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terms of service

インターネット上での「まあいっか」、これをやめることこそ利用者の利益

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TOS;DR for TwitPic「利用規約(TOS:Terms Of Service)に同意します」というのは、インターネット上をもっとも多く流れる嘘なのだということがよく言われる。しかし「嘘」を避けようときちんと読んでみても、ほとんどの利用規約は弁護士に相談しないと正確なところがよくわからない文言を含んでいる。先週の記事にも書いたが、ウェブアプリケーションの利用については、よくわからなくても利用規約に「同意します」と言ってしまうか、あるいはサービスを全く利用しないという選択肢しかないのが現状だ。

こうした状況に風穴を開けようとしているのがTOS;DRというプロジェクトだ。利用規約の要点をまとめ、また記述内容の中に潜在的な問題点を明らかにし、そして全体的にA(ベスト)からE(ワースト)までを評価する。

現在のところ最低ランクのE評価がついているサービスはひとつだけで、それはTwitPicだ。利用者の写真を、利用者への支払いなしにニュース機関に販売することができるというところが問題視されているわけだ。

プロジェクトを率いるHugo Roy曰く、TOS;DRの評価対象とはしていないものの、Wikipediaの利用規約をひとつの模範と考えているのだそうだ。Wikipediaの利用規約は短く、そして要点も明確であるのが高評価の理由だとのこと。また規約の変更に先立って、広く利用者からのフィードバックを求めるという運用方針も、ウェブサービスの在り方として非常に高く評価すべきものであるとのこと。

このプロジェクトは、毎年ベルリンで行われるChaos Communication CampでのUnhostedプロジェクトの後継として昨年から活動を始めたものだ。Unhostedプロジェクトでは、利用者のデータをあくまでも利用者のものとして「正しく」利用することのできるシステムを構築しようとするプロジェクトだった。平易な英語での利用規約を提示するCreative Commonsからの影響もうけていて、TOS;DRも当然にその流れの中にあるのだとのことだ。プロジェクトの目的は特定規約に内在する問題点を明らかにすること、規約に同意することの本当の意味を人々にきちんと理解してもらうこと、また利用規約が変更された場合の内容やその重大性についてきちんとチェックしていくことだ。

各利用規約に対する評価は、ドイツにて家電用品の効率性について行われる評価を参考にしたものなのだそうだ。たとえばGitHubの評価はCだが、それよりも随分と劣る利用規約を提示しているDeliciousがDとなっている等、まだ十分にこなれたものとなっているとは言えない。但しスタート段階としては頑張ってデータを評価していると言えるだろう。ちなみに、別のところでも書いたように、個人的にはUnhostedのようなプロジェクトが大好きだ。但し、現実的には、たとえばDiasporaのように理想を現実化しようとするシステムを構築していくよりも、DropboxやFacebookにプレッシャーをかけつつ、利用規約を改めさせることで対処しようとする場合が多いようだ。

Roy曰く、TOS;DRはまだ公開すべき様な段階にはないとのこと。しかしドイツ国内メディアからの注目も集まり、Hacker News、でも何度か取り上げられ、もはや活動をオープンにしていくべきだと判断したそうだ。今月末に開かられるCampus Party 2012が公式デビューの場となる。

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(翻訳:Maeda, H)