デスクトップからWebアプリを簡便に操作できるUbuntu Web Apps–車や携帯でも欲しいね

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ぼくの場合は、ブラウザのタブは3つか4つぐらいしか開いていない日が多い。GmailとTwitterとGoogle Readerと、それらのどれかにあったリンク、これで4つだ。でもぼくが知ってる人たちの中には、いつも2ダースかそれ以上のタブを開いている人も何人かいる。しかも一日中。毎日。彼らはどのタブがGmailだったか見つけるのに苦労し、やっと見つけたのにメールは来てない、というかったるい生活に慣れている。彼らは、Last.fmのストリームをポーズするだけのために、途方もない数のクリックをしなければならない。Webアプリの氾濫によって、彼らの仕事の時間はずたずたに分断されている。

CanonicalのLinuxディストリビューションUbuntuは、次の12.10から提供する”Ubuntu Web Apps”で、この状況を改善するつもりだ。それは一連のFirefoxプラグインを使って、Webアプリと通常のデスクトップ環境(Ubuntu Unity)を統合する試みだ。

たとえばブラウザでGmailを見ていると、Firefoxはそれをアプリとして登録するか尋ねる。イエスと答えると、デスクトップのアプリランチャの列の中に、Gmailのアイコンがふつうのアプリのように現れる。そして、新しいメールが来たらデスクトップに通知が表示される。その後もふつうにブラウザからGmailへ行くことは可能だが、こうやってWeb上のメールが通常のデスクトップアプリと同格に並んでしまうと、一発でメールへ行けるから非常に簡便だ。

音楽ストリーミングサービスLast.fmを、こうやって‘一見ふつうのアプリ化’してしまうと、音量をデスクトップの音量コントロールで変えられるようになる。またLast.fmに対するそのほかの制御も、デスクトップ上のウィジェットでできる。Last.fmを開くまではブラウザ上で行うが、そのあとのコントロールは完全にデスクトップ上でできる。

Canonicalでクライアント製品を担当しているPete Goodallに、Web Appsについて話を聞いた。最初の質問は、“なぜこんなものを?”だ。ブラウザのタブが面倒だ、というユーザが抱える問題を知ったからか、それともCanonicalが独自にイノベーションとしてやったのか。Goodallは、半々だ、と答えた。Ubuntuのユーザは多すぎるタブに悩んでいるが、Canonicalのデベロッパたちも同じ悩みを解決したいと思っていた。デベロッパたちも日常的にタブをたくさん使うようになり、自縄自縛に陥っていた。

次に聞いたのは、なぜアプリケーションではなくFirefoxのプラグインのようなはんぱなものを使ったのか。もちろん、専用のアプリケーションからは操作できないWebアプリもあるだろう。しかしGoodallがぼくにあらためて思い出させたのは、プラットホームやブラウザの違いをすべて吸収して全ユーザに同一の体験を与えるWebアプリの力だ。Webアプリのデベロッパは、そういうユーザ体験を作りだすためにたいへんな苦労をしているから、その上に別のアプリをのっけて別の体験を作りだすのは無意味である。アプリはそのままブラウザに残し、必要な制御の部分だけをデスクトップに統合する。それがUbuntu Web Appsのねらいだ。

Goodallによると、Ubuntuのチームの長期的な目標は、このような、デスクトップとの役割の分有を、Webアプリケーション全体の標準にすることだ。もちろんWeb Apps用のプラグインも、今後改良していく。デスクトップとの統合をWebアプリの標準アーキテクチャにすることは、とても小さな工事しか要さないから、難題ではないはず。しかも統合が必要なのはデスクトップやラップトップだけでなく、タブレットや携帯電話、それに車内インタフェイスにも、Webアプリのより簡便なコントロールが必要だ。Ubuntuの連中は今、開発努力をその方向に向けている。すなわちUbuntu Web Appsがもたらす便益は、今後いろいろなプラットホームに浸透していく。

Goodallが説明するUbuntu Web Appsのもう一つの長期的な目標は、Webアプリと一般のアプリケーションとの自動的な認証関係だ。たとえばLinux上には写真管理アプリShotwellがあるが、このアプリからFacebookの自分のページに写真を載せようとすると、認証を手作業で行う必要がある。そのほかのアプリケーションでもいちいち、その手間が必要になる。

今Ubuntuが取り組んでいるのは、Facebookに一度ログインしたら、その認証がキャッシュされ、どのアプリケーションからでもスムーズにFacebookにアクセスできるようになることだ。個々のアプリケーションがいちいち、認証作業をしなくてもよい。この話を聞くとAppleのKeyChainを思い出すが、Ubuntuが考えているのはあくまでも、Webサービスとデスクトップアプリケーションとの橋渡しだ。

ぼく自身は今現在、Ubuntu Web Appsのようなものを緊急には必要としていないが、でもデスクトップとWebブラウザとの、お互いの長年の“別世界”的(無)関係が有意義に解消するのは嬉しい。Microsoftはかなり前にActive Desktopというものを出したが、ブラウザとデスクトップの統合が深すぎてトラブルが多かった。Ubuntu Web Appsは具体的なドメインごとに専用のプラグイン(GmailならGmail用)を使うので、ユーザにとってセキュアでロバストな、そして使いやすいソリューションになるだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))