初のWebSocketデベロッパフレームワークRealtimeが大金$100Mを調達–“ライブWeb”の時代へ

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[筆者: Sarah PerezとKlint Finley]
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Realtimeは、ここではどの辞書にも載ってる一般名詞ないし形容詞ではなくて、特定のテクノロジの商標名だ。これを開発した企業はインターネットの初期からあり、Googleで検索するのは難しいと思われる“Internet Business Technologies”という名前だ。同社は今日(米国時間8/7)、リアルタイムWebなるものを構築するための資金として、大枚1億ドルを調達した。同社が提供するデベロッパフレームワークにより、すでにおよそ2000のリアルタイムクライアントアプリケーションが動いているが、しかし今日までそれらは、合衆国の外だけだった。

しかしながら、社歴3か月のサンパウロのVC、BRZtechからの今回の投資により、Realtimeのデベロッパプラットホームは今日から合衆国で立ち上がる。なおBRZtechにファンドを提供しているのは、ヨーロッパと南アフリカの個人投資家たちとポルトガルの投資機関The Ongoing Groupだ。

“ディスラプティブであれるために自分には何ができるか?”、CEOのAndre Parreiraは数年前、こう自問した。それは彼の会社をどうやって国際展開するか考えていたときだ。“インターネットはよく見ると30年前のプロトコルで動いている。それは今でも、静的なリクエスト/レスポンスが基本パターンだ。だからインターネットは、その宣伝文句に反して、本当に対話的な体験を与えることができない”、と彼は言った。そこで彼は考えた: “じゃあ、ライブなWeb…live Web…を作ろうじゃないか”。

それが、Realtimeの目標であり、同社はライブなWebアプリケーションを作るためのデベロッパフレームワークをフリーミアムで提供している。ただし資金調達は会社のためだけではなく、一つの新しい産業を育てるための資金でもある。それは、“ライブなWeb”という大志が成功するために勃興すべきありとあらゆるものから成る産業だ。同社によれば、ベータの現段階で登録会員となっているデベロッパは1000名/社あまり、今後は各種のカンファレンスやハッカソン、コンペなどを開催してさらにデベロッパたちの関心を高めていく計画だ。

夢は夢でも、でっかい夢だ。Parreiraはそれを、“インターネットの一大転換期”と呼ぶ。

ライブWebの構造

同社のプラットホームは、Web本体の技術を変えるものではない。むしろそれは現状のWebの上に、各ユーザとの永続的で双方向的な接続を作る。それを支えるのが、同社のORTC(Open Realtime Connectivity)とxRTML(extensive Realtime multiplatform language)と呼ばれる技術だ。

ORTCはクラウドからホストされるメッセージングシステムで、WebアプリケーションとAndroid、iOS、Windows Phoneなどのネイティブアプリから使える。アプリケーションはこれを使って、アップデートをサーバからブラウザやクライアントにプッシュする。これまでのようなページリフレッシュ操作は要らない。WebSocketをベースとする技術だが、この通信プロトコルは現在の主なブラウザの最新バージョンがいずれもサポートしている。ただしInternet Explorer 9だけはプラグインが必要だ。WebSocketをサポートしていないブラウザでは、ORTCは次善の策としてAJAXにフォールバックする。AJAXはこれまで長年、Gmailなどのアプリケーションで十分良好に使われている。セキュアな接続のためには、SSLを使う。

ORTCのAPIは、Node.js、ASP.net、Java、PHPなどいくつかの言語とフレームワークをサポートし、またiOSとAndroidとWindows Phoneをサポートしている。

Parreiraによると彼がRealtimeプラットホームを作り始めたのは3年前で、当初からクロスブラウザ*、クロスデバイス、そしてクロス言語で誰もが使えるものにしたいと考えていた。“どんなブラウザ〜デバイス〜言語からでも同じクラウド上のメッセージングシステムを同じように使えるために、表層に抽象層を置く”、と彼は説明する。“だからデベロッパやユーザは、将来的にも、低レベルでどんなプロトコルが使われているか、プロトコルがどう変わったか、などを気にする必要がない”。〔*: クロス, cross, 複数の〜〜に亙る、またがる。〕

ユースケース: パブリシング、eコマース、広告

こういうシステムの当面の主なユースケースは、Webパブリシングとeコマースと広告の三つだろう。

まずWeb上のパブリッシャーたちは自分のWebサイト上でユーザとの対話をもっと充実させたい。またユーザは、お互いに友だちなどがそのサイト上で何をしてるか知りたい。そのサイトのどの部分に人気があるか、今どんなコメントが投書されたか、などなどをリアルタイムに知りたいだろう。それはChartbeatのユーザにはおなじみの体験だ…ライブな接続の感覚としては同じだが、ただしクリックや共有をハイライトするだけには終わらない。Realtimeを実装したパブリッシャーの例が、ここにある。

eコマースもやはりRealtime化を歓迎するだろう。お客がサイトで買い物するのを見ながら、彼らにリアルタイムでいろんなもの(クーポン、バーゲン案内など)を提案・提供できる。コンバージョンレートが、ぐんとアップするだろう。

そして、広告もRealtime化がふさわしい。今すでに三番人気のユースケースだが、しかし将来的には広告の測度を単なるクリック数よりはずっとマシなものにできる可能性がある。“リアルタイムで永続的な、しかも双方向の接続があるのだから、今オーディエンスがどこにいて何をしているか・何を見ているかが分かる”、とParreiraは言う。“ユーザが今広告を見ていたら、システムにはそのことが分かるから、そのユーザのやることをミリ秒単位で追跡できる”。

今回の合衆国進出にあたり、同社は多くの企業とのパートナーシップを求めている。今すでに、TVplusWatchwithなどのソーシャルテレビサービスやNoboxのようなソーシャルマーケティングサービスとの話が進んでいる。テレビチャネルのUnivision、Tennis Channel、Worldwideなど、それにSephoraや南米最大の銀行Banco do Brasilなど、多くのクライアントもいる。これら全パートナーの、RealtimeクライアントへのWeb経由のユーザ接続は、1億2000万にのぼる。

Parreiraに言わせると、多くの人がリアルタイムWebについて語っているが、抽象的な話が多い。“Realtimeは、抽象を現実に変え、実際に使えるフレームワークを作った最初の企業だ。うちはプロダクトを作ったのではない。一つの産業を作ったのだ”、彼は大胆にもこう言う。“Realtimeは次世代Webの基盤になる。それを、現代版Webとか、Web 3.0と呼んでいただいてもかまわない。それは今後、多くの企業にインパクトを与えていくだろう”。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))