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連邦型Webは言うは難く行うは易し–ネットの全ユーザが自分のドメインネームを持つことから

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Twitterが今週初めにジャーナリストGuy Adamsのアカウントを停止した件は、Twitterに代わるもっとオープンなシステムの必要性をめぐってここ2週間ほど沸き立ってきた議論を、さらに前進させるべき契機だ。TwitterはAdamsのアカウントを復活したが、同社の行為はそのような代替システムが重要である理由を示している。それは、デベロッパにもっと多くのAPIツールを与えることではない。それは、インターネット上の言論の自由のために、自律性と自己回復力のあるシステムを構築することだ。

Dave Winerも指摘しているが、必要なものはすでにほとんど揃っている。またOS Bridgeで行われた“インディーなWebを作ろう”パネルで指摘されたように、必要な素材はブログの草創期からある。要するにユーザ一人々々が自分のドメインネームを持つ。バックアップも自己責任でとる。するとユーザは、あるホストから別のホストへと移動でき、複数の、それぞれ完全に異なるブログシステムを渡り歩くこともできる(パーマリンクが混乱するだろうが)。ユーザがホストのドメインネームでなく自分のドメインネームを持てば、メールも同じ状況になる。こういう、根本的に変貌したインターネットのことを、“連邦型システム(federated systems)”と呼ぶ人たちもいる。〔訳注: 連邦(federation)という言葉について: たとえばアメリカ合衆国は連邦であり、それを構成する独立したエンティティが“州”。連邦型インターネットでは、構成要素たる独立したエンティティはもちろん“個人”だ(“企業”やそのほかの“組織/団体”のこともあるか…)。〕

ぼくが関心を持つのは、連邦型のインターネットを作ろうとするいろんな計画だ。FreenetCrptosphereのような“ダークネット”(darknet)があり、ワイヤレスによるミニ・インターネットProject Meshnetがある。このようなプロジェクトは、ほかにもまだまだ、いろいろたくさんある。しかし、比較的自由な国に住んでいるわれわれの場合は、インターネットの上で誰もが、自分のポータブルな(可搬性のある)アイデンティティを保有するだけで十分だ。ドメインネームの個人保有、なんて言い出すとギークっぽく聞こえてしまうかもしれないが、でもそれは、みんながプログラミングをしろとか、各自が自分のLinuxサーバを構成しろ、という話ではない。たいていのものは、従来どおりの既存のホスト任せのサービスで間に合う。ただし有事のときには、荷物をまとめてそこから抜け出すことが、できなければならない。

今のTwitterに代わるオープンなシステムを作るために必要なものは、新たな標準規格ではない。Dave Winerが言うように、マイクロブログネームスペース(名前空間)によるRSSPubSubHubbubActivity Streamsなどがすでにある(アップデート: おっと、oStatusを忘れてた)。必要なものは、自己が自己をホストするシングルユーザのTwitterクローン、そしてそれらが、こういったフォーマットでメッセージやコンテンツをパブリッシュできることだ(オプションでTwitterなど既存のソーシャルネットワークにプッシュできてもいい)。彼が先週書いた、Twitterに代わるシステムに関する記事で言っていたのは、こんな考え方だと思うが、彼はそういうものを作るために使える既存のツールを熱心に論じていて、われわれが本当に必要とするものは何か、に関する議論がお留守になっていた。それを今ぼくが簡単に言うなら、新たにコードを書いて作るものではなく、パワーユーザたちがその気になれば比較的簡単迅速に動かせるもの、サーバの構成操作などは最小限ですむものだ。マイクロブログのWordPress、か。

たしかに、StatusNetなどTwitterクローンはすでにあるが、しかしそれらはグループのための非公開Twitterだ。ここで述べているのは、各ユーザが自分のドメインネームを持ち、自分のフィードをコントロールできるシステムだ。そういうものが、すでに一つある。でも、そのPageCookeryは、中国語のサイトだ。もう一つのやり方として、StatusNetを自分で動かし、自分がサーバ上の唯一のユーザになることがある。WordPressのマイクロブログテーマも、いくつかあるが、あまりすっきりしたソリューションではなさそう。できればPHPでない方がいいが、でも、くそ、PHPは何でもできるし、デベロッパでない人でもPHPのアプリなら日用品的なWebホスティングの上で動かせる。

しかしそういう個人が、どうやってソーシャルするのか? そのやり方はブログと同じだ。通知にはpingbackやtrackbackが使える。インディーWebのパネルで誰かが、ソーシャルネットワークの元祖はブログロール(blogroll)だ、と言った。しかも、ブログロールでソーシャルなリンクを張るときのためのミニ規格すらある。

さらに重要なツールは、これらのツールが作りだすアクティビティストリームを実際にすべて読む方法だ。いわばそれは、マイクロブログ/アクティビティストリームフィードのGoogle Readerだ。WinerのRiver2がすでにあるが、マイクロブロギングのツールに組み込みであるともっとよい。Live JournalやTwitterやTumblrなどのサービスがメジャーになった理由の一つは、自分のソーシャルストリームと自分が寄与貢献する手段がすべて一箇所にあることだろう。これを正しく設計〜実装することが、難関の一つだ。

これがうまくいった場合には当然、ホスト提供のサービスバージョンが登場するだろう。(ブログの場合の)BlogspotやWordPress.comみたいなやつ。大いにけっこう。よそでホストされているフィードを取り込めて、そしてあくまでも自分のドメインネームを自分のIDとして使えるのなら、ホスティングサービス大いにけっこうだ。

あまりにも突飛な考え方だろうか? かもしれない。オープンソースで自分でホストできるtumblogは何年も前からあるが、TumblrやPosterousからそっちへ移行した人はあまりいない。それに自分のパーソナルなマイクロブログをTwitterに配信できるだけでは十分ではない。Twitterを読んだりリプライしたりする同じ場所から、Twitterにポストできるのがいい。

でも昔々は、誰もが自分のWebページを持つという考えを述べても、誰も相手にしなかった。しかし今や、wikiの発明者で最近よりすっきりとした連邦型wiki(federated wiki)を作ったWard Cunninghamが、ちょっと前にあるインタビューでぼくに語ったところによると、Facebookの会員は全員が自分のWebページを持ってるそうだ。ぼくのささやかな願いは、それがもう一歩だけ、さらに前へ進むことだ。まず、パワーユーザたちから。そしてデベロッパたちはすでに(上で述べたように)正しいツールの構築に真剣に打ち込んできた。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))