アメリカの歴史教科書の検定はひどい!, iPadによる教科書選択の自由を広めよう

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アメリカの歴史教育は今でも、悪名高き反体制集団*、テキサス州教育委員会(Texas Board of Education, TBE)の支配下にある。毎年大量の高校教科書を買い付ける立場にある同委員会は、全国的な歴史教育の内容を左右できるのだ。最近彼らのうちのもっとも人騒がせなタイプの教科書審議委員が下した、評価の高い歴史教科書を“卑劣な宗教的偏見”のゆえに回収するという(愚劣な)決定は、これからの教室にはiPadが必要だという説をあらためて思い起こさせる。〔*: ここでの‘反体制’とは、民主主義や科学など現代社会の一般的標準的な価値基準を拒絶する一種の“キリスト教原理主義”的思想のこと。〕

各教室がiPadを使う、とは、各学区が生徒たちが読むものを自由に選別し決める、という意味だ。最近あちこちに芽生えてきた教科書プラットホーム、たとえばWake Forest UniversityのBiobookなどは、教師たちがもっとも良いと感じ、事実が正しく書かれていると感じたコンテンツを、Web全域から選べる時代の到来を示している。そのことがもたらす最至近の利益は、アメリカ人の正しい歴史認識を阻んでいるTBEの締め付けを、終わらせることだ。下の、The Daily Showのビデオを見てみよう。

キリスト教系の出版社Thomas Nelsonは、あの物議を醸した本、The Jefferson Lies(ジェファーソンは嘘つきだ)をリコールすると決定した。いったん書店に並んだ本の回収は人を当惑させる行為ではあるものの、勇敢な決定だと言いたい。その本はアメリカ建国の父を、公民権を擁護した“正統的なクリスチャン”と不正に呼び、彼には200人以上も奴隷がいたからそんなヒマがあったのだろう、とも書いている。Thomas Nelson社の発行人でSVPのBrian Hamptonは、“同書に、著者の意見としてでなく歴史的事実として書かれていることの中には、まったく根拠のないものがいくつかある”、と言っている。

The Examiner指摘しているように、テキサス州教育委員会は歴史学の専門家たちからの激しい抗議を無視して、あの恥ずべき著作家David Bartonの本〔==上記The Jefferson Lies〕を推奨している。同委員会が歴史教科書に対して下した、問題の多い決定には、こんなものがある:

  • 歴史教科書から“Enlightenment(啓蒙)”という言葉を削除する。
  • 教科書は合衆国を民主的な(democratic)な国と呼んではならない。“立憲共和国(constitutional republic)”、と呼ばなければならない。
  • 合衆国憲法に“教会と国家の分離”という言葉がないことを、生徒に教えなければならない。*

〔*: この言葉そのものはないが、合衆国憲法に政教分離の原則は明記されている。〕

今、各地の校区はiPadによってTBEの暴威から逃れられることを理解し始めている。たとえばアイダホ州の教育長Tom Lunaは、“今ではテクノロジの奇蹟によって州も校区も自分たちが望む姿の教科書を使える”、と言っている。

前述のBioBookは、世界中の専門家たちが書いた著述やマルチメディア作品のデータベースの提供を計画している。またカリフォルニアの教育者たちは、Open Source Texbook Project(教科書のオープンソース化)を推進している。いずれも現状では萌芽期の活動だが、教科書選択の自由が普遍化するのは、そんなに遠い未来ではないだろう。

わが国の民主主義の窒息を防ぐためにも、子どもたちにはeブックへのアクセスの自由を認めるべきだ。

[画像クレジット: LA Progressive]

〔訳注: もちろん、こちら日本でも、“検定教科書”の廃止が絶必ですね。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))