不注意歩行(ながら歩行)による事故は4倍増。歩行中の携帯端末利用は制限すべきなのだろうか?

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images (5)APの記事によると、ドブに直進して落ちてしまったり、あるいは走っている車、ないし歩いている人の前にふらふらと飛び出して衝突事故を招くような事態がこの7年で4倍にも増加しているのだそうだ。歩きながらも電子端末を操作する人が増えていることが原因だ。「ちゃんと前を見なさい。ドライバーもいつも歩行者に注意を払っているわけではありません」(Look up. Drivers aren’t always looking out for you)と、デラウェア州の交通標識にはそんなものまで登場したそうだ。ほとんどの地域で「不注意歩行」の罰則化については反対意見が多く、多くの州で行政側は注意を喚起するマナー広告を掲示するようになってきている。インターネットにも不注意歩行が喚起したドジ話がいろいろと投稿されている。たとえば大きなクマに突進して自ら食われてしまいそうになった男の話などもある(下のビデオ)。2010年の統計でもこうした不注意歩行による死亡事故が4.2%増加したという数値があり、問題視されるようになってきている。

Consumer Product Safety Commissionによると、昨年、約1,152人の人が緊急治療室に搬送されているのだという。電子デバイスに夢中になって事故にあう話には滑稽なものもあるが、かなり悲惨なものもある。いくつか例を引いてみよう。

  • 24歳女性がテキストメッセージを書きながら歩いていて電柱に激突。
  • 12歳少年が通りを横断中もゲーム機を操作していてピックアップトラックにはねられてしまった。
  • 53歳女性がテキストメッセージを書きながら歩いていて敷石に躓き、顔に大怪我をおった。

フィラデルフィア当局は携帯端末をいじりながら歩く人の注意を惹こうと、エイプリルフールに「電子端末利用者優先歩行レーン」(e-lane)というものを作ってみた。しかしこの冗談はさらなる冗談のような現実によって仕返しされることとなった。「エイプリルフールも終えて、このe-lane表記を取り去ろうとしたのです。すると歩きながら電子端末を使っていても、人が前から割り込んでくることがないe-laneを無くすんじゃないと、真剣に怒る人が出てきてしまったのです」と交通局のRina Cutlerが語っている。

NBC Philadelphia

法律家たちも罰則を科すことには否定的だ。ソルトレークの交通局でも、電子端末をいじりながら路面電車の線路を横断した場合に50ドルの罰金を科すという法律を立案したことがある。しかしこれは議会に認めてもらえなかった。法制化を行うことが、ただちに安全性の向上に繋がるのかどうか疑問であるというのが反対の理由だった。

たとえば、ある調査によると運転中の会話を禁止したところ、逆にテキストメッセージのやり取りが増えてしまったという例もあるのだそうだ。但し運輸長官のRay LaHoodは異論を述べており、多くの米国都市における運転中の携帯端末利用率は38-68%も減少していると述べている。

携帯端末をいじりながらの歩行は増えていく一方だ。禁止することが安全性向上に繋がるのだろうか。何か有効な手立てはあるのだろうか。あるいはGoogle Glassesが、安全な歩行中電子端末操作を可能にしてくれる日がくるだろうか。

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(翻訳:Maeda, H)