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企業のレガシーシステムとモバイル/Web環境を結ぶバックエンド屋Kinveyが$5Mを調達してグローバルへ

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メッセージング戦争に登場した最新の武器、非永続的データアプリ

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TechStars出身のKinveyは、新たにWebやモバイルに対応しようとするユーザ企業の、システムやサービスのバックエンド部分を、SaaS的なbackend as a service(BaaS)として提供している。同社はこのほどAvalon Venturesが仕切りAtlas Ventureらが参加するラウンドにより、シリーズAで500万ドルを調達した。シードラウンドは昨年の8月で、その調達額は200万ドルだった。

Kinveyが志向しているのは、各企業の既存のソリューションに最新のIT技術を結びつける“糊”の役目だ。企業が既存のシステムを今のWebやモバイルの時代に合わせて衣替えしようとするとき、いちばん悩むのが面倒なバックエンド部分だ。今日(米国時間7/11)ベータを脱するKinveyは、その開発/提供の代行をサービスする。

backend as a serviceという言葉を聞いたとき、一瞬、いかがわしいと思ったが、でも納得できた。それは、ユーザである企業がいちばん悩む部分を自動化するサービスだ。だからユーザから見れば、バックエンド構築の骨折り仕事から解放される。そのためにはもっぱらAPIを使うが、Kinvey自身がさらにいろんなクラウドサービスを統合しているのでAPIにありがちな遅延はない。デベロッパはKinveyのiOSやAndroid、それにJavaScriptのライブラリを使ってRESTfulのアプリデータストアやCDNの下にある大きなファイルストア、プッシュノーティフィケーション、サードパーティの関心ポイントデータへのジオクェリ(位置クェリ)、モバイルのアクセス分析、バックエンドのバージョニング、ユーザ管理、データレベルのプライバシー、セキュリティを伴うアクセス制御、などなどにアクセスする。

Kinveyは、企業ITのおかしな側面をあぶり出す。レガシーな彼らのところには古いクライアント/サーバ環境があり、そのサービス指向のアーキテクチャを次世代のアプリと統合することは、デベロッパにとってチャレンジだ。なにしろ、データはファイアウォールの向こうにある。しかも統合のお相手は、RedHat JBOSS、SAP Netweaver、Oracleといった“蛸壺”たちだ。

新世代の企業サービスはAPIをじゃんじゃん使う。いったん動き始めればそういうシステムはエレガントだが、しかしデベロッパには、そういうAPIを使おうとするたびに、毎度同じバックエンドの仕事が発生する。とくに、インフラを現代化して多様な複数の疎結合の環境を、場合によっては今年で15歳にもなるシステムにフィットさせようとすると、仕事は猛烈に複雑になる。そのような環境を今ふうの、ソーシャルとか位置対応、プッシュといった機能と統合する仕事は、とてつもなくたいへんである。しかも、Google PlacesやFoursquareや、Urban Airshipのようなプッシュ環境…これらとの統合に使えるのはモバイルAPIだけだ。AWSのようなIaaSやそのほかのPaaSたちが提供するものも、そのAPIと背後のライブラリだけだから、それで間に合わないものは自作しなければならない。

これらすべてを、“まともに”やろうとしたら、数か月、そして数十万ドルが必ず消えるだろう。

Kinveyが開発したバックエンド環境は、そういうばらばらの環境を糊付けしてくれる。クライアントとクラウドを統一的なAPI(+ライブラリ)で一体化する。画像やビデオのためには、バックエンドのデータストアが提供される。

“うちは、お客さんのところのバックエンド開発チームだ”、KinveyのCEOでファウンダのSravish Sridharはそう言う。

それはいつも、大仕事だ。多様きわまりない顧客の環境に、その都度対応しなければならない。Sridharによれば、同社は昨年、情報をアプリとバックエンドとのあいだで行き来させるためのコアなデータサービスを1年がかりで開発した。しかしそれが今では、バックエンドのデベロッパが必要とするものの約80%に対応できる。残り20%も、このやり方でやっつけていくつもりだ。

Kinveyは今回の資金の大半を、全世界的なデベロッパコミュニティの構築に充てるつもりだ。バックエンドの諸環境を結びつける“サービスリンク”は、そのためにオープンソース化する。目標は、今後さらにデベロッパが作ったものを、オープンソース化して蓄積していくことだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))