで、利用者に「新たなエクスペリエンス」を提供できるようになるわけだ。つまり、チェックインすることにより、その場所に関連した情報をお気に入りアプリケーションから通知してもらえるということになる。これは利用者に「チェックイン」を行わせる新たな動機付けになるかもしれない。メイヤー争いやポイント、ないしバッジなどの魅力は色あせたと言っても過言ではあるまい。友人からの情報が即座に集まってくるというのは、将来もらえるかもしれない割引クーポンの魅力などよりもはるかに利用者を惹きつける魅力となりそうだ。こうした動きによってまたチェックイン数が増えてくるということになれば、Foursquareは人々および情報が集まってくるがゆえに提供できるレコメンドサービスとしての魅力を高めていくことになる。

ところで、アプリケーション作成者側にとってのメリットというのはなんだろうか。Foursquareは、これまでもAPIを提供してきており、サービス内容を利用できるという意味では既にプラットフォームとして機能していた。そのFoursquareが真の意味でプラットフォームとして機能するようになるのだ。利用者はFoursquareを使いながら「接続済みのアプリ」メニューからアプリケーションを利用することができるようになる(しばらくは利用者に対して周知をはかっていくべきだろう)。Forsquareを活用して、新たな利用者層を獲得できることにもなるわけだ。

さらに、Foursquareと連動することで、アプリケーションを「思い出してもらう」きっかけになるかもしれない。実際のところ、iPhoneやAndroidにインストールされたアプリケーションの多くは、しばらく使ってもらったあとはスマートフォンの肥やしになってしまうこともあるようだ。しかしFoursquareと連動することで、適切なタイミングでさまざまな通知を利用者に届けることができるようになる。つまり利用者が必要とするタイミングでビール、フード、ないし近くにいる友人の情報についての通知が届くようになるわけだ。こうして、アプリケーションが利用者の役に立ち、OSレベルのプッシュ通知を使うよりも押し付けがましさのない、適切なタイミングでの通知が行えるようになる。

アプリケーション発見エンジンとしてのFoursquare

アプリケーションプラットフォームとして進んでいく場合、既存のアプリケーション利用者の満足度を高めるのみでなく、新たな利用者獲得に繋がるという側面もある。アプリケーションから送られる通知自体は利用者本人に対するものではあるが、そこから利用者がアプリケーションを使えば、その事実は他の人にも伝わる(Facebookで言うところのニュースフィードのFoursquare版にメッセージが流れるわけだ)。そこで友だちの使っているアプリケーションが気になれば、友だちのメッセージをクリックして自分でもアプリケーションを入手してみることができる。また、連携アプリケーションを使ったメッセージを見る場合に、ローカルに当該アプリケーションがインストールされていなければならないということはない。利用しようとサインアップする場合にも、Foursquareから離れることなく実行できるようになっている。

ところでサインアップの方式についてだが、現在のところは従来のネイティブアプリケーション同様にFacebook経由でサインアップさせるようになっているものもある。しかしFoursquareも、より高速で便利な独自認証システムを提供している。アプリケーション経由で公開されているメッセージをタップすると、Foursquareから離れることなく詳細情報を見ることができるようになっており、またアプリケーションストア経由でネイティブアプリケーションをダウンロードすることもできるようになっている(現在はAndroidとiOS版のみでサポートされているが、BlackBerryとWindows Phoneでもこの機能は実装される予定だとのこと)。アプリケーションがインストールされている場合には、処理は当該アプリケーションに引き渡されることとなる。

外部アプリケーションとの連携は「アプリケーションのウェブ」実現に繋がるものだと言える。アプリケーションが相互に連携することにより、単独で閉じられた世界から脱出して世界と繋がり続けることが可能となる。もちろんモバイルアプリケーションを連携させるという世界に向かって進んでいるのはFoursquareに限ったことではない。Facebookも同様の方向性を持っているわけだ。Facebookはさまざま方法で、アプリケーション発見エンジンとしての機能も高めてきている。ただ単純に同じ方向を目指すのでは、Facebookの規模には対抗できない。Foursquareとしてはモバイルとローカルを結びつけたソーシャルの場に自らのテリトリーを構築する必要があるだろう。Facebookは人々のネットワークであるが、Foursquareは位置情報に関連するネットワークを目指すというところだろうか。ゲーム的魅力にさほどの訴求効果がなく、またクーポン情報などの提供も利用頻度を高めることにあまり効果的でないような感じだ。そのような中、位置関連のソーシャルサービスを目指すという選択肢は、確かにあり得る方向性であると思える。

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(翻訳:Maeda, H)