プラットホームクラウド(PaaS)がアプリストア的になるべき理由

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アプリストアというモデルは、最初はHandangoのような企業が始めて、その後Appleによって普及した。今ではそれは、デスクトップからポストPCのデバイスに至るまで、いろんなもののソフトウェアの最良の配布方式として好まれている。クラウドでも、いわゆるsoftware-as-a-service(SaaS)の部分では、Google Apps Marketplaceの例に見られるようにアプリストア方式の採用が見られる。しかし、今のところまだないのは、アプリストアのようなインタフェイスでユーザがコンポーネントを選べるplatform-as-a-service(PaaS)だ。

エンタプライズソフトウェアの世界では、SaaSのアプリケーション市場が、それぞれのコンポーネントが一つのことだけを上手にやる“ベストオブブリード(best of breed, 最良の組み合わせ型)”のソリューションと大型スイートとの区別を無意味にしつつある。ベストオブブリードのソリューションに与しないのは難しい。なんといってもそれらのコンポーネントは、自分のやるべきことをもっとも上手にやるからだ。しかし大企業には、統合や購買プロセスなどとの絡みで、単一のバンドルを採らざるを得ない理由がある。でもアプリストアモデルなら、特定のスイートを標準製品として採用しながら、いくつかの機能を拡張したりリプレースできる〔実質、ベストオブブリード的になる…後述〕。たとえばJiveとYammerは共に、アイデア管理アプリを含むソーシャルなコラボレーションスイートだが、どちらにもアプリのマーケットプレースがあって、アイデア管理のソリューションとして競合製品のSpigitUserVoiceをインストールできる。

PaaSではまだこういうことができないが、でも必要とされていることは確かだ。最近DeployConで、PaaSプロバイダはバイキング方式と一品料理方式のどちらが良いか、というパネルの司会をしたことがある。NodejitsuがNode.js専門であるように、一つの特定のスタックだけが得意なPaaSプロバイダにもそれなりのメリットはあるが、そのパネルの一般的なコンセンサスは、市場はバイキング型プロバイダの方を向きつつある、というものだった。一箇所で同じツールで複数のスタックを使えるPaaSプロバイダを選ぶことには、数え切れないほどのアドバンテージがある。

PaaSプロバイダたちはいくつかの方法で、ベストオブブリードの逆説から抜け出ようとしている。Engine YardはOrchestraを買収することによってPHP PaaSを品揃えし、内製を免れた。Cloud FoundryとOpenShiftはオープンソースのコミュニティとお近づきになることによって、サポートするそれぞれのスタックのベストオブブリードな実装を作ろうとしている。でも結局のところ本当に最良の実装は、複数のプロバイダに分散しているのが実情だろう。HerokuやdotCloud、Active State Stackatoなどはそれぞれ、特定のコンポーネントのベストバージョンということになるのだろうが、でも結局のところ、プロバイダは一つしか選べないのだ。

こういうことだから、アプリストア型のクラウドが待望される。どこかのパブリックなPaaSにサインアップして、コンポーネントはいろんなのを選べるとしたら、どんなに便利だろう。PaaSはCloud Foundryを使ってるけどJavaに関してはOpenShiftのスタック、Node.jsに関してはNodejitsuを、それぞれボタンをクリックするだけで使えたら、どう? それは複数のPaaSの統合ではなく、一つのメインのPaaSの中のコンポーネントであり、サポートはベストオブブリードのプロバイダから受ける。そうするとデベロッパたちがスタックのベストアーキテクチャとベストの構成をめぐって競争するようになるだろう。エンドユーザは、それらの中からベストを選べばよい。メインのPaaSプロバイダはもちろんセキュリティやリソース効率に腐心しなければならないが、ここで述べたような未来の状況はPaaSを、そう、より本当のプラットホームに変えるだろう。

いずれそうなる、という証拠はある。PHPFogはすでに、さまざまなアプリケーションやフレームワーク用の、ユーザが選べる“ジャンプスタート集”を揃えている。WordPress用、Drupal用、Cake PHP用などなど。しかしAppFogのCEO Lucas Carlsonが最近見せてくれたオープンジャンプスタート(Open JumpStarts)は、それを使うとサードパーティのデベロッパがいろんなフレームワークや言語用のカスタムスタックを作って提出できるという、近未来のプロジェクトだ。

もうすぐAmazon Web Servicesからも、これが出てくる。Elastic BeanstalkAWS Marketplaceは、ファンダメンタルな(基本的な)コンポーネント集を提供する。BitnamiCloudSmithも、この市場に入ってくるだろう。さらにPuppet LabsOpscodeの構成リポジトリ(コンフィギュレーション…configuration…リポジトリ)も、この方向に向かうステップと見なせる。

アプリストア方式により、ベストオブブリードがPaaSの現実的なソリューションになり、既存のサポート形式には大刷新の地震が襲うだろう。

写真: Martin L / CC

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))