OpenGLの新規格がリリース, モバイル用はセンサーとグラフィクスの連動を重視

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Khronos opengl es

今日(米国時間8/6)のSIGGRAPH 2012で、OpenGLの規格を策定している非営利団体Khronos Groupが、OpenGL 4.3とモバイル製品用のOpenGL ES 3.0のリリースを発表した。OpenGLにはモバイルとデスクトップ向けにさまざまなバージョンがあり、iPhone、Android、各種ゲーム専用機、デスクトップのオペレーティングシステムなどいろいろなプラットホームで高度な3Dグラフィクスアプリケーションを開発するための、主な標準規格の一つだ。OpenGL作業部会にはAMD、Intel、ARM、NVIDIA、Broadcom、Apple、Google、Nokia、それにゲームデベロッパのEpic、EA、Unityなど、多くの有力企業が参加している。

OpenGL ES 3.0はES 2.0と互換性があり、サポートするハードウェアにより厳しい要件を強いることによって、プログラマの仕事をより楽にしている。この新規格はまた、OpenGL 3.3と4.xの機能の多くをデスクトップからモバイルに持ち込んでいる。中でも最重要の機能の一つが、新たなテクスチャ機能によりより良いテクスチャ圧縮(ETC2とEACの規格も含む)がもたらされ、また、インスタンスレンダリング、オクルージョンクェリ、トランスフォームフィードバックなど、いくつかのハードウェアアクセラレーションの機能がモバイルに導入されたことだ。

OpenGL ES 3.0: 美麗なモバイルゲームと電池の長寿命化

なお、現状では複数のデバイス向けの複数のテクスチャセットを一つのAPKにまとめるデベロッパが多い。しかし今度からは、同じ資産をモバイルとデスクトップ両方で使用でき、また同じ機能がスペックの一部になる。圧縮機能が改良されたためパッケージは相当小さくなり、ダウンロードは速く、そしてアプリケーションのメモリ使用量も小さくなる。

[モバイルデバイスにおける3D APIの利用, 青=OpenGL]

Khronos Groupの理事長Neil Trevett(NVIDIAのモバイル担当VP)によると、このことはユーザにとって今後は、モバイル製品の上でもフレームレートの高い魅力的なゲームやアプリが期待できることを意味する(Microsoft固有のDirect Xを使っているWindows Phoneを除く)。デスクトップとモバイルの表現力の格差は縮まりつつあるが、Trevettによれば、今回のモバイル向け新規格はグラフィクス機能の強化だけでなく、電池の長寿命化にも意義がある。

デスクトップに関しては、NVIDIAは今日からすでに対応ドライバを提供開始したが、モバイルに関しては新機能の実装が遅れる傾向がある。Khronos Groupは年内中にパフォーマンステストをリリースし、互換デバイスが出るのはそのあとになろう。

[ASTC圧縮]

グループは今日、新たなAdaptive Scalable Texture Compression (ASTCTM) LDRエクステンションの、OpenGL ESとOpenGL用の仕様を発表した。これによって、さらに高度なテクスチャ圧縮がOpenGLにもたらされる。当面、この新しい圧縮方式はエクステンションとしてのみ利用でき、その提供開始は今日からだ。

OpenGL 4.3

Khronos Groupが今日ロンチしたOpenGL 4.3は、デスクトップ向けだ。これの力点はパフォーマンスの向上におかれているが、これまでなかったエフェクトもいくつか導入されている(たとえば多種類のぼかしなど)。またデベロッパは自分のOpenGLのスキルを利用してシェーダを計算し、OpenCLの知識がなくても多くのタスクをGPUへオフロードできる。このことはユーザにとって、デベロッパがより良い物理性やAIシミュレーションをゲーム中にプログラミングでき、しかもCPUをそのために酷使しないことを意味する。

[OpenGL 20歳の誕生日…当時と今]

OpenVL: ビジョンとセンサー処理のための新規格

OpenGLのほかにKhronos Groupは、人気上昇中の3D資産COLLADA用の新仕様と、ビジョンとセンサー処理のための新APIをロンチした(よりおもしろいのは後者か)。最近のモバイル製品は各種のセンサーから入力が得られるので、その処理はグラフィクスの高度化に負けないぐらい重要である。今回の新しい規格は、デベロッパに、拡張現実アプリなどにおけるこれらのデータの容易で統一性のある使い方を与える。このOpen VL APIの主な目標は、センサーデータのリアルタイム処理に基づく、モバイルと組み込みシステムにおけるリアルタイムのビジョンアプリを可能にし、デベロッパが今日のような限定的なARアプリを克服できるようにすることだ。

Khronosはまた、複数の企業と協力してモバイルデバイス上のセンサーデータにアクセスするための新しい規格(StreamInput)を開発中だ。

[ARにおけるKhronosのAPIの利用例]

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))